猿夢とは?
インターネットが顕著に発達した2000年代以降、ウェブ上で生まれた作者不明の怪談がありました。
そのあまりのおそろしさ、目に浮かぶおぞましさ、臭いまで感じられるような怖気だつ描写に多くの人が惹きつけられ、今となっては伝説的怪作とされています。現実に侵食する悪夢の物語、その名を「猿夢」といいます。
夢に纏わる都市伝説
この作品は、インターネット上における怪談話スレッドで発生しました。作り手が不明であるという点がまた不気味さを引き立てる要因になっています。
また、元ネタになったのは漫画作品であるという噂もありますが、タイトルが特定されたことはなく詳細は曖昧です。
電車のアナウンスと共に乗客が殺されていく夢
駅のホームに立っているとアナウンスが入るものですね。ですがその夢では「電車に乗ると怖い目にあいますよ~」という不気味な放送がかかります。
忠告を無視して電車に乗り込むと、奇妙な化け物がやってきて、乗客を次々と殺し始めます。すごく怖い、けれども全員がなぜか逃げることができず、じっと座席に座ったままなのです。
夢で殺されると現実でも死んでしまうという噂
そして夢を見ている本人が殺されてしまうと、そのまま二度と目が覚めず、現実の世界でも心臓麻痺でこと切れてしまうのだといいます。
そんな馬鹿なと思いますが、夢の出来事が現実世界にあらわれる事件は下記の特集にもありますので、でたらめと一刀両断するのは早計でしょう。
猿夢を見ると死ぬ?どんな夢?
夢の中と現実の死が結びついているという恐怖の悪夢、その詳細について以下からお伝えしていきます。かなり具体的に記載していきますので、イメージが完成されて夢を見やすくなってしまうかもしれません。
心の準備はよろしいでしょうか?何が起きてもこちらは責任を負うことはできません。だってこれは夢のお話なのですから。
夢の中で遊園地にある猿の電車に乗る
夢の駅にやってきたのは遊園地にあるような、小さなアトラクション用の電車でした。おさるの電車の通称で親しまれている子供向けの乗り物です。
このお話の報告主は「これは現実じゃない」という自覚があったので、きっと子供の頃の体験が形になったんだろうと思っていました。怖い目にあうというアナウンスも、深く気にせず乗り込みます。
車内は薄暗く、乗客は生気がない
電車にはすでに乗客がいました。子供は一人もおらず、大人ばかりがおさるの電車に腰かけているのは相当奇妙な光景でした。みな暗くうつろな表情で、口をきくどころか誰一人顔を上げようとしません。
そして報告主を乗せながら、電車はトンネルを進んでゆきます。やがて暗がりの中に、ホームで聞いたのと同じようなアナウンスが流れ始めました。
暗い声の車内アナウンス「次は活け造り、活け造り」
音声は「次は~活け造りです~」と告げました。それって…お刺身の?どういう意味?と混乱していると、報告主から一番遠いところに腰かけていた男性が凄まじい悲鳴を上げました。
ぼろぼろの小人のような怪物が男性に襲かかり、彼をずたずたに切り裂いているのです。それなのに他の乗客はうろたえることもなく、じっと座席に座ったままでした。
凶器を持った小人が次々に乗客を惨殺していく
男性が殺された後、すぐ同じように「次は~えぐり出しです~」と告げられます。また小人がやってきて、報告主のすぐそばにいた女性の眼球をえぐり始めました。苦悶の絶叫が響く中、逃げ出したくてたまらないのに、なぜか動くことができない…。
そして女性が息絶えたとたん、聞こえてきたアナウンスに鳥肌が立ちました。「次は~ひき肉~」と…。
次は自分の番!寸前で目覚める
次に処刑されるのは私だ!と瞬時に悟った報告主は自分に言い聞かせました。起きろ!夢から覚めろ!…必死に祈っているうちに、ふと目を開くとそこは現実の世界、報告主は自分の寝室で目を覚ましたのです。挽き肉にされる前に戻ってくることができたようです。
凄まじく生々しかったものの、報告者はそれでもただの悪い夢だと思っていました。
4年後「また逃げるんですか~次に来た時は最後ですよ~」
暫くは何事もなく過ごしましたが、唐突に悪夢は再開されました。しかも挽き肉にされる直前のシーンからです。報告主はまたも「目覚めろ!早く!」と自分を奮い立たせます。おかげでなんとか現実に戻ることができたのですが、自室で目覚めた後にはっきりと聞いたのです。
「また逃げるんですか?次に来た時が最後ですよ」というアナウンスを。
猿夢の体験談は?実際に死者は出たのか
このように、夢を見ると化け物に殺される、たとえ逃げ出すことができても、再び捕えられてしまうこともある、それが猿夢の怪です。夢は誰でも見るもの、報告主以外にも同じ悪夢を見たという声は続々集まっています。
ではその中には、報告主のように逃げ切ることができないまま、現実世界で死んでしまった人はいるのでしょうか?
最初に体験談が登場したのは掲示板サイト2ch
最初に「自分もこの電車の悪夢にそっくりな夢を見た」という体験談が寄せられたのは、匿名掲示板サイト2ちゃんねるです。
現実と地続きになった悪夢を見た、という声は予想以上に多くありましたが、中でも以下の報告は猿夢と共通点が多いタイプです。
初投稿以降続々と体験談が寄せられる
オリジナルの話をネットで呼んだ後、体験者Bは遊園地の夢を見たそうです。コースターに乗っていたはずなのにいつのまにか電車に置き換わり、到着場所も駅名「吊し上げ」に変化していました。
これはあの、猿夢だ!本能的に理解したというBは必死に自己暗示をかけ目覚めましたが、普通の夢と違い体感したような余韻が残っていたといいます。
本当に死者が出たのかは不明
「”猿夢を見た”と言い出した奴が本当に死んでしまった」…という話は今のところ聞こえてきません。真偽不明の状態ですが、あまりのおそろしさに誰もが口をつぐんでしまうだけかもしれません。
なぜなら本当に死んでしまったらもう”あれは事実だった”と伝えることはできませんから。
猿夢体験談①「轢き潰し」
また別の報告を上げた人も存在します。舞台は体験者Cが通学に使用していたという電車の中です。
まばらな乗客はやはり暗い表情、記憶の中では次の駅はまだ先のはずなのに、電車の中にはアナウンスが流れて…。こちらは夢の中で死の体験をしてしまった人のパターンです。
列車の中。次々に惨殺される乗客たち
串刺し、煮えたぎり、引き伸ばし、弾き飛ばし…。乗客たちはあらゆる手段で斬殺されてゆきます。体験者Cはただそれを見つめていました。
その悲鳴から振動、匂いまで、すべてが夢とは思えないほどリアルに伝わってきます。やがて自分の順番が来ることは分かっていました。
「次は轢き潰し〜、轢き潰し〜」
体験者Cの順番で告げられたアナウンスは「轢き潰し」でした。想像するだけで卒倒しそうな殺され方にも関わらず、恐怖や焦燥、逃げたいという気持ちを抱くことはなかったといいます。
ただぼんやりした気持ちで、自分の身体が轢き潰されてゆくのを感じていました。
痛みと共に潰されていく身体
身体はどんどん潰されて、そのうち死んでしまったというのに、体験者Cの意識は消えることがありませんでした。
ひしゃげた身体から首がもげてしまっても、車掌から首が投げ捨てられるのを亡骸の胴体として見つめていたといいます。死の体感など経験しようもないはずなのに、あまりに生々しい実感がありました。
ふと気づくと…
目が覚めて現実に戻ったはずなのに、体験者Cはふわふわと夢心地で、自然と「捨てられた自分の死体を取りにいかなくては」と思ったそうです。
そしてはっと気づいた時には、2階にある自室の窓から身を乗り出しているところだったといいます。そのまま気が付かなければ、あと少しで転落していたところでした。
猿夢体験談②死者に侵食される夢
また、この他にも現実への干渉力を持つ夢の話が報告されています。次のお話は、体験者Dの友人がくりかえし見るようになった夢に関するものです。
ただの何気ない幻影だと思っていた物語が、しだいに自分自身と重なってゆく恐怖は言葉では言い表せないものがあります。
不思議な夢の話
ある日体験者Dが友人たちと談話していると、その中の一人、Kが最近変な夢をくりかえし見るようになったと言い出しました。夢は夜ごとに連続しており、眠るたびに前回のつづきがリレーのように再会されるのだといいます。
体験者Dは面白がってどういう夢なのかKに尋ねると「自転車に乗ってる」という答えが返ってきました。
線路を自転車で走る夢
なんだか普通の夢だなと思ったものの、K自身は「自分はとある場所に行きたくてそこを探している」のだと言います。それがどこなのかはK自身にもわからないと。
夢を見るたび場所は変わるものの、Kは必ず自転車に乗って、その”どこか”に向かうため走っているのだといいます。
徐々にやつれゆく友人
報告者Dは始め深く考えていなかったものの、日毎にやつれゆくKに尋常でないものを感じ始めていました。Kの夢はやがてある踏切に辿り着きます。そして彼はそこではじめて自転車を降りて、踏切の内側に歩みを勧めました。
やがて線路の上で立ち止まり、だんだん警報機が鳴り始め…。Kは「俺は、自殺しようとしている!」と気づいたそうです。
自転車を確認すると…
この話を聞いた報告者Dが後に調べたところ、夢を見始める少し前よりKが自転車旅行で訪れていた踏切で自殺が発生していたそうです。
たまたま現場付近に置かれていた自転車に遺体のかけらが飛び散って、Kは気が付かないまま乗り続けていました。これは自転車にこびりついた死肉が見せた、自殺者の最後の光景だったのでしょう。
猿夢を見た時はどうすればいい?猿夢の対処法とは
しかし、猿夢を見てしまったら我々はどうしたらよいのでしょうか?何もできずにただ夢の中で殺されてゆくだけ?そんなのたまったものではありません。
ここからは悪夢を打破する方法や、厄や邪を寄せ付けない方法をお教えします。これからも健やかに生きていくためには、なんといっても良質な睡眠を保つのが一番重要です。
夢の中で目覚めろと強く念じる
夢から覚めろ!と自分に念じ、起きてしまおうという意識は重要のようです。だったらまず、今自分が夢の中にいることを自覚する必要があります。