神の杖とは
あなたは神の杖という単語をご存じですか?神話に登場する架空の武器や、ましてやゲームのアイテムでもありません。
核兵器に成り代わる、次世代の大規模攻撃兵器として発案された軍事衛星。わかりやすい言い方をすれば「宇宙兵器」です。これはSF世界の話でなんでもなく、現実に研究が進められているとして全世界が注目しているのです。
米軍が開発しているという宇宙兵器
その兵器はアメリカ合衆国空軍で現在開発中とされています。小さなロケットに金属棒を装備させ、高度1000kmというの高さにある人工衛星から急速降下、運動エネルギーを利用して破壊します。
その攻撃範囲と破壊力は前例がないほど絶大であり、人類を滅ぼす威力があるとされる、おそるべき現代兵器なのです。
槍のように地球を突く
金属棒はミサイルのように弾けることなく、はるか星空の上からよってすさまじい速度で大地めがけて降り注ぎます。大気圏突入でプラズマの尾を引く様は、地球から見たら槍のように映るであろうと言われています。
その光の槍を目の当たりにす時、はたして人類はどのような危機的状況に陥っているのでしょうか。それはまだ、誰にも分りません。
神の杖の威力・大きさは?
ここからは神の杖についての具体的なデータを記載していきます。絶大な威力とされるこの兵器が、どれほどの威力を持ち、どういった形状で、いったい何で構成されているのか?
はるか昔、我々の祖先はこん棒で戦っていましたが、100万年以上の時を経てこんな兵器を作るようになるなど、一体誰が予想できたでしょうか。
約マッハ9.5
金属棒が地球の軌道から投下されると、その速度は時速11,587km、マッハにして約9.5にも達するとされています。
地球上で同程度の速度に達した物体は、2004年に米航空宇宙局が飛行させた超高速飛行機(無人機)だけです。
核爆弾に匹敵する威力
それほどの高速で鉄棒が物体に激突した場合、発生するエネルギーは核兵器に引けを取らぬ破壊力です。
また攻撃範囲は地上のみに留まらず、ターゲットが地下深く数百メートル潜っていたとしても破壊することが可能とされています。実質的に、一度狙われてしまったら逃げる手段はないということです。
大きさ
金属制の棒そのものの大きさは全長6.1m、直径は30cm、重量はおよそ100kgになります。地球上最大の陸生生物・アフリカゾウと同じサイズの槍が、はるか大気圏の外から降り注ぐのです。それが地球に落下すればどれほどの被害が起きるか、詳細な威力を知らなくとも予想はつきますね。
素材
金属の素材はチタニウム、ウォルフラム(タングステン)、ウラニウムなどです。それぞれの素材の特徴から、降下に耐えうる強度と威力を増大させるための重量を重視していることが分かります。
兵器自体には火薬は搭載されておらず、おおざっぱに表現すると「ものすごく重たいものをとんでもない高さから落とす」という類の兵器なのです。
神の杖の強み
強みは単純な威力だけではありません。破壊力が強いだけなら他の兵器も同じ特徴ですが、神の杖しか持ちえない強みがいくつも存在しているのです。
もしゲームの中にでも登場したら、あまりに高機能すぎてチート(ずる)アイテム、バランスブレイカーなどと批判を浴びそうですが、事実は小説より奇なりということですね。
地球全域を攻撃可能
宇宙から射出される武器とあって、その攻撃範囲は地球全土に及びます。現在、地上で最も長距離を飛ぶ武器のICBM(大陸間弾道ミサイル)でも、射程範囲は最長6400km、約地球半周分の距離です。
これでも相当な広範囲といえますが、こちらは対象外範囲が「ない」のですから比べ物になりません。
命中率が高い
金属棒はただ地上めがけて落とすわけではなく、衛星によって着弾位置を微細にコントロールすることが可能になっています。
そのため非常に高い命中精度を誇っており、ビルの上から針を落とすような真似をしているにも関わらず、目標を逃すことはないとされています。誤ってうちの近くに落ちてしまったら…なんて心配は不要ということです。
電磁波を発しないため探知されない
通常、多くのミサイルは電磁波で制御されているためレーダーで探知が可能ですが、一方金属棒は何も放出しないため、迎撃して上空で破壊する…などという作戦は非常に困難であるとされています。
落下の光は各国で目にすることができるのに、どこに落ちるか、止める手立てがないという、まさに神の遣わしたような武器なのです。
神の杖は本当に実現可能なのか検証!
いくら化学が高度に発展しているとはいえ、こんな兵器を人類が作ることは本当に可能なのでしょうか?ここからは、今まで記載したデータを科学的に検証してみましょう。
なおこの見解を示した専門家の一人は、SF化学考察本として有名な「空想科学読本」の著者、柳田理科雄先生になります。
金属棒が融解する?
先に述べた素材で構成された金属棒は、大気圏突入には耐えられないという指摘があります。大気は断熱圧縮により金属棒を融解してしまい、兵器として運用可能な状態で地球に落ちることはないというのです。
そうなってしまうと消滅してしまうか、ばらばらに落ちるのか、いずれにしても単なる流れ星のひとつになってしまいます。
重量の整合性が取れない
上記の寸法と素材で計算すると、チタニウムでも1本につき2トン、ウォルフラム(タングステン)ではなんと8.3トンという超ヘビー級と化してしまい、とても100kgには収まらないというのです。
確かにこのふたつは頑丈な反面、かなりの重量があることで有名です。100kgはあまりにも軽すぎて整合性が取れていません。
威力は原爆の12万分の1?
また100kgの重量を持つ物質が時速11,587kmで地球に落下したとしても、威力は広島に落とされた原爆の1/120000という計算になり、どうも理屈に合わなくなってきました。
技術的には不可能でなかったとしても、素材から見直さなければ神の杖は完成しないようです。なお核兵器に関する情報は以下の記事からも確認できます。
神の杖はロンギヌスの槍と称されることも
その特徴と神々しさからついた名前が「神の杖」ですが、別名として「ロンギヌスの槍」と呼ばれることがあります。昨今では国民的ロボットアニメに登場した武器として、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
ご存じの方はすでにぴんときていることでしょう。庵野秀明監督制作・新世紀エヴァンゲリオンで描かれたことがあるのです。
アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」
ロンギヌスの槍は二股に分かれた深紅の大槍です。作中の大災害・セカンドインパクトの起因になった未知のアイテムであり、直接攻撃のためではありませんが、使用すると世界を危機に陥れる恐れもある、という点は共通しています。
余談ですがロンギヌスの槍を模して、ペーパーナイフ、毛抜き、日本刀などさまざまなグッズが作成されました。
セカンドインパクト並の威力か
なおセカンドインパクトは南半球だけで20憶人の死者を出したという未曾有の大規模災害であり、作中では複雑な経緯でロンギヌスの槍が使用され、その際に発生した副次的エネルギーにより引き起こされたものです。
これは極一部を除き秘匿された情報で、一般的にセカンドインパクトは巨大隕石の落下で発生した自然災害とされています。
もとは聖書が由来
元になったのは聖書に登場する「聖槍」がモデルになっています。十字架にかけられたキリストの生死を確認するため、槍を刺したローマ兵の名がロンギヌスでした。
彼は眼を病んでいましたが、槍を伝ったキリストの血が目に入ると、たちまち病は治りました。このことがあって彼は洗礼を受け、やがては聖者として知られるようになったのです。
神の杖の開発自体は宇宙条約で禁止されている
神の杖の研究が進んでいると言いました、そもそもこういった類の兵器は、宇宙条約によって開発が禁止されています。
宇宙条約って何?SF小説の設定か何か?と首をかしげた方も多いことでしょうが、署名国だけでも26か国、批准国は101か国にもなるれっきとした国際条約です。アメリカも日本も批准国としてちゃんと参加しています。
1967年発効された宇宙条約
この条約は国際宇宙法の基礎になったもので、人類が活動領域を地球外に拡張するにあたって、自由事項や禁止事項を制定したものです。