ボアコンストリクターとは?
爬虫類がお好きであれば、どこかで聞いたことがあるかもしれませんね。ボアコンストリクターとは大蛇であり、愛好家のあいだでも「ボアコン」の通称で親しまれている人気の大型種です。
彼らを詳しく知るために、まずは基本的なデータから記載していきましょう。
ボアコンストリクターの学名と分類
学名も和名の読み方とそのまま同じです。アカオボアと呼ばれることもあります。科と属は共にボアであり、同属は本種のみとなっています。
ちなみに「ボア」は古代ローマの伝説上の大蛇の名で、「コンストリクター」には圧縮する・絞め殺すものという意味があります。名前だけでも相当な迫力ですね。
ボアコンストリクターの生息地
メキシコ南部より中央アメリカ、南アメリカからカリブ海諸島にまで生息が確認されています。
高湿度の熱帯雨林、風通しの良い森林地帯、乾燥したサバンナから砂漠に至るまで活動範囲は幅広く、時に民家近くに現れるなど人間と生活領域が重複することがあります。夜行性ですが昼間の活動も可能なため、うっかりはちあわせてしまうことも。
ボアコンストリクターの大きさ
成体になるとその大きさは悠々と成人男性の伸長を超す、とても大きな蛇です。
生体と触れ合うことを専門用語でハンドリングと言いますが、ボアコンストリクターとのハンドリングの光景は、ふれあいというより運搬や搬送といった言葉を当てたくなるほどの迫力です。
ボアコンストリクターの寿命
寿命は飼育されていれば20年から最長30年ほどで、大型種の蛇としては平均~やや長寿程度といえます。飼うつもりであれば相当な覚悟が必要な年月ですね。
野生環境でも平穏に過ごせば同じだけ生きると想定されていますが、たいていは他の動物に襲われてしまうため、10年以上生き延びる個体は稀です。
ボアコンストリクターの魅力や人気の理由とは?
自宅で飼う蛇としては大型にも関わらず、ボアコンストリクターはペットショップで人気の高い品種です。とにかく見た目が好き!という人も勿論いるしょうが、ペットとして人気ということは、その性質にも大いに魅力があるということです。
「こんなに大きな蛇は怖い!一体どこに魅力なんて…?」と思う方こそ、以下の項目を読んでみましょう。
性格は大人しく、ペットにも向いているヘビ
気質はあくまでも温厚でおとなしい、いわゆる「おっとり」タイプです。驚かせるなど不当な扱いさえしなければ、積極的に襲いかかってくることはありません。
凶暴性が低い点は非常にペット適正が高いといえます。いくら爬虫類が人になつかないと言っても、飼い主だってむやみに攻撃されたいわけではありませんから。
毒を持っていない
こちらも重要ですが、ボアコンストリクターは毒を持たない蛇です。牙はあるので噛まれたら当然怪我をしますが、毒がない、という点だけでもかなり扱いは楽になります。蛇の毒にすぐ対応できる病院は少ないですから。
なお、次の記事には世界最強の毒蛇についての特集があります。
バリエーション豊かな色彩と模様
彼らは同じ種類でも、その体色や模様に幅広いバリエーションを持っているという特徴があります。青みがかった網目、あざやかな黄色、淡い白色など実に多種多様です。
また体長も地域差が大きいため、環境に適応・進化する速度が速い生物と言われています。飼育環境でも個性が出やすいので、自分だけのペットであるという思い入れが強まります。
ボアコンストリクターの食性と捕食方法
ここでは彼らの食事事情について着目していきます。一体何を餌するのか、それらをどういった手段で捕獲しているのか?
一口に蛇と言ってもその種類や大きさによって、餌の捕らえ方から食べ方まで、いろいろ違いがあるものなのです。
ボアコンストリクターは毒を持たないヘビ
先にも述べた通り、この蛇は毒を持っていません。有毒爬虫類はほぼすべてが蛇といわれるほど、蛇と毒性と直結した関係を持っていますが、ボアコンストリクターに関してはこれに当てはまらないのです。
なお、蛇以外にも有毒と認定された生物の中には、次の記事のようにまるで毒のイメージのない動物もいます。
ボアコンストリクターの捕食対象
蛇特有の柔軟な構造のアゴと、捕食に有利な体躯を持つ彼らは、ネズミやリスや小鳥のような小動物をはじめ、もっと大きなヤマアラシ、マングース、果ては大型トカゲなど、自分の頭より大きい生物を悠々と食します。
蛇の中には犬やヤギ、人間まで食べてしまう種類もいるので、この程度など珍しくもないことなのでしょう。
ボアコンストリクターの捕食方法
毒で麻痺させている隙に…という手段が使えないため、獲物を捕まえるための主な手段は「奇襲」になります。物陰に潜み待ち伏せて、対象が近づいたら一気に襲いかかるのです。
小さな獲物であれば丸飲みですが、大きすぎる獲物であればコンストリクター(締め殺すもの)の名の通り、その身を巻き付けて弱らせてから飲み込みます。
ボアコンストリクターはどれくらい大きくなる?
ここからは具体的なサイズについてのお話です。大型種であることは何度も説明しましたが、大きいとはいったいどれほどのサイズを指すものなのか?明確な数値が分からなければとても飼育には挑めません。
なお、以下の記事にある日本国内の蛇と比較しながら読み進めると、より分かりやすいです。
一般に流通されるボアコンストリクターは1m~2m
基本サイズは平均2m前後です。飼育下においては環境や栄養状態に恵まれているため、もう1mほど成長することもありますが、野性のものはこれ以上のサイズにはならないと言われています。
それでもペットとしては充分に大きすぎますね。2mの犬や猫やハムスターを飼うことはまずありませんから。
オスとメスで大きさは異なる
人間とは逆に、ボアコンストリクターはメスのほうが体格の大きな動物です。特別大きなメスの個体であれば3m後半、飼育環境では時に4m近い大きさまでになります。
また蹴爪という、もとは後ろ足であった痕跡でもメスオスの判別をつけることができ、こちらはオスの方が大きいとされています。
最大5mを超えるボアコンストリクターも?
これまで確認された中で最も大きな個体は5.6mという記録になっていましたが、これはグリーンアナコンダという別種の蛇の誤りでした。
ボアコンストリクターは大型種の多い南米の蛇の中では特別大きいサイズではなく、同じボア科であるオオアナコンダは最大で9mに達します。上には上がいるの典型ですね。
ボアコンストリクターはどこで販売されている?値段は?
さて、いよいよボアコンストリクターを迎える準備に入りましょう。そもそも南米産の生物であるため、日本国内のそのへんで捕獲してこよう!…などという手段は不可能です。
入手経路は大きく分けて三種類、ペットショップ・ネット通販・イベントによる直販になります。
ペットショップやネット販売でも入手可能
爬虫類に特化した店のほうがより確実です。店頭にいなかったとしても、店によっては取り寄せてくれるので、店員さんに問い合わせてみましょう。
どちらも利点はありますが、しいて言えば初心者は、プロから念密なアドバイスを受けられる実店舗がよいでしょう。いざ足りない設備があったとしても、その場ですぐに買い足すこともできます。
イベント「ジャパンレプタイルズショー」での販売も
国内最大級、爬虫類を中心とした展示即売会イベント、それがジャパンレプタイルズショーです。爬虫類オーナーで知らない人はいないと言われるほどの大規模会場であれば、ちょっと珍しいタイプのボアコンストリクターが入手できるかもしれません。
爬虫類以外にもフクロウやハリネズミなどのエキゾチックアニマルにお目にかかることができます。
イベント「BLACK OUT」での販売も
BLACK OUTは爬虫類はもちろん、昆虫から珍獣、普段お目にかかるのも難しいようなレアアニマルが、全国各地から選りすぐりで集合するイベントです。
生体はもちろんのこと、標本やフィギュア作品などグッズ販売も豊富で、ペットは飼えないけど好きなの!という方にも嬉しい取りそろえになっています。
参考はこちら:昆虫・爬虫・珍獣フェア !! – 《 BLACK OUT ! 》
ボアコンストリクターの値段はどれくらい?
品種やカラーなどによって大きく開きがあり、お手頃価格は3万円代から、特に珍しく希少価値の高い条件であれば30万円近くになるので、お好みとお財布、両方と相談して決めましょう。
飼育設備や維持・餌代にももちろんお金がかかっていくものなので、生体のみの値段で決めるのは早計です。飼い主には終生世話をする義務があるのですから。
ペットとして飼育するボアコンストリクターによる負傷事故
いくらおとなしい性格だといっても、子猫や小鳥を飼育するのとはやはりわけが違います。種族的に意思疎通が難しい関係である以上、知識をもって正しい扱いをしてあげなければ、時に思わぬ事故が発生することもあるのです。