日本の蛇はこんなにいる!その種類や生態を画像付きで徹底解説!

奄美大島、加計呂麻島、与路島、請島に分布しています。30~60cmほどの体で、首のくびれがなく、短くて先端の尖った尾を持っています。オレンジの地色に黒い横じまが入り、背中の中心に一本の黒い縦線が入った見た目です。森林や耕地などの、落ち葉や朽ち木、石の下にいることが多く、小型の爬虫類を餌としています。

ハブの4~5倍とも言われる強力な神経毒を持っていますが、その量は少なく、性格がおとなしいため、人を噛むことも滅多にありません。開発によって数を減らしており、準絶滅危惧種に指定されています。

ハイ

伊平屋島、久米島、沖縄本島、渡嘉敷島、徳之島に生息しています。全長は25~55cmです。色や模様はヒャンと似ていますが、黒い横じまが白く縁どられており、縦線が5本入っています。餌や習性はヒャンとほぼ同様と言えます。強力ながら、量の少ない毒を有している点も同じです。

クメジマハイ

出典:PhotoAC

伊江島、久米島、座間味島、渡名喜島に生息するハイです。全長は30~60cm。横じまが全くなく、模様は5本の縦線のみです。オレンジ色は沖縄のハイより明るい傾向にあります。毒性はヒャンやハイと同様にありますが、やはり、噛まれる危険性は低いと言われています。

日本に生息する蛇『沖縄・奄美に生息する蛇』その⑦

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ここで紹介するのは、1994年にマムシ(ニホンマムシ)と別種と定義されたツシママムシ。そして、沖縄、奄美にいる毒蛇の代表格であるハブの仲間、ヒメハブと、サキシマハブです。それぞれ、ニホンマムシやホンハブとの違いを含めて解説します。

ツシママムシ

長崎県の対馬に生息します。全長は40~60cm。色や模様はニホンマムシと似ていますが、まだら模様が二重になっていない点が異なります。主にカエルを食べますが、魚やネズミも餌とするようです。夜行性で、森林や田んぼでよく見られます。毒はニホンマムシと同様にあります。

ヒメハブ

出典:Wikipedia

奄美諸島と沖縄諸島の一部に分布しています。全長は30~80cmで、太くて短い体型。鼻先が尖った三角形の頭をしています。褐色の体に角張ったまだら模様が入った姿です。基本的に夜行性ですが、昼間に見られることもあるようです。山林や渓流の近くにいることが多いですが、田んぼや人里にも出没します。

毒はありますが、あまり強くはなく、量も少ないと言われています。また、動きが緩慢なため、噛まれること自体もあまりありません。

サキシマハブ

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八重山諸島(与那国島と波照間島を除く)と、沖縄本島に生息しています。全長は60~120cmで、色は褐色か灰褐色。まだらが交互に並びくっついた鎖状の模様をしています。

夜行性で、森林から人里、樹上から地上と、八重山ではどこにでも出没します。毒は持っているものの、ホンハブよりは弱くて、量も少ないです。また、動きが鈍く性格もおとなしいと言われています。

日本に生息する蛇『沖縄・奄美に生息する蛇』その⑧

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いよいよ、日本で一番危険な蛇であるホンハブと、その仲間の2種、トカラハブとタイワンハブについて解説していきます。ホンハブとはいわゆる「ハブ」のことで、単にハブと言った場合、この種のことを指します。

ホンハブ

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奄美諸島と沖縄諸島の多くの島に分布しています。全長は100~240cm。日本最大の毒蛇です。黄褐色の体に黒っぽいまだら模様が不規則に入った見た目をしています。

主にネズミや小鳥、カエルやトカゲなどを餌としますが、アマミノクロウサギやアオバズクといった大きな獲物を食べることもあるそうです。毒を持ち、攻撃性は高く、耕地や人家などにも出没するため、噛まれる事故がよく起こってしまいます。

トカラハブ

トカラ列島の宝島と小宝島に生息しています。60~150cmで、淡い褐色か灰色の体に楕円のまだらが交互に連なる姿をしています。夜行性で、ネズミやカエルなどの小動物を餌とし、森林から人家まであらゆるところに出没します。ホンハブよりも弱いものの、毒を持っています。準絶滅危惧種に指定されている蛇です。

タイワンハブ

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本来は、台湾や中国南部、インドシナ半島に生息していた蛇ですが、見せ物用やハブ酒用として沖縄本島に輸入され、野生化した外来種です。全長は80~130cmで、大きいものでは150cmになることもあります。灰褐色の体に黒いまだら模様が並んだ姿をしています。サキシマハブに似ていますが、比べるとやや細長く、まだらが大きいです。

森林から人家の近くまで広く分布し、ネズミや小鳥、カエルなど小動物を餌とします。毒があります。毒の量が多く、気性が荒いうえ、人の生活域に出没するため危険な蛇です。

日本に生息する代表的な毒蛇

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蛇と遭遇した際の一番の心配は、相手が毒を持っているか否かでしょう。毒蛇は、毒をもつ生物としては、日本人にとって比較的身近な存在と言えるます。そんな中でも、特に遭遇しやすい毒蛇と、その対処法を紹介します。

主な蛇は3種類

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日本で遭遇しやすい毒蛇は、マムシ、ハブ、ヤマカガシの3種です。ハブは沖縄諸島や奄美諸島にしか生息していませんが、マムシやヤマカガシは日本列島に広く分布しています。いずれも個体数が多く、人の目に触れやすいところに出没するため注意が必要です。毒蛇は2本の鋭い毒牙を持つため、噛み痕は二つの穴が並んだような傷になります。

日本の毒蛇の危険性

特にマムシに噛まれるという事故は多く、年間3000人が被害にあい、うち10人ほどが亡くなっているため侮れません。ハブによる被害は減少傾向にあるものの、農地や人家のそばなど人のいるところに出没するうえ、攻撃的な性格のため危険です。

ヤマカガシに関しては、性格がおとなしいく、人を噛むことが少ないうえに、毒牙が口の奥についているため、たとえ噛まれても毒牙が刺さることが稀です。ただし、ヤマカガシは首筋からも毒を出し、これが目に入ると最悪失明に及ぶため注意が必要です。

毒の強さは?

3種の中で最も危険性が少ないのはヤマカガシと言えますが、毒自体の強さはマムシの3倍、ハブの10倍あります。また、人間への被害がほとんどないため、治療のための血清を扱う施設が少ない点も怖いところです。ハブの毒はそれほど強力ではありませんが、一度に分泌する毒の量が多いため、症状も重くなります。

噛まれた時の症状

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マムシやハブの毒は出血毒と呼ばれるもので、タンパク質を溶かし、体の組織を破壊する作用があります。噛まれると激痛があり、患部から出血し、腫れ始めます。放っておくと、腫れは全身に広がり、筋肉が壊死して障害が残る可能性があります。重症化すれば、発熱や嘔吐、さらには意識障害や急性腎不全などを引き起こし、最悪の場合死に至ります。

ヤマカガシの毒は、毒牙から出るものと首筋から放出されるもので異なります。首筋から出る毒は、餌としているヒキガエルの毒を利用したもので、皮膚についたぐらいでは問題ありませんが、目に入ると最悪失明する危険があります。毒牙の毒は、全身のあらゆる場所で血栓を作り、出血を引き起こす作用を持ちます。

噛まれた時の対処法

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まず、蛇に近づかない、茂みなどは丈夫な靴と長ズボンを履いて歩くなど、蛇に噛まれないよう気を付けることが大切です。万一毒蛇に噛まれてしまった場合は、患部を水で洗い、腕時計や指輪などの締め付けているもの外し、走ってもいいので急いで病院に行きましょう。

以前は、「毒蛇に噛まれたら安静にしなければならない」と言われていましたが、これは間違いで、とにかく急いで病院に行った方が良いということがわかっています。逆にやってはいけないことは、「傷口を切って毒を出そうとすること」「毒が回らないように強く縛ること」「口で吸って毒を出そうとすること」です。

ウミヘビも蛇の仲間

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進化の過程で海中での生活に適応した種類の蛇がいます。生息する場所は、熱帯から亜熱帯の暖かい海ですが、回遊する種類のものは亜寒帯の冷たい海に来ることもあります。体の特徴として、水中を泳ぎやすいように尾が平たくなっている点が挙げられます。

ウミヘビは爬虫類と魚類がいる

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「ウミヘビ」と呼ばれている生き物には、生物学的に全く異なる2種類があります。一つは、爬虫類有鱗目ウミヘビ科のもので、先に記述したとおり、陸で見られる蛇が海を泳ぐようになったものです。もう一つは、魚類ウナギ目ウミヘビ科のもので、これは魚です。爬虫類のウミヘビとの大きな違いは、鱗がなく、ヒレがあり、えら呼吸をする点です。

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