従妹とは?
従妹という漢字が一体何を指すのかご存じない方も、漢字の並びからなんとなく想像のつく方もいらっしゃるかと思います。まず初めにこの漢字の読み方や従妹の正体についてを説明したいと思います。
従妹の読み方
従妹という漢字は基本的に「いとこ」と読みます。また音読みで「じゅうまい」という読み方もできる他に、古い日本語の読み方では「いも」と読む場合もあります。これは男性から見て自分と母親が同じである女性という意味です。
現代での読み方の割合としてはいとこが圧倒的に広く使われており、数字で見ると95%以上の方がそのように読んでいます。じゅうまい及びいもは残りの数%の約半分ずつの割合で使われています。
従妹の意味
従妹は年下のいとこを指す言葉で、自分よりも年上の場合には従姉という言葉を使います。兄弟や姉妹のように覚えれば簡単で、このパターンは異性のいとこにも従弟、従兄と同じように適応されます。
従妹の使われ方
先にも少し説明させていただいた通り従妹という漢字には様々な読み方があり、それに伴い文中での使われ方や意味合いも少し変わってきます。どのように使うのか、次にこのことについて紹介していきます。
従妹(いとこ)の使われ方
たとい一分間でもこの従妹を、注意の中心として、みんなの前に引き出そうとする努力の迹さえありありと見えた。
夏目漱石著「明暗」
(引用:ふりがな文庫)
他者が続編を出したものの、死去してしまったために未完となったこの明暗は人間の薄暗い感情や少しややこしい家族関係を描いた作品です。ここで登場する従妹はそのままの意味のいとこになります。
従妹(いも)の使われ方
昨夜つけ捨てし従妹の白粉紙にぞ
山口芳光著「孤閨瞋火」
(引用:ふりがな文庫)
こちらの作品では従妹は「いも」と読むので、姉や妹である家族のことを指します。このあと続く数行の中では主人公が病室にて鬱々としていることや周りに男性ばかりおり女っ気のないこと、そんな中で従妹が使い残していった白粉紙に女性性を感じなんとなく艶っぽい気持ちになるという描写があります。
従妹(じゅうまい)の使われ方
藤井は妾の何人なるかを問い究る暇もなく、その人に牽れて来り見れば、何ぞ図らん従妹の妾なりけるに、更に思い寄らぬ体にて、何故の東上にや、両親には許可を得たりやなど、畳みかけて問い出でぬ。
福田英子著「妾の半生涯」
(引用・ふりがな文庫)
この作品での従妹はじゅうまいと読み、年下の女性のいとこを指します。作者の福田英子の生涯についた書かれた作品であり、この文章の中では従妹は相手から見た自分との間柄を説明するものとして使われています。
従妹と結婚できるのか?
血縁者である従妹はとても身近な存在です。顔を合わせる機会が多い方もおり幼馴染のような彼女たちですが、もしもそこに恋が芽生えた場合結婚はできるのでしょうか。次はそのことについて解説していきます。
従妹と結婚は可能
従妹は親族ではありますが、結婚することはできます。法律で禁止されているのは親兄妹などの直系血族及び甥や姪など3親等内での結婚であり、従妹はこれに含まれない為結婚ができるものとされています。
いとこ同士で結婚している有名人
私たちのよく知る有名な方々も実はいとこ同士での結婚をしています。教科書にも出てくる豊臣秀吉も歴史に詳しい方の間では有名な話ですが妻の千姫はいとこです。また政治家にも多く菅直人元首相もいとこと結婚した方の1人で、結婚のについて家族や親戚からはひどく反対されたようです。
かの有名なアインシュタインもいとこと結婚をしており、初めの妻と離婚後の再婚相手もいとこです。過去に遡れば平安時代の後醍醐天皇なども2人のいとこと婚姻関係にあるなど、いとことの結婚は思っているほど少なくないのです。
従妹と結婚する時のメリット・デメリット
従妹との結婚は意外にも珍しくないという話をさせていただきましたが、その中で紹介したように親族に反対されるなどのデメリットもあります。悪いことだけではなくメリットも合わせてお話させていただきたいと思います。
結婚のメリット
従妹と結婚するメリットはまず昔からの友人のように気楽に過ごすことができ、またお互いのことやお互いの家族のことを理解し合えることです。自分たちの両親が兄妹であることを考えれば、例えば口論になってしなった場合や本人に言いづらいことが出てきた場合、周りへの相談が容易であると言えます。
従妹との結婚について詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。
結婚のデメリット
家族や親戚に反対される例を上げましたが、他にも従妹との結婚でのデメリットはあります。それは将来生まれてくるこどもについてです。兄弟など直系の血族ではないにしろ、従妹もそう遠くない血縁者です。
もちろん子供を持つことも可能です。しかし、血縁者との間に生まれるこどもはどうしても身体や脳に障がいが生じる可能性が高くなってしまします。相手がいとこではない夫婦と比べると、そのリスクは倍にまでなるといいます。
従妹の他にもいとこを表す言葉
従妹という言葉について説明させていただいた際に従妹以外にもいとこを表す言葉があることをお話ししてきましたが、ここでもう一度それらの言葉が何を意味するかを見ていきたいと思います。
従妹の関連語①従兄
従兄とは「いとこ」又は「じゅうけい」と読み、いとこが自分よりも年上の男性というケースで使う言葉です。漢字を見ると従う兄となり、この場合は自分が従う、つまり目上の存在のような意味合いになります。
従妹の関連語②従弟
従弟は「いとこ」又は「じゅうてい」と読みます。こちらは自分より年下の男性であるいとこに使う言葉であり、漢字では従う弟となります。これは従兄の場合とは逆で、従うが表すのは自分ではなく相手となります。
従妹の関連語③従姉
従姉は「いとこ」又は「じゅうし」と読み、自分よりも年上の女性であるいとこを指す言葉です。従う姉と書く従姉も、従兄同様自分が従う側になり、相手が目上の者というような意味合いになります。