ミーム汚染とはどういう意味?誰もが経験している?
「ミーム汚染」とは近年誕生した造語であり、まだ社会に馴染んでいるとは言い切れませんが、実はすでに誰もが経験していることなのです。
感染源の由来は問われませんが、最近ではミーム=インターネット上で発展・進化を遂げたものを指している場合がほとんどです。ではまず、基本定義について話していくことにしましょう。
ミーム汚染とは常識や認識が書き変わることを指している
ミーム感染とも呼ばれますが、これは人が本来持っている既存の認識が、「ミーム」と接触することによって無自覚に書き換えられてしまうことを指します。
私たち誰もが持っているはずの「当たり前の価値観」が気付かないまますり替えられている。意識しなければそのことに気づけないというのは、ちょっと背筋が寒くなるような話です。
ネットスラングが定着してしまうのもミーム汚染
主な感染源は画像(動画)になりますが、言語も例外ではありません。
たとえばネットスラングは、かつては一部のみが使用するマニア用語でしたが、現在は携帯電話やタブレットが広く普及し、多くの人が日常的にインターネットに触れるようになったため、マニアでなくともごく普通に使用するようになりました。これも立派なミーム汚染の一例です。
そもそもミーム汚染の「ミーム」とは一体?
その汚染元である「ミーム」とは一体何なのでしょうか?汚染や感染という不穏なワードから、つい「もしかして悪いウイルスなの?」などと考えがちですね。けれどもその実態はもっと概念的で、インターネットが誕生する前からも存在しています。
この現象に定義と新しい名前を与えたのは、進化生物学者リチャード・ドーキンス博士でした。
進化生物学者リチャード・ドーキンス氏が本の中で作った概念
ドーキンス博士が作った1976年当初は「文化間を伝達する発想・行動・習慣」という意味で、ミームは無意識に生まれ発展していくものでしたが、ウェブ発展後は意図的な改変と痕跡を残すことが可能になり、インターネット浸透の前後で定義が異なっています。
いつの間にか定義がすり替わっている。これがまさにミーム汚染そのものなのです。
「mim(模倣)」+「-eme(素)」から作り出した造語
ミームの語源となったのは模倣を意味する「min」に、素という意味の「-eme」を掛け合わせてから、単語の印象を遺伝子を指す「gone」に倣うもの、遺伝子ならぬ模倣子として「meme」と呼ぶことになりました。
進化生物学者らしいネーミングと言えます。
ミーム汚染の具体例を紹介!①「イヤーッ!」という言葉
定義を書き連ねてもなかなかピンとこないと思われますので、ここからは具体的な例を順番に説明していきたいと思います。
まずは「イヤーッ!」という言葉を聞いて、あなたは何を連想しますか?そして、思い浮かべたものが他の人と同じだと思いますか?世代や性別を超えて共通していると言えるでしょうか?