フリッツル事件の概要|24年間監禁されたエリーザベトの現在と壮絶な監禁生活

毎日の食事など与えられていない中、着替えもろくにできない状況だったことからも栄養的・衛生的に大いに問題があったのではないでしょうか。3日に1度だけの配給の中、薄暗い電気の灯りが唯一の世界だったのです。満足に食事することさえ許されない中、エリーザベトは生活をし、2時間毎に電気をつけて夜明けの雰囲気を作る日々です。

まさに闇と汚染された空気の生活、好きなものを食べることはもちろんできず、毎日の食事などない地下の世界です。開きドアの重さは500kgあり、到底開けることはできません。たまの食事に満腹になることは愚か、少量に量を食べることがやっとなことが伺えます。栄養面で衰えていく身体の中、衰弱していく様は無残そのものです。

空調も無くネズミが徘徊する部屋

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肉体的暴力が行われている中、生死をさまようときでも満足に薬も与えられません。空気が動いていない世界なので、地下で蠢くのは虫たちやネズミ達と言えます。地下室には空調も無く、ネズミが徘徊している劣悪な環境の中のエリーザベトです。埃やゴミなども舞う中の食事は「酷い」ことは言うまでもありません。しかも毎日狭い空間で光を浴びることなく24年間は、壮絶極まりありません。

聞いただけでショックを受けてしまいそうな中、エリーザベトは生きていくために必死だったのです。地下室はもはや部屋と呼べるものではありません。まさに監獄よりひどい状態だったことが分かります。監獄では掃除や食事が整っていて、空気も循環しているのでそれ以上の中での生活です。悍ましい生活が24年間続く姿は、誰もが想像を絶することではないでしょうか。

精神的にも追い詰められた生活

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同じ生活が何週間、何ヶ月、何年と続くと壊されていくのは身体だけではありません。精神的に発狂したくなる程追い詰められていたことも確かでしょう。実母が声が聞こえたときには、ガスのボイラーの音とさえごまかすほどの隠されたスペースです。仕事場の裏に隠されたスペースで、出入り口も地上から確認することはできない中叫び声も届かないので、精神的に追い詰められていくことは確かでしょう。そして、1993年にはヨーゼフは秘密の部屋まで作り、地下に出入りすることはできない状況になったのです。ロゼマリアが部屋までコーヒーを持っていくことすら許されません。地下への出入り口はそこに隠されていたからです。

脱出したらガスで殺すと脅しをかけていたこともありましたが、配管は通っていないので脅しには十分だと言えます。徐々に神経は崩壊していくには時間はかかりません。妊娠中は特に劣悪な環境に中病気になったことは数多く、不安感に陥ることはもちろん、妊娠の度に不安定な状態は続き苛まれていきます。精神的に蝕まれていくのは、時間の問題と言えるのではないでしょうか。その中でエリーザベトは恐ろしい生活を余儀なくされたのです。

容赦なく繰り返されたレイプ

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騙され監禁されてから続いたのは肉体的・精神的暴力だけではありません。実父によるレイプは週に何度も繰り返され、24年間で3000回は超えるのではないかとされています。満足な食事もなく、光にない中での劣悪な環境で見える姿は実父のみです。最初の数ヶ月は鎖に繋がれたとされ、器具を使って怪我をしたこともあったとされます。自殺を考えたことは当然のことかもしれない中、治療もされないまま数時間も背的器具を使われたこともあったのです。

悲鳴が地上に届くこともない中、実父によって繰り返される性的虐待は恐怖の他に何もありません。ヨーゼフによって洗脳されいく環境であったことは、想像できる範囲を超えているでしょう。ドアが開く度にその時間が来る、逃げ場がない状況で繰り返されるレイプは恐ろしいと言う言葉では表現できないことではないでしょうか。

フリッツル事件の裁判の行方とエリーザベトの現在

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25年目に明るみにされた恐ろしい生活の終止符ですが、フリッツル事件の被害者にとって終わりはありません。新たにスタートするには長い年月が経ち過ぎたのです。眠ることがままならない状態はどこまで続くのでしょうか。エリーザベトと子供達の生活の本当の始まりはこれからです。

ただその中でもヨーゼフの裁判は始まりを迎えます。裁判の場にいることの恐怖は、誰の目にも明らかなので隠された中で執り行われたのです。そうとは言え、大きなニュースなので多くの人が訪れたことは言うまでもありません。

裁判の様子

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多くのジャーナリストや傍聴人が集まる中行われた裁判ですが、開廷と同時に全ての人が退席させられる緊張感の中、バインダーを下ろしてから始まります。ミヒャエルの殺人と脅迫以外は弁明する展開になった裁判です。隠し続けた犯行を弁明する姿が、弁護士によって語られています。

弁明するといった裁判の行方はどうなるのか、全世界が見守る裁判になったのです。その犯行全てが許されるものでは無く、陪審員へと説明が始ま理を見せるときがきました。

ヨーゼフは終身刑に

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1m74cmの法廷の高さから、地下室は170cmと低くどれだけ低さで、精神的にも追い詰められていたか、じめっている地下室から採ったカビ臭い環境を持ち込み説明したのです。11時間に及ぶエリーザベトと精神科医、警察とのやりとりは陪審員が見ることが耐えないほどの内容です。陪審員が2時間は見ていられなかったとされている内容からも、恐怖が浮き彫りにされて行きます。弁明を繰り返す実父の姿に変化があったのはすぐ後のことだったのです。

犯人である実父は傍聴席の実娘を見て崩れ落ち、全ての罪を認め弁明を撤回します。ヨーゼフに下されたのは15年間仮釈放なしの終身刑であり、控訴しない方向で結審したのです。そして、精神疾患犯罪者のための特別な区域に収監されることになったのでした。彼はもとより精神疾患を患っていたとされてもいます。行動は計画的だったことから、刑が酌量されることはありません。

エリーザベトとその子供は移住し生活

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ここからがエリーザベトと子供達の出発のときです。しばらくは被害者達家族とロゼマリアも含めた、6人の入院が必要とされます。陽の光を浴びていない子供には多くのものが不足していたのです。更にはショックを受けた多くの子供達と、近親相姦によってもたらされた原因が含まれていて未発達だったとされています。2008年6月8日には、ちょうど娘のケルスティンも昏睡状態から回復へと向かっていくのです。

2009年3月には隠れ家が撮影され病院に再び戻ることもありましたが、エリーザベトは後に厳重な警備の中、退院した後はオーストラリアの名の知られない土地に移住し、新生活がスタートします。6人の子供が入院していたのですが、ロゼマリアの元を訪ねながら1人を暮らしているとの話が現状と言えるでしょう。それからさらに日が経っていることから、現在では幸せに暮らしていることを願いつつ、風化させてはいけないフリッツル事件と言えます。

エリーザベトはボディーガードの方と交際

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後の話ではありますが、エリーザベトは自伝を書くため、ヨーゼフの裁判を傍聴したこともあると言います。自伝は繰り返されてはいけない事柄を表す、大切な1ページであり一冊です。更にはボディーガードの男性との交際も噂され、本当の「新たな生活」の訪れもあるでしょう。

本来あるべき姿を取り戻しているといって良いかもしれません。子供達のその後は知らされていませんが、パパラッチに追われて家を公開されたときは荒れたとされているほどです。今後は誰にも追われることのない生活で、新たにスタートすることが必要でしょう。

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