【青木悠君】身体障害を理由としたリンチ事件の被害者。犯人、家族の現在など

一万人以上の署名の束を前に裁判長の口から出た言葉は「署名などいくらあっても意味がない」というようなものでした。裁判所は法に基づいて判断を下す以外に無いのですが、もう少し思いやりのある言葉を掛けて欲しかったと思います。

被害者の無念を思いやって貰いたかったと思います。警察から提出された書類に「喧嘩」と書かれてあれば、互いにやりあった挙げ句の死だと自動的に思われたとしたらやりきれません。

法務大臣が判事者にも事情があると犯人を養護

第88代法務大臣(野田内閣)であった平岡氏が、少年法について論じるTV番組の中で、「悪いことをした子たちなりの事情がある」というような発言をして犯人養護だと問題にされる騒ぎがありました。これについては後に被害者側に謝罪をしています。

罪を犯す子供には生まれ育ちなど大人からの影響が必ずあり、子供だけの責任ではないという意味での発言だったのでしょうが、テレビ番組という場で、事件被害者の親御さんが居る場で発言すべきことでは無かったのかなと思います。

青木悠君を殺害した犯人は感受性豊かなのか?

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「内省力があり感受性も豊かで教育可能性が認められることを考慮し・・」という理由で加害少年は中等少年院への送致が相当と判断されました。感受性という言葉は「外界の刺激や印象を受け入れる能力、物を感じとる能力」という意味で使われます。

未完成、未熟な少年とは言え、感受性豊かな人間が、あのような一方的な暴行事件を起こすものでしょうか。それより先に、皆が読む卒業文集に「殺人で指名手配されている」などと書くものでしょうか。

加害者少年が鑑別所で書いた手紙とは

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加害少年の1人が鑑別所から友人宛てに書いた手紙が公開されていますが、ヒマで仕方がないとか「出たら遊ぼう!」とか、「オレが青木を殴ったの、広まってるか?」と自慢するような、反省の日々を送っているとは到底思えない内容に溢れています。

青木悠君リンチ事件と「大津いじめ問題」には共通点があった

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青木君の事件から10年経った2011年9月に同じ大津市で中学生の男子がイジメを苦に自殺するという事件がありました。本人が泣きながら教師に電話をかけイジメを訴え助けを求めたにも関わらず、何もして貰えず、自殺後の両親からの事実関係を知りたいとの求めにも極めて不誠実な対応しかしなかったのです。

自殺した少年の遺族が警察に対し、3度も被害届を出しているにも関わらず、被害者本人が死亡している事を理由に受理されませんでした。青木くんの事件と似ていますね。あの時は、一方的なリンチであるのに「知り合い同士の喧嘩」として片付けられました。そして加害者が在籍していた中学は、卒業しているので関係ないと切り捨てました。

日本のイジメ発生件数

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文部科学省が発表しているイジメに関する統計データを見ると、児童生徒1000人当りの認知件数が多い順に京都・宮城・山形・宮崎・千葉と並んでいます。これは正直に申告した結果だと思われます。

逆に少ないのは佐賀・香川・広島・福岡で、佐賀などは児童生徒1000人のうちイジメられた経験があるのは3.5人という結果で、これは統計の素人が見てもちょっと変だと感じます。佐賀県では虐められているのは各学校に1人という事でちょっと信じられません。

イジメは子供の専売特許ではない

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イジメは子供の世界に限ったことではありません。むしろ大人の世界が子供たちに投影されているのではないでしょうか。大人の世界では「イジメ」という言葉は使われる事が少ないかも知れません。それでもパワハラ・セクハラ・モラハラなどと頻繁に耳にするのではないでしょうか。

子育て中の夫婦間で、職場で、電車の中や果ては病院や老人ホームに至るまで様々な場所で「大人のイジメ」は繰り広げられています。いったい何故なんでしょう。景気が悪いとイジメが流行る?皆が貧乏だった頃はイジメなんか無かった?それとも人間がこの世に居る限りイジメは宿命?

青木悠君は事故に合いながらも必死で生きた少年だった

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悪意のある誘いを疑うこと無く生命を落としてしまいました。しかし、生命の保証は出来ないと言われ、左半身の麻痺という後遺症が残っても懸命に生きた彼の姿は、関わった人たちの心にずっと生き続けるでしょう。

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