いけず石とは?京都人の意地悪すぎる悪習?法律違反になることも?

隅に置くだけではなく、中には「ペットボトルの口を開けていたら良いのでは」という、まさに「いけず」な意見もありました。自分の領地を守りたいという古の工夫は、このような場所でも生きています。

他にもあるよ!京都らしい対処法「犬矢来」

京都にはいけず石の他にも、迷惑な行為を粋に乗り切る対策法があります。竹を曲げて作られた「犬矢来(いぬやらい)」という垣根もそのひとつです。いけず石同様、とても実用的な犬矢来の使い方をご紹介します。

犬の放尿を防ぐ「犬矢来」

木造建築に馴染むなめらかな曲線のデザインが美しい犬矢来。街並みに趣を添えています。犬矢来は江戸時代の中期頃誕生したと言われ、「犬をやらう(追い払う)」という意味から、犬などの小動物が家におしっこをするのを防ぐ目的があります。

その他の効果も

犬のマーキング防止の他にも、カーブを描くことで泥棒の侵入を防いだり、車馬の水はねや飛び散る雨からの腐食を抑えたりと犬矢来の効果は様々あります。

最近は竹だけでなく金属やプラスチックなどの素材で作られたものや、可動式でしまえるものなど、様々なニーズに適応しています。

「本音と建前」京都のいけず文化とは!

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誰しも一度は、「京都人の言葉をそのまま鵜呑みにしてはいけない」と耳にしたことがあるのではないでしょうか。本音を隠して建前を重んじる、京都人ならではの言い回しから、「いけず」な文化に触れてみましょう。

「お茶はいかがですか?」

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「お茶をもう一杯いかがですか?」と聞かれたら「いただきます」と言ってしまいそうですが、相手が京都の人であれば注意が必要です。こう尋ねられたら「早く帰れ」と思われています。他にもコーヒーやおしぼりを勧められる場合もあるので、空気を読んでおいとますることをおすすめします。

「ぶぶ漬け」

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「ぶぶ漬けたべなはれ」と言われたら、こちらも「帰れ」の合図です。もともとは「京茶漬け」や「京のぶぶ茶漬け」という落語から来た話で、すすめられたお客がいくら待ったところでぶぶ漬けは出してもらえません。それどころか、「無粋な人どすな」とばかにされてしまうのです。言葉の通りに受け取らないことが賢明でしょう。

京都文化がわかるかも!おすすめ京都漫画と本

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雅さの裏に隠された京都人のしたたかさは、数多くの作品で取り上げられてきました。京都出身者だからこそ描くことができる京都文化の漫画と本、そしてニッチないけず石を取り上げた本もご紹介します。京都の見方が180度変わるかもしれません。

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