可愛らしい風貌と鮮やかな色合いから、森の自然の美の象徴といわれ癒しや心を和ませる効果が高いとされており、そのことから幸運のシンボルとして縁起物にされています。
自然界でしか見られない
シイタケやじめじのように人工的に栽培できれば日常的に目撃できますが、ベニテングタケは自然界でしか見られません。また白樺の木しか育成しない限られた環境の中で偶然見かけると、どこかハッピーで運がついてると連想しますね。
ベニテングタケの毒①毒の成分
キノコ狩りに出かけて食用キノコと思って食べたら似ている毒のあるキノコで中毒を起こしたというニュースを時々見かけるようにキノコは種類によって毒を持っています。こちらのキノコに含まれる3つの毒をご説明していきます。
イボテン酸
食べると舌にピリピリとした刺激を与えます。旨味成分で知られるグルタミン酸が多く含まれていることから刺激となって表れるようです。興奮毒性といわれる強い興奮作用をもたらし幻覚作用もでます。
ハエ捕りに有効
小さなハエには強力な殺傷成分となります。市販されている殺ハエ剤の成分に含まれており、体を麻痺させ動かなくさせる効果を持ちます。世界で愛用されている有効成分です。
ムッシモール
イボテン酸を50度以上の熱で加熱をすると変化をする成分です。イボテン酸に比べると強い毒性はないですが、6㎎の少量で中毒症状が表れます。
ムスカリン
摂取後15~30分で症状が表れる毒性で、重篤な場合は麻痺や死に至る場合があります。血液を通ることができないため脳には症状が出ませんが、副交感神経を刺激する成分です。
ベニテングタケの毒②症状
上記3つの毒成分が含まれているのですが、どのような中毒症状を起こすのでしょうか?比較的軽い毒成分ではありますが、重篤な場合は死に至る場合もある危険を伴うキノコです。毒の症状をご説明します。
中毒症状
主な症状としては、摂取後30分以内にムスカリンが神経を刺激し出すため、最初は異常なほどの発汗症状がでます。のちに腹痛や嘔吐の症状を起こします。外に出すことで解毒され症状は和らいできます。
2時間ほど症状が出る
加熱した際に発生するムッシモールには脳の働きを鈍くさせる作用もあるので、2時間程度めまいや眠気を起こし徐々に症状は消えていきます。
病院へ行くとはやく収まる
おかしいなと思ったらすぐに病院を受診しましょう。自己判断は危険を伴います。体に異変を感じ意識がはっきりとしている間にタクシーを呼ぶか酷い場合は救急車を呼びましょう。眠気が出るため車の運転は絶対に避けてください。
死亡例もあります
このキノコを食べて中毒死するのは非常に稀ですが、実際に北アメリカで2件ありました。致死量は生の状態で5㎏以上のといわれており、特に8月~9月に採ったものは毒性が強いとされています。
自然環境によって異なる
育成されている場所や気候によっても毒性の濃度は異なるため、時期が違うから食べても大丈夫と自己判断は避けましょう。過去に死に至った怖い毒性を持つということを意識しましょう。
周りに迷惑をかける
興味本位で食べたことから中毒症状を起こし病院へ運ばれると、家族や周りの人は大変心配をします。余計な心配をさせないためにも注意をしましょう。
過去には麻薬として使用例も
現在も後を絶たない麻薬の検挙率ですが、遥か昔から人間はテンションをハイにさせその体験を楽しんでいた事例があります。そしてこの毒キノコも材料として使われていたのです。
5000年前からドラッグとして使用
スカンジナビアの先住民だった民族はこの毒性を楽しんでいたとされています。トナカイがベニテングタケを食べた後の、尿を飲みハイになるのを楽しんでいたとされています。