一方の雌は先ほども説明した通り、成体の状態になっていても、蛾の様な羽も生えていないためその一生を蓑の中で生活します。そして雄が自身を見つけ出してくれることを信じて、静かに待ち続けるのです。雌も交尾が終わると卵を産み、最終的には干からびて木から落ちて死んでしまいます。
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誰もが気になるみのむしの中身!どうなってる?
絶滅危惧種であることから最近では滅多に見かけることがなくなってしまった蓑虫ですが、そんな蓑の中身はきっと誰しもが気になるのではないでしょうか?こちらのコラムではそんな気になる中身について解説していきます。
丈夫な蓑の先にはいもむしのような虫が
ここまで記事を読んでいただいている方なら、何が入っているかわかるはずです。蓑を剥いだらこの中には蓑虫の雌の個体か幼虫が入っているのです。当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、実際にこのように剥ぐことが今現在できなくなってしまっているので、この事実は案外知られていないのかもしれません。
蓑を剥いでも死ぬ訳ではない
雌にとっては一生をも過ごすその大切な蓑を剥いだり、取り除いたりしても実は死ぬわけではないのです。もし蓑がなくなるともう一度新しく作り出すのです。その際色のついている材料になるようなものを与えるとカラフルな蓑が出来上がるのです。
みのむしの蓑は実は凄い性能
蓑を剥いだりしても死なないことや、なくなっても再度作り出し、その時色のついた材料を与えばカラフルな蓑を作る。そのようにメインとなるものが蓑と言っても過言ではないのですが、そんな蓑には実はすごい性能があるのです。
みのむしの蓑はこうやって出来る
自身がその一か所を見定めて、そこによいしょよいしょと徐々に木々などの材料を集めるのではないのです。自身が糸を使って木と木を伝い動く過程の中で、徐々に草や小さな枝、花びらなどがその糸によって巻き取られるように合わさって蓑が出来上がるのです。
みのむしの蓑は過酷な環境でも耐えられる
蓑虫の口から出すその糸の強度はとても強く、実験では風速10m弱程度も耐えたとされています。そして当然極寒の冬も土の中ではなく、蓑の中で過ごすためその過酷な寒さにも耐えるほどの、優れた保温性があるのです。
みのむしは昔は子どもに人気の虫だった
絶滅危惧種のリストに載ってしまう前、昔の日本中ではあちこちで蓑虫の姿が見かけられ、子供から非常に人気の虫であったのですが、その人気となる要素は一体何だったのか、そのことについて解説していきます。
みのむしを折り紙の中に入れるとカラフルな蓑を作る
蓑虫はありとあらゆる素材を使ってその蓑を作ります。つまりは必ずしも自然の中のものでなくても問題ないのです。その特性を生かした遊びが流行りました。それは色画用紙をちぎったものを材料として与えて、カラフルな蓑を作らせるというものでした。別の生物がそんな可愛らしい、作品を作ってくれるとなると人気なのもうなずけます。
触っても楽しめた
そんなカラフルでアートな作品を作ってくれる虫は、私たちを見て楽しませることだけではなく、触っても楽しまさせてくれたのです。その幼体や成体となった雌とカラダはとてもぷにぷにして柔らかく、見つけると思わず触ってしまうほどだったそうです。
以前は害虫扱いだったみのむしの末路
そんな日本中の子供たちから、カブトムシやクワガタにも引けを取らないくらい人気があった蓑虫ですが、実は害虫としての意外な一面も持っていたのです。なぜ害虫であったかを説明して記述していきます。
何でも食べる虫だったことから野菜の被害も多かった
実はキャベツやニンジン、いろいろな野菜全般もそうですが何でも食べる虫だったことから、いかんせん野菜をはじめとする農作物の被害が多かったのです。そのため農家や畑を持つ人からしたら害虫に当たるわけなのです。
外来生物の為に今や絶滅危惧種という末路
中国でも実は蓑虫が害虫として、畑や農作物を荒らすという被害にあっていたのです。そこで中国はハエをつかって駆除しようと試みたのです。そしてそれを参考に日本でも、その外来生物であるハエを輸入して日本中に放つと、たちまちハエの数は増え、一方の蓑虫は絶滅の危機に瀕してしまうほど減少してしまうという末路をたどったのです。
みのむしの顔はどんな顔?
常に蓑に覆われているので、その姿見た目はあまり知られていません。果たして顔は一体どんな顔をしているのでしょうか?こちらの見出しではみのむしの顔をご紹介していきます。顔が映し出されている動画をご紹介します!
意外と怖い顔だった
こちらの動画では蓑虫の顔がはっきりと写されておりますが、想像よりもちょっと怖くいかにも昆虫の様な見た目をしています。しかしながらおとなしい幼虫ですし、その一生はとても儚く一生懸命に生きていますので、見かけることがありましたら大切に見守りましょう。
アメリカや中国でも生息しているみのむし
日本の風物詩としての存在もあり、子供たちからも人気である蓑虫ですが、世界的にも意外と名の知れた虫であり、また各地で生息しているのです。どんな国々で見られているかなどをみなさんにご紹介していきます。
アメリカやシンガポールでも
大きく広いアメリカ合衆国や中国、マーライオンで有名なシンガポールでも蓑虫の姿が目撃されています。その何でも食べてしまう生態により、気候が適していれば問題なくどこでも生息できるようで、また面白いことにその蓑も地域の特有の草木を使うので、日本で見る蓑虫とは一風変わっているのです。
みのむしを見つけたらそっと眺めてあげてください
今回の記事では蓑虫をテーマにして記事を書いていきました。読者の皆さんの年代には、きっと子供ときには見かけて触れ合い、カラフルな蓑作りをしたりして親しみ深い存在であったはずです。また一方ではほとんど見たことがないという方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
秋の風物詩でもあった蓑虫が今や絶滅危惧種となってしまい、一つ日本の文化がひっそりと無くなろうとしています。儚いその一生を紹介しましたが、もし発見した際にはそっと眺めて必死に生きているんだなと眺めて楽しんでください。
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