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お礼参りの正しい作法とは?
祈願する時の作法は広く知られていて、本堂の横に書いている神社もあるほどです。ですが、お礼参りの手順に関して細かく書いてある神社はめったに存在しません。間違ったやり方で失礼にならないよう、しっかりと理解しておきましょう。
本殿の前で一礼
まずは本殿の前に立ち、軽く一礼をします。神社はいわば神様のプライベートスぺースです。勝手にお礼を始めるのではなく、まず最初に本殿へ一礼をすることで、「これからお礼を伝えます」という気持ちを示す事ができます。神社では何事も礼儀ある行動を心掛けましょう。
鐘を鳴らしてお賽銭を入れる
続いてガランガランと鐘を鳴らします。これは大きな鐘の音で神様を呼び出すためと言われています。ですが参拝客が多い時は、わざわざ鐘で呼び出す必要がないため鳴らさなくても大丈夫です。次に賽銭箱へお賽銭を入れます。鐘とお賽銭の順番は特に決まっていないので慣れている方法で構いません。
二礼二拍手一礼する
お賽銭をした後は、祈願の時と同じく二礼二拍手一礼をします。二拍手は右手を少し引いてずらすように拍手しましょう。これは人が神と同等ではなく、人が神よりも一歩下がっているという尊敬の念を意味します。
礼をする際には、腰を90度曲げて深く頭を下げるよう意識しましょう。全体を通して目立った特徴はなく、祈願の際に行う所作との違いはないようです。そもそもお参り自体が難しいものではないので、気軽に神社に向かいましょう。
お賽銭の金額の意味
お賽銭は奉納金とは別に、感謝の気持ちとして入れるので金額は決まっておりません。5円(ご縁)を入れる方が多く、素数(割り切れない=別れない)の金額で夫婦円満を願う方も多いようです。500円玉は硬貨の中でも一番高額なのでご利益がありそうなイメージがありますが、「これ以上効果(硬貨)がない」ため縁起はあまり良くないようです。
お礼参りのマナーや注意点
ルールを守ってさえいれば何でもやっていいという訳ではありません。規定されてはいないけど良い見方をされない可能性もあります。今まで当たり前のようにやっていた行為が思わぬマナー違反になってしまわないように、注意点を確認しておきましょう。
お賽銭は投げない
よく「お賽銭を投げ入れる」と言いますが、やはりお金を投げる行為はマナーがある行動とは言えません。お賽銭はゆっくりと丁寧に入れるよう心がけましょう。賽銭箱の位置や距離が神社によって違うため、どうしてもそっと入れることができない場合は可能な限りで構いません。
お礼参りと同時にお願いをしない
報告の際にも気を付けなければいけない点があります。それは、あくまで前回のお願い事に対するお礼だけに留めておくということです。ついつい次のお願い事をしたくなるかもしれませんが、欲張らずにお礼のみを伝えることに徹してください。
「毎回お礼に来てくれる人」は良い印象を与えますが、「お礼は言ってくれるけど毎回追加でお願いをしてくる人」は悪い印象に感じるかもしれません。欲張らずに他のお願いはぐっとこらえて、次回まで我慢しましょう。
お礼参りに行く時の服装は?
思ったほどかしこまらず、簡単にお礼参りに迎える事がわかりました。続いては、お礼参りに向かう時にふさわしい格好について解説します。フォーマルな格好が必要なのか、決まった格好があるのか、服装に関する疑問を解決していきましょう。
私服でも正装でもどちらでも良い
格好についても特に決まりはなく、私服でもフォーマルでも構いません。時間に余裕があれば正装していくことをお勧めしますが、私服だからといって帰されることは当然あり得ませんのでご安心を。ただ何を着て行ってもいいという訳ではありません。
カジュアルな服装は避ける
神社は公共の場なので常識の範囲内で服装を選ぶ必要があります。また神聖な場所でもあるので、あまりカジュアルな服装は好ましくないでしょう。私服に迷った場合は、アルバイトの面接に行く格好だと思って服装選びをしてみるのがちょうど良いかもしれません。
もしも願いが叶った事を報告するためにお参りする場合は、感謝の気持ちを込めて正装をして思いを表現するのはいかがでしょうか。神様は人間らしい部分があると考えられているので、自分がお礼を言われる立場として快く感じられる格好を意識してみましょう。
お礼参りに行くおすすめの時間帯
神社はどんな時間でも行って良いのでしょうか。たとえ決まり事やマナーをしっかり守っていても、参拝に行ってはいけない時間帯があれば台無しになりかねません。お参りにベストな時間帯、逆に避けるべきタブーな時間帯について解説します。
午前中がおすすめ
重要な行事は優先して行うことが良いとされています。お礼を後回しにして他を優先することは失礼に値するため、真っ先にお礼に来たと示すためにも午前中が望ましいです。もちろん、絶対に午前のうちに済ませる必要など当然ありません。感謝を伝えることが最大の目的なので、スケジュールに合わせてお参りしましょう。
夕方は避ける
夕日に照らされた鳥居って何だか雰囲気がありますよね。ですが古くから夕方は魔の時と呼ばれており、夕方に神社に行くのは避けたほうが良いと言われています。本来、夕方に出歩くこと自体が良くないとされています。夜も同じく悪いとされている時間帯のため、やはり午前中から日中にかけて行くことをお勧めします。
初詣は夜中でも良い
夕方以降の参拝は避けるべきなのは間違いないのですが、夜にしか行われない行事もあります。例えば大晦日から元旦にかけて初詣に行く場合はどうしても夜中に参拝することになります。これは二年参りと呼ばれ、むしろ縁起の良い参拝とされています。このように、絶対に夜の神社へ立ち入ってはいけないという決まりはありません。
お寺にもお礼参りは必要?
これまでは神社での行いを学びましたが、前回お願い事をしたのがお寺だった方もいると思います。何か大きな違いはないのか、そもそもお礼参り自体が必要なのか、神社とお寺の違いからこの疑問を紐解いてみましょう。
お寺と神社の違い
どちらも賽銭箱が設けられている場所がほとんどで、どちらも祈願ができるようになっています。ですがお寺と神社では宗教が全く違うのです。お寺は仏教の施設なのに対し、神社は神道の施設として作られています。仏教はインドがルーツですが、神道とは日本で古来から信仰されている宗教です。
仏教と神道はその字の通り、仏と神で崇める対象も違います。しかしお寺でも祈願はできるため、お願い事が叶った時にはやはりお礼参りが必要です。仏様にも失礼のないよう、礼儀を持った行動を心掛けましょう。
作法にも違いがある
お寺と神社の作法では、違う点がいくつかあります。たとえば神社では二礼二拍手一礼を行いますが、お寺では拍手をせず、手を合わせて祈願し一礼するだけなのです。神社の参拝に慣れているとお寺の作法に違和感を感じるかもしれません。
それ以外にもお寺に限ったルールがいくつかあります。最初に山門の前で一礼をしてから進む、敷居は踏まずにまたぐといった決まりや、お寺によっては蝋燭や線香をお供えしたり、許可のもと鐘を突くところもあります。あらかじめルールやマナーは確認しておきましょう。
お寺で祈願したお礼参りはお寺へ
神社でしたお願いの結果をお寺に報告してしまうと、神様への感謝を仏様に伝えている事になり、それは礼儀のある行動とは言えません。お寺の場合もやはり仏様にお礼を伝える必要があるので、お寺で願った後は同じお寺に報告しに行きましょう。仏教のルーツについては是非こちらをご覧ください。
神社と神宮の違いは?
神社には神宮や大社などいくつか呼び名があります。これら全てにお礼参りは必要なのでしょうか?呼び名による違いは一体何なのかを解説し、また八幡神社や稲荷神社など、同じ名前で全国にいくつも存在する神社についても解説します。
大社や神宮は神社の称号
神社はある基準によって呼び名がつけられます。皇室の先祖の神様を祀っている神社は「神宮」と呼ばれ、神社の中でも最高位の称号です。伊勢神宮をはじめ全国に数えるほどしか存在しません。「大社」の称号はもともと出雲大社だけを指すものでしたが、今ではある程度格式の高い神社に対しても大社がつけられるようになりました。
「神社」や「社」は神宮や大社ほどの格式がない、一般的または小規模な神社につけられる称号です。つまり、どれも神社であることに変わりないのです。格式など気にせず、自分が選んだ神社に行って構いません。
同じ名前の神社が存在する
日本には同じ名前の神社が複数あり、特に「八幡」や「稲荷」は全国いろんな場所に存在します。同じ名前の神社がある理由は、同じ神様を崇めている神社が全国にいくつもあるからなのです。祀っている神様や格式によって名付けられているだけで、いずれも神社に変わりありません。
八幡宮や稲荷について
武運の神である八幡神を崇める神社は「八幡宮」や「八幡神社」と名付けられ、大分県にある宇佐神宮を総本山とし全国に約44000社も存在します。稲荷神を崇めているのが「稲荷神社」です。京都の伏見稲荷神社を総本山とし、こちらも全国に約30000社ほどあります。
それ以外にも「天満宮」や「東照宮」も崇める対象で名前が決められています。合格祈願や交通安全などの様々な望みに対し、それぞれの望みに合った神様が存在すると考えられています。どの神社が適しているかあらかじめ確認をしておくことをお勧めします。
お礼参りして神様にしっかり感謝を伝えよう!
いかがでしたでしょうか。皆さんは誰かがお願いを叶えてくれた時には当然お礼を伝えていたと思います。しかしお願い事を成就してくれた神様に対してお礼を伝えていなかった事に気が付いた方も多いのではないでしょうか。これまでご存知なかった方は、ぜひマナーや作法を守って感謝の気持ちを神様に伝えてみてください。
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