ひと目見ただけでも特徴的な体の形をしているアリクイですが、実は隠れた部分にもアリクイならではの特徴があります。かわいいところから意外と怖いと感じるところまで、その特徴を教えたいと思います。
細く長い舌を持っている
アリクイの一番の特徴はその長い口です。口の中には粘着力のある唾液と細かいトゲのついた舌が隠されています。個体差にもよりますが、舌はおおよそ60cmの長さになることもあります。粘着性の唾液に蟻や餌を絡みつかせて食べます。
口は小さくて歯はほとんどない
歯は退化したことでそのほとんどが無くなったとされています。そのため蟻など小さいものを丸呑みします。動物園などで人に飼育されているものは小さい餌以外はペースト状の餌を与えられることが多いです。
鋭い爪を持っている
前足には鋭くて大きな爪があり、その爪で硬い蟻塚を壊したり木登りをしたりと器用に使いこなします。敵に襲われたり身の危険を感じたときはこの鋭い爪で攻撃することで身を守ります。ですから威嚇中は絶対に近づいてはいけません。
アリクイの種類を紹介
現在確認されているのは4種です。同じアリクイ同士でも体の大きさや身体的特徴は様々なので、ぜひ覚えて動物園にいるのはどのアリクイか見分けてみましょう。種類別にその違いを紹介していきたいと思います。
オオアリクイ
体長はおおよそ100~130cm、尻尾は65~100cmになり、体重は18~40kgと人間の子供くらいの大きさに成長するためアリクイの中でも最大の種類です。おもに中央アメリカから南アメリカで生息しています。
嗅覚が人間の40倍もあり、地面の匂いを辿りながら蟻の巣穴を見つけ出します。一日におよそ3万匹のシロアリを食べているとも言われています。生後1年は母の背中におぶさって行動しています。オオアリクイの詳しい生態や天敵はこちらをどうぞ。
ヒメアリクイ
体長はおおよそ12~23cm、尻尾は16~23cmになり、体重は0.2~0.5kgととても小さく、アリクイの中では最小の種類です。体よりも尻尾の方が長いのが特徴で、物に巻き付けることができるので木の上での生活に適しています。
基本的には木の上で過ごしていて、動きがとてもゆっくりとしているためナマケモノに近いと言われています。背中の体毛は黄色や灰色。生息地はメキシコ南部からボリビアににかけてが多いとされています。
キ夕コアリクイ
体長がおおよそ55~75cm、尻尾が40~70cmになり、体重は2~7kgです。肩からお尻の方へと黒い体毛混ざっていることがあります。尻尾の大半には毛が生えていません。中央アメリカから南アメリカにかけておもに生息しています。
ミナミコアリクイ
体長がおおよそ33~88cm、尻尾が37~67cmになり体重は1.5~8.5kgです。アリクイの中では中型ですが生活環境によって体格差がでます。メキシコ周辺から南アメリカ北部に生息しています。風貌はキ夕コアリクイと似ていますが、見分けるポイントは耳の長さです。
アリクイにも負けない?威嚇ポーズがかわいい動物
ここまでアリクイについてたくさん紹介してきましたが、お次はアリクイにも負けない威嚇ポーズをする動物をピックアップしたのでそちらを紹介したいと思います。一応伝えておきますが、みな威嚇中です。かわいさをアピールしているわけではありません。
そっくり!レッサーパンダ
見てくださいこの姿。両方の手足を広げて大きく見せようとするその出で立ちはまさにアリクイのようです。そしてレッサーパンダもおもわず抱きしめたくなるかわいさ。威嚇とはなんなのかわからなくなってしまうほどです。レッサーパンダをもっと知りたい方はこちらをどうぞ。
小さいけど負けない!モモンガ
こちらも同じく体を大きく見せようと必死に手足を広げています。それでも小さいですがその必死さがまた愛らしい。モモンガは威嚇と同時に鳴き声を発したり、手を出したりと威嚇のときは攻撃性が強いので気をつけましょう。
昆虫やザリガニも
他にも威嚇ポーズがかわいい生き物はたくさんいます。昆虫などが平気な人には他にも蜘蛛もおすすめです。威嚇ポーズならぬ威嚇ダンスを披露してくれます。ぜひいろんな生き物の威嚇ポーズを見てみてください。
アリクイは飼える!
ペットとして馴染みのないアリクイですが、実は家で飼うことができます。珍しいペットをお探しの方にはピッタリではないでしょうか。しかしアリクイは手軽に飼える動物ではありません。飼いたい人はじっくり検討が必要です。
アリクイおいくら?
ペットショップに行ったらアリクイがいた、なんてことはなかなかないと思います。事前に取り扱いしているショップを探して価格も把握しておきましょう。おおよその価格は1匹70~90万円です。
覚悟を持って飼いましょう
先ほど書いた通り、アリクイの寿命は20年前後になります。生涯かわいがってあげられる環境を整えましょう。排泄物の匂いはきついので掃除などもマメにする必要があります。寒さ対策などの室温管理も重要です。
そして長く生活するにはアリクイにも病院が必要です。珍しい動物は診られない病院もあります。怪我や病気などの緊急事態に備えてアリクイを診察、治療してくれる病院は事前に確認しておきましょう。
アリクイの威嚇姿はかわいいけど
アリクイのかわいい威嚇ポーズに魅了されたのではないでしょうか。一度は実物でそのポーズが見てみたいと思ってしまいますよね。しかしこれはあくまでも威嚇のポーズ。動物園ではなかなか見られないレアなポーズなので、もし見られたらラッキーだなという気持ちで会いに行ってみてください。
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レッサーパンダのかわいい威嚇はこちら