あなたの身を守る呪い返し8選|その方法と効果を詳しくご紹介

「晴明蔵人少将を封ずる事」の主人公である安倍晴明は、延喜21(921)年生~寛弘2(1005)年没の、平安時代を代表する陰陽師で、公的な記録にも名が残る、実在の人物です。清明は時の有力者、藤原道長に重用され、その名はすでに生前から伝説化されていたほどでした。

安倍晴明の生涯は、さまざまなエピソードに彩られています。中でも有名なのは、幼少期に、師匠である賀茂忠行に同行している際、百鬼夜行(鬼の群れ)に遭遇し、それを忠行に報告したところ、忠行が術により鬼たちから身を隠し、難を逃れたというものです。清明の陰陽師としての天才的な才覚をよく表わしています。

晴明の呪い返し

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「晴明蔵人少将を封ずる事」のあらすじは、以下の通りです。ある日、清明は蔵人の少将という、若く見目麗しい殿上人(貴族)に出会いますが、そこで一羽の烏が少将の車に糞をしたのを目撃します。清明はその烏が式神(陰陽師が使役する精霊的存在)であることを見抜き、「あなたの命は夜明けまで保たないでしょう」と少将に告げます。

恐れおののいた少将は、清明に助けを求めます。そこで清明は少将とともに彼の自宅へ戻り、夜を徹して呪文を唱え続けます。すると明け方に使者がやって来て、「少将に嫉妬する相婿が、陰陽師を雇って少将を呪ったが、その式神が戻ってきてしまった」と伝えます。少将を呪った陰陽師はそのまま死に、のちに相婿は家から追放されました。

平安京の「暗闘」

「晴明蔵人少将を封ずる事」は、あくまで説話ではありますが、平安時代とはこのような物語の舞台となるほど、日常的に陰陽師をはじめとする呪術者たちによる「呪術合戦」が繰り広げられていました。清明によって呪いを返された陰陽師が、その結果死に至るという結末も、そうした平安時代の「暗闘」の苛烈さを物語るものといえるでしょう。

霊符について・発展編

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では最後に、上述した「護符(霊符)」について、さらに本格的なものを作ってみたい、という方のために、護符(霊符)を作る上で準備すべき品や、そのための心構えなどをご紹介しましょう(以下、記事内では「護符」のことを「霊符」と総称します)。

①用意するもの

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霊符を作るためには、「筆」、「墨」、「硯」、「紙」などが必要です。霊符の力を最大限に発揮するためには、いずれも質の良いものを慎重に吟味することが大切です。それぞれを選ぶ上でのポイントを見てみましょう。

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大半の霊符は、墨あるいは朱で書写するため、筆は朱用と墨用、計二本用意すれば事足ります。ですが、さまざまな形態の霊符を書写するにあたっては、それぞれの図案に応じた筆を数本揃えておくと便利です。

複雑な図形を描くのには、先の短い削用筆(さくようふで)が最適です。通常の霊符であれば、手紙を書くのに用いる唐筆(とうひつ)の写巻(しゃっかん)が良いでしょう。ですが、金銭的にこれらのものを集めるのが大変だという場合には、筆ペンでも構いません。ただし筆ペンでも、先端がゴム状のものより毛状のものを選びます。

墨・朱墨

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ほとんどの霊符は墨か朱で書くため、それぞれ一種類用意しておけば間に合います。墨に唐墨(中国産の墨)と和墨(国産の墨)とがあり、中でも松を燃やした後の煤を原料とした青墨が最適です。朱墨には、赤口(あかくち)と黄口(きくち)、及びその中間のものがありますが、霊符を書くには赤みがかった赤口の朱墨が良いでしょう。

書写用の紙

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紙は特別な指定がない限り、墨や朱がにじまない白紙(半紙)か表黄紙(おもておうし)を使います。また、複雑な形の霊符の場合、手本となる霊符の上に図引き紙を重ねて書くことも許されていますが、そうしてしまうと一気呵成に書く勢いがなくなり、符の霊気が生きてこない、と語る専門家もいます。

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硯も筆同様、朱用と墨用のものを最低限二つ用意しましょう。硯石は古くから名のある種類のものが数多くありますが、選ぶ上でのポイントは、石質が温潤(おんじゅん)で、墨がよくおりる目の細かいもの、という点です。

「清浄無汚な品」

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以上、霊符を書写する道具について述べましたが、最も重要なのは、これらが「清浄無汚(せいじょうむお)な品」、すなわち俗的な事柄を書くのに用いられたことのない品でなければならない、という点です。霊符を書くのに使う道具は、「他の俗事に用いてはならない」のです。これは霊符を書写する上の原則ですので、きちんと守ってください。

②霊符書写の心構え

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霊符を書写するにあたっては、道具選びもさることながら、書写をする当人の心構えが重要となります。いかに強力な霊符であっても、それを書く人間が妄執を抱いていたり、あるいは不潔な身体のまま書写したりすると、書いた者の思いが神に届きません。以下、霊符を書写するにあたって、守るべき事柄を列挙しましょう。

①三日、または一週間前から、心を正しく保ち、不正を思わず、嘘偽りを口にしない。善行を積めば、なお効果絶大。
②三日、または一週間前から、水を浴びて体を清浄にする。汚れた体での霊符の書写は、神に失礼となります。書写に際しては、清潔な服に着替えます。
③三日、または一週間前から、肉や臭気の強い野菜などを食さない。もちろん酒は慎む。
④霊符を書く部屋、机は、掃除をして、整理整頓する。わずかなホコリも、はたきや雑巾などで払う。清潔こそ、大前提。
⑤書写道具は汚れた手で触らない。特に、月のさわりのある女性、妊婦などが触れることのないよう留意する。できれば、そうした女性との接触を断つ。(引用:『霊符全書』)

「斎戒」と「潔斎」

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これらは「斎戒(さいかい)」、ないし「潔斎(けっさい)」という身の清め方を具体化したものです。「斎戒」とは、心身を清浄にし、禁忌を犯さないこと。「潔斎」も同様、宗教儀式の前、一定期間、酒や肉食を慎み、沐浴(もくよく)して身を清めることです。

霊符を書写する上で、こうした事柄をよく守ることは、霊符に約束された効験を実現する上で、極めて重要です。その他にも、霊符を書写する上では多数の決まりごとや儀礼が存在しますが、最低限、上記の五箇条は破ることのないよう気をつけましょう。

しっかりと自分の身を守る事が大切

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「呪い返し」についての記事、いかがでしたでしょうか。呪い返しの方法はさまざまですが、これらは呪いに対する呪いとして、いずれも「いたちごっこ」になる危険性を伴っています。相手に呪いを返すことにこだわらず、しっかりと自分の身を守ることに、意識を集中させましょう。

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