通常のキノコとは異なる独特な形をしている赤い毒々しい姿は、汁が手についただけでも炎症を起こす危険なキノコです。腹痛嘔吐を初めさまざまな苦痛症状を発し、命が助かっても後遺症が残る場合があります。
致死量はたったの3gという強力さで日本でも過去には2名の中毒死が発生しています。
ワースト①ドクツルタケ
日本の中で一番危険キノコです。欧米では破壊の天使という異名を持っています。1本食べるだけで死に至るほど毒性が強いです。中毒症状が治まったと思われても1週間後に黄疸など内臓障害から起こる症状がでます。素人は白いキノコは食べてはいけないという暗黙のルールがあるほどです。
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ベニテングタケの毒③解毒法
古くから食用として身近なキノコだった地域があること、強烈な旨味成分が含まれていることから、美味しいと噂され食す人が後を絶ちません。安全に美味しく食べるための解毒処理についてご紹介します。
水に漬ける・茹でる
長野県では古くから食べる習慣があり、水で洗ってから20分間茹でます。このときに、換気をして茹でないと匂いで気分が悪くなることがあるので注意が必要です。
2~3回繰り返す
一度茹でただけでは解毒されにくいため、同じ工程を繰り返します。一番最初の茹で汁は鮮やかなオレンジ色に染まり綺麗な色をしています。繰り返していくと色は出なくなります。
塩漬けにする
茹でたベニテングタケに塩をたっぷりと隠れるほどまでかけて解毒します。食料の少ない時代に考案され、厳しい冬でも食料が尽きることのないように備えた保存食だったようです。
ベニテングタケの食べ方
解毒処理をしたあとの食べ方はどのような方法があるのでしょうか?日本での食べ方と外国での食べ方、それぞれを順番にご紹介していきます。
日本での食べ方
昔から長野県の上田市に位置する自然豊かな菅原高原付近に食べる文化がありました。上記のように茹でて、一年間塩漬けしたものを、水につけ塩抜きし味を調整して食べていました。
古くから伝わる食文化
大みそかに食べる風習があったようです。旨味の強いキノコで知られるため一年の納めに「美味しい思いをみんなで」という意味合いがあったとされています。
外国での食べ方
ロシアでは、解毒処理をしたものを塩をふってフライパンで熱しサワークリームなどを添えて一緒に食べていたり、ウォッカに漬けて食べる習慣が身近にあります。安いウォッカの酔いを深めるためといわれています。
ベニテングタケを食べた体験談
実際に日本でも自分で収穫し食べた人が多数います。中には解毒処理をしないまま食したチャレンジャーもいました。食べた人の体験談をご紹介います。
体験談①強烈な旨味
塩をたっぷりとかけて冷蔵庫で4カ月ほど放置し解毒させた後、フライパンで焼いて食べた方は、味付けを一切していないにも関わらず、噛んだ瞬間に舌にピリッと刺激する強烈な旨味が一口食べたら溢れてきたそうです。
化学調味料と塩を一緒に舐めた濃厚な味と表現しています。
体験談②採れたてを食べる
汚れを取った後にナイフで細かくカットし油をひいたフラパンで塩をかけて火を通して食べたレビューでは、口入れた瞬間に芳醇な香りと甘みが口に広がって白身魚の味に似ていると表現しています。この方は解毒処理しないまま食しても症状はなかったそうです。
体験談③30分後に症状が起きる
採れたてを洗ってトースターで焼いて食べた方も、解毒処理を行わず食べています。今まで食べたことのない旨味を感じあっという間に1本食べきりますが、急に体が熱くなり異常な汗が出始め、吐き気やめまいに襲われています。
完全な中毒症状を起こしていますが横になったら和らいだようです。
ベニテングタケをわざわざ食べる必要はない
どこまで処理をすれば解毒されているのかがわかりずらいのが現状です。危険を冒してまで食べることで周りに迷惑をかけてしまう場合もあります。大人としてのマナーとして節度ある行動をしましょう。
毒の成分が旨味につながるらしいが…
グルタミン酸の10倍も旨味成分があることから、美味しいと評されていますが正しい解毒処理をしないまま食べることで、麻薬のように快楽性もなくただ苦しむだけになります。自己責任でも周りへの迷惑を考慮して解毒せずに食べない方が確実です。
中毒で病院に行く際は
体に異変を感じたらすぐに病院へ行くことが大切です。適切な治療を受けるためにも食べ残してあるキノコがある場合は、持参して行きましょう。
他の毒キノコも実は…
ほかの毒キノコも解毒すれば食べられる場合もありますが、味がほどんどなかったり、わざわざ食べる味ではない感想が多いです。解毒のための労力の割には感動は少ないのが現実です。
安心して食べられるキノコのほうが十分に堪能できるでしょう。
過去には食用にされていたものも
スギヒラタケは食用として道の駅などで販売されていましたが、過去に急性脳症になり死亡した例が報告されたことから現在は食べないよう警告されている種類もあります。
安全にキノコを食べよう
現在スーパーなどで売られているキノコ類もしっかりと過熱をしないと稀に中毒症状を起こす場合があります。安心して食べるためにもしっかりと火を通して旨味を堪能しましょう。
火を通さないと旨味が感じられない
キノコは生で食べても旨味が全く感じられないのです。加熱をすることで旨味を感じられ栄養も効率よく摂取することができます。
ベニテングタケは解毒すれば食べられます!
適切な処理をすれば食べられる毒キノコで日本でも食文化のあることから、チャレンジする人も多いです。いまだ未知のきのこも多く存在しているので、見たことのないものは手を出さないことも大切です。
ベニテングタケに関しては、解毒をきちんと行えば食べられます。周りへ迷惑をかけないように注意をして秋の味を楽しみましょう。
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