ミーム汚染とは?SCP財団の「ねこです」など具体例でわかりやすく解説!

その鳴き声があまりにかわいらしく「みんみー」と聞こえたことから瞬時に人気となり、視聴した人の間で「みんみー」と呟きあうようになりました。みな知性や言語を忘れてしまったかのようにひたすら、みんみ、みんみと繰り返すのです。

「みんみー」がカルト的人気を誇るように?

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このシンプルなミームはアニメそのものの人気もあってすさまじい勢いで伝染し、やがてMAD動画やリミックス音楽が作られるなどし、最終的にはひとつの信仰として「みんみ教」と呼ばれるようになりました。

ちなみに入信者本人たちにも、みんみ教が何であるかはまだわかっていないと言います。実に奥の深い信仰です。

ミーム汚染の具体例を紹介!⑩壁ドン

流布するにつれて意味が改変された言葉として、この壁ドンは比較的有名なもののひとつです。今ではテレビや雑誌などでも普通に見かけるようになりました。

多数の成り立ちが含まれる言葉ですが、現在はどういった意味が主流となっているのでしょうか?

本来は隣の部屋がうるさいときに壁をたたくこと

元来は騒々しい隣人に対し、部屋にいながら「うるさい!」と伝えるため、ドンッと壁を叩く行為を指します。相手と対面することなく、しかし強い苛立ちを伝えるための怒りの表明でした。

また騒音がなくとも、単に強い怒りを抱いた時の発散方法を表すこともあります。要するに「イライラしてつい壁を殴る行為」ですね。

今では異性をドキッとさせる行動に

それが今となっては、壁際に立っている女性のすぐ横に、男性が手をドン!と付いて、きわめて至近距離まで接近することを指します。そのため女性誌などで恋愛におけるドキドキシチュエーションとして特集されることが多々あります。

成り立ちの意味とは似ても似つかない形に変化しています。ミームとしてはかなり極端な形態です。

ミーム汚染の具体例を紹介!⑪人の顔に見える壁のシミ

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こちらは誰しも一度は体験したことがある「あの壁の汚れ、なんだか顔みたいに見えてきた…」というもの。

これはパレイドリアと呼ばれる、無秩序であるはずの像に自分の知るパターンを当てはめてしまう心理現象です。時にはこれがミームと化し、ただのシミが人格をもつものとみなされるパターンもあるのです。

本当はただのシミ

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心霊スポットで有名な埼玉県の畑トンネルには人の顔のようなシミがあり、その正体は悪霊で見つけると死んでしまうという噂があります。本来トンネルのシミはただのカビや汚れですが、人々はそこに物語を生み出し、ついには「悪霊」という個性ある存在として認識するようになったのです。

なお畑トンネルに関しては以下に詳細な記事があります。

シミが人の顔に見えると言われるとそのように認識してしまう

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群体で生きる動物である人類の脳には、同種族を素早く見分ける能力が備わっています。

シミや模様が人の顔に見えるのは単なる機能の誤作動ですが、それを新しい存在を生み出す土台にしてしまうあたり、人類にはミームに対する高い才能が備わっているようです。

ミーム汚染の具体例を紹介!⑫長門

長門(ながと)と聞いて何を思い浮かべるかは、聞いた人の年代や地域、または趣味によって結果が大きく異なります。

たとえば地名であれば山口県に長門市がありますが、あなたが思いついた長門は地名でしたか?それともまったく別の存在?

日本海軍の戦艦?

戦艦・長門はかつて日本海軍が保有していた戦艦です。

山本五十六が乗船していたことでもよく知られていますが、最近では戦艦そのものより、オンラインゲーム・艦隊これくしょんに登場する豊満で力強い美少女を連想する人が多いようです。

涼宮ハルヒの憂鬱に出てくる「長門有希」?

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また10年ほど世代をさかのぼると、2000年代大ヒットライトノベル・涼宮ハルヒの憂鬱の登場人物、長門有希が日本一有名な「長門」でした。

サブカルチャー内で美少女になる機会が多いのは、長門という単語に良いイメージを持つ人が多いためと思われます。

ミーム汚染の手段とは?メディアやネットで広がっている?

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そもそもミーム汚染とはいかなる手段で拡散されるものなのでしょうか。他人の常識を書き換えてしまう方法は、実は思っているよりも豊富なパターンで、中には子供でもできるぐらい簡単なものまで存在します。

その気になればこれをお読みになっているあなただって感染源を作り上げることは可能なのです。

都市伝説・陰謀論やメディア、ネットで広まるミーム汚染

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感染というからにはより多くの人数に情報が伝達されなければなりません。それは人々の興味関心をひくようなキャッチーなものでなくてはならず、マスメディアは基本であり、陰謀論や都市伝説などうわさ程度のものも有効です。

重要なのは情報の根拠でなく、いかに「ありえそう」な話であるかどうかなのです。

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