では、実際に起きたボアコンストリクター関連の事故を確認してみましょう。
ボアコンストリクターに噛みつかれる事故が多発
噛みつき事故は最も多く発生するトラブルとされてします。毒のない蛇であることはもう説明しましたが、人間にとって彼らの噛み傷が致命傷になることはまずありません。
穏やかな性格だからこそ驚いて噛みつくことがある、人間が悪いのだから仕方ないと主張する愛好家もいます。いずれにせよ小さな子供などは遠ざけたほうが無難といえます。
ボアコンストリクターに絞めつけられる事故も
脅威なのは、その力強い体躯による締め付け攻撃です。蛇が獲物に巻き付く速度は驚くほど俊敏であり、全身が筋肉の塊のため、じわじわと力を込められたら簡単に逃れることはできません。
一度締めつけ体制にはいった蛇は、ワニにかみつかれても離れないこともあるので、彼らの体力が尽きるまで巻き付かれ続けるハメになります。
Contents
ボアコンストリクターによる死亡事故
怪我だけでは済まず、最悪のケースとして死に至ってしまった事例もあります。決して獰猛な性質ではないボアコンストリクターですが、ペットとして犬のように慣れることもありません。
大型爬虫類の扱いは非常にデリケートで、ハンドリングにも念入りな注意が必要なのです。
ボアコンストリクターを要因とする感染症による死亡事故
2001年アメリカ、オクラホマ州の女性が、自身の飼育しているボアコンストリクターの保有するサルモネラ菌によって死亡するという事故が発生しました。
家畜や食中毒のイメージが強いサルモネラ菌ですが、爬虫類の消化器官にも生息しています。世話をする過程において感染した可能性が高いとされています。
2010年に発生したボアコンストリクターの絞めつけによる死亡事故
こちらは2010年にネブラスカ州で、ボアコンストリクターを首にかけてたわむれていた男性が、そのまま締め付けられて窒息死したという事故です。
蛇は空腹状態でなく、捕食対象と間違えた可能性は低いとされています。人間は一緒に楽しく遊んでいるつもりでしたが、取り返しのつかない事態になってしまいました。
「特定動物」に該当するボアコンストリクター
犬や猫とは異なり、ボアコンストレクターのような生物は、政令により特定動物に指定されているため、公的な許可を取得する必要があります。
特定動物って何?許可はどうやって取るの?本当は飼わない法がいい?次からは過去の事故例を交えつつ疑問に答えていきましょう。
「特定動物」とは?
ペットとして世界中で広く流通しているボアコンストリクターですが、大型の蛇で事故例もあるとういことで、日本では動物愛護法にる飼育制限がかかっています。
飼育するには地方自治体の許可や、マイクロチップの埋め込みなど、厳密な管理が義務付けられた動物です。手続きの不備などが起きないよう、各団体に詳細を問い合わせてください。
ボアコンストリクターは特定動物から外されるべき?
ボアコンストリクターの事故例については先に触れましたが、では、個人としての飼育を禁止した方がよいのでしょうか?
決して獰猛ではありませんが、攻撃や逃走などトラブルが起きた際の対処が難しいため、特定動物の指定を外さないまでも、個人での飼育を禁止すべきという声もあります。
2012年に発生した日本国内の負傷事例
東京都では、逃げ出したボアコンストリクターが女性に噛みつき、巻き付いて締め上げるという国内初の負傷事例が発生しました。飼い主である都内在住の男性は書類送検されています。
被害者が成人女性であったから、体力的にも判断的にもまだ無事で済んだものの、これが幼い児童であったら最悪の事態が起きていた可能性もあります。
日本でも摘発された無許可飼育
また特定動物としての許可を得ず、無断で飼育している悪質なオーナーもいます。ボアコンストリクターが逃げ出したことにより発覚、近所で捕獲されましたが、そのまま街中や学校の近くに逃走でもしていたら大変な騒ぎになっていたことでしょう。
安易な気持ちで危険性の高い生き物を入手し、ずさんな管理で飼育するなどあってはならないことです。
温和な反面、飼育には細心の注意も
ボアコンストリクターが攻撃的な手段に出るのは、必ずしも怒りや空腹のためとは限りません。結果的に人に危害を加えてしまったとしても、彼らは単に脅え、身を守るための手段としている場合だってあるのです。
遠い国まで連れてこられて一方的に猛獣呼ばわりなんてあまりに気の毒な扱いです。
ヘビにまつわる雑学
ここからは閑話休題です。ボアコンストリクターに関わらず、蛇全般に関する雑学知識を学んでいきましょう。
蛇に興味があるあなたはいくつご存知でしたでしょうか?もちろんすべて知っているという方は、みなに誇るべきスネークマスターです!どうぞこの知識をみんなに広めて蛇の魅力を伝導してください。
空飛ぶヘビがいる
この世界で唯一の空飛ぶ蛇、それがトビヘビです。厳密にいえば自ら羽ばたくわけでなく、ろっ骨をムササビのように広げ気流に乗って滑空するのです。
その距離なんと100m!体をうねらせ方向転換もできるというスーパーテクニックの持ち主です。もし知らずに見かけたら神の使いかと勘違いしてしまいそうですね。
年単位で食べなくても死なないヘビがいる
蛇の中でも数種類のものは、餌がない状況が続くと自ら新陳代謝をコントロールし、省エネモードになることで飢餓状態を乗り切ることができるのです。
冬眠の作用とよく似ています。我々人間と根競べしたら、確実に蛇に軍配が上がることでしょう。
ヘビは舌でにおいを嗅ぐ
蛇にも嗅覚は存在しますが、それとは別にあのチロチロと先割れた舌にも嗅覚器官があります。舌先に付着した微細物質を、口内で獲物かそうでないか判断しているのです。
また耳がないためアゴで音(振動)を感知しています。口元に多くの感覚が集中した生物といえます。
ヘビが存在しない国がある
我々にとっては実に驚きですが、ニュージーランドには蛇が一種類たりともいません。だからこそキーウィのような飛べない鳥が生息できるのです。
蛇がいない理由については諸説ありますが、蛇が死ぬほど苦手!という人にとっては天国でしょうし、蛇愛好家にとっては苦難の土地でもあります。
ヘビこそ主役!巨大蛇が出演する映画
やっぱり蛇が好き!それも特別大きいやつが!もっとずっと見ていたい!という方に、特級ラージサイズスネークがじゃんじゃん登場する映画をご紹介します。
現実的かどうかは別にして、画面から溢れんばかりの造形美を全力で堪能してください。
アナコンダ
巨大蛇映画といえばコレ!とすぐ名前が挙がるぐらい、蛇マニアから大好評のパニック映画です。
実物はボアコントリクスターと同じボア属で、体長10m前後にもなる超大型種ですが、劇中にはそれをはるかに上回るサイズが登場します。続編は4まで制作されたほどの名作です。
スネーク・フライト
先ほどの作品が質なら、こちらは量で勝負!といわんばかりに、機内にこれでもかとばらまかれた蛇!蛇!蛇!のショッキングアクションムービー。
もちろん大蛇も登場します。浴びるほど蛇にまみれたい気分が味わえる、蛇好きにこそおすすめしたい逸品です。
メガ・パイソンVSギガント・ゲイター
いいや!何はなくともデカさがすべてだ!と言わんばかり、500m級の蛇・パイソンと、負けないぐらいギガントサイズのワニ・ゲイターが、街を、ビルを、人をがんがん壊して戦いまくります。
細かいことは気にするな、俺は最高のモンスターバトルが撮りたいんだ!という監督のほとばしる情熱を感じる一作です。
ピラナコンダ
いいやいっそ合体させよう!そう思いきりすぎてしまった作品がこちらです。
楽園の島ハワイを舞台に、頭がピラニア・身体がアナコンダという爬虫類マニアよくばりセットのような架空のモンスター・ピラナコンダが、水辺の美女に容赦なく襲い掛かります。ヘリコプターに食らいつくシーンはまさに圧巻です。
ボアコンストリクターはペットとして飼育可能だが細心の注意も!
ボアンコンストリクターをはじめ、爬虫類はなかなか心通わせることの難しい種族です。特定動物を飼育するに当たって、きちんと正当な手続きを取りましょう。
穏やかな性分に甘んじることなく、過去の事故事例を心にとめて、細心の注意を払って最後までお世話をしてあげましょう。
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