阿部定事件は狂愛に満ちた猟奇殺人!愛人を扼殺し陰茎切断した彼女の動機と心理

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しかし、子供時代にすでに性格の片鱗として、あったかも知れません。最新の心理分析でのパーソナリティ生涯とは、このような性格の極端な部分を指しています。昔はヒステリーとか、癇癪持ちと言われていました。

当時の時代背景は性の方向に向かいやすかった

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226事件があり、これから日本は戦争に向かうのではないかというときでした。昔から、戦争が迫ると本能として子孫を残す方向に向かうのではないかと言われています。世の中全体が性に興味を持つ方向に向かってゆきます。

阿部定には初体験のトラウマがあった?

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阿部定が14歳、数えの15歳のときに受けたレイプがトラウマになっていて首を絞めた瞬間にレイプのシーンを思い出し攻撃するスイッチが入って首を絞めてしまったのだとある記事では解説されています。

阿部定は境界性パーソナリティ障害だった

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定は境界性パーソナリティ障害の他、自己愛パーソナリティ障害があったのではないかと分析されましたが、一般的に境界性パーソナリティ障害は、感情が著しく不安定で、善、悪の判断が極端であったりします。

イライラが強く抑えきれなくなるような人は境界性人格障害に分類されます。境界とは神経症と統合失調症の境界の症状をしめします。まさに定はこれに当てはまると、最新の精神分析て指摘されています。

阿部定が遺した名言の数々

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定には予審調書が残されています。それはなぜか外に持ち出されて、手垢まみれになって戻りました。定の予審調書では定の口から語られたことが、細かく書かれています。定の名言とされている言葉も詰まっています。

定の言葉で書かれていますから小説より臨場感があります。定が語るとグロテスクな言葉や方法は根こそぎカットされていますから、むしろ予審調書の方が読みやすいかも知れません。ひと昔前のカタカナ混じりの文ですがすぐに慣れてしまいます。

これはあたしと吉さんのにおいが染みついているものだからぜったい渡さない

殺人現場から石田の下着が見つかりませんでした。捜査員も不思議に思っていましたが、逮捕されてから、定が身につけていることが発覚しました。定は吉蔵のステテコと褌、腹巻を決して脱ごうとはしませんでした。そして上記のように喚きちらしました。

あの人が生きていれば外の女にふれることになるでしょ

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あの人が生きていれば外の女にふれる事になるでしょう。殺してしまえば、外の女が指一本ふれなくなりますから、殺してしまったのです。この言葉に定の狂気が含まれています。あまりにエゴイストで、短絡的な思考回路でしょう。

ただ、定の人生のほんの短い期間に愛した吉蔵のために命日には寺に花を送り続けていましたが最後は行方不明の失踪者扱いです。1974年に滋賀県の尼寺に出家志願をしましたが、姿を消しています。その後3カ月ほど知った人の元にいたようですがその後の消息はわかりません。

阿部定をさがしているんでしょ?あたしがおさがしの阿部定ですよ

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定は目前に逮捕が迫っているのを感じ、お世話になった人々に手紙を書いていました。警察が踏み込むと落ち着いた様子で言いました。あまりの落ち着き方に踏み込んだ警察の方が動揺しました。定は目的は達成しましたから、あとは罪を償うばかりです。

定は人に大変恩義を感じるたちで、後に自分を騙して前金で売り飛ばし、搾取していた秋葉にさえ、恩義を感じ、震災の時には全力で援助します。秋葉もここからは、本当に定の親代わりになり、定を支えるようになります。定の暴露本の発行差し止めの裁判も秋葉が力になりました。

阿部定をモデルにした作品

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阿部定は明治生まれで、裕福な家庭に育ちました。その転落と流浪の人生は人によって大きく見方が異なります。もう少し深く阿部定のことを読み解いてゆくための手引きです。定はなぜ目前の愛を手放すようなことをしたのでしょうか。なぜ、吉蔵が要求するまま絞め続けたのか。

死んでしまった吉蔵を見ながら、一瞬でも後悔しなかったのでしょうか。定は本当の恋も愛も知らないままの生涯だったのかと、背筋が冷たくなるような気がします。特殊な考えを持っているか、やはり心の病を生涯抱えていたか、危険な女であることは、女性がみたら気がつくのではないでしょうか。

阿倍定事件

阿部定事件―愛と性の果てに (新風舎文庫)

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愛するが故に、愛する男のからだの一部を切り取りました。昭和11年に起こった事件を伊佐千尋が阿部定予審調書を基に、書き下ろしました。猟奇的犯行を真相から真実へ迫る小説です。世に出るはずのない阿部定の予審書があります。予審書には阿部定が発言した数々の珠玉の言葉が散りばめられています。

定吉ふたり

シーツに鮮血で書かれた文字にはどんな背景があり、どんな心情が込められているのでしょう。二人の官能作家が別々の視点で描いた小説は事実を超えることはできたのでしょうか?阿部定をモチーフにしたものは、この種の本やDVDとしては珍しく、女性が堂々と購入して行きます。

愛のコリーダ

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大島渚監督 の作品です。この作品で世界の大島になりました。なにも隠しもしない体当たりの作品で、究極のエロスを表現しました。日本では発売禁止となりました。吉蔵が藤岡竜也さんですから、嫌らしい感じはなく、ただ凄いの一言です。よくぞ映像で見せてくれました。

失楽園

失楽園(上) (角川文庫)

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失楽園は小説と映画と、ドラマのどれから見るのか迷います。映像は美しく、映像は黒木瞳、役所広司主演でした。テレビドラマ化もされました。禁断の愛とあらば小説で、思いっきり想像の羽を広げようではありませんか。当然のことながらテレビドラマは過激になりすぎないように内容も違います。

恋愛が巻き起こした猟奇事件は阿倍定だけではない

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男女の行き過ぎた愛憎劇、恋愛関係のもつれなら、ほかにもあります。他人からみれば、信じられないような稚拙な犯行理由が浮上してきます。恋愛関係のもつれによる事件は小説より奇妙です。その人を求めていたはずが、どこで憎しみに変わるのでしょう。定は感情のままにとっさに行動に出ます。つねにギリギリの状態に自分を置いています。

古屋栄雄事件

1954年人違いばらばら殺人事件と呼ばれる事件が起こりました。場所は埼玉県の農道で殺害された後で解体され捨てられた事件です。女性の両親に結婚を反対され、また女性も相手のストーカー的な行為に愛情は冷めてしまいました。

それでもなお付け回すので女性は危険を感じ全国を逃げまわります。やがてすでに女性は結婚しているのではないかと妄想し、さらに女性を探しまわります。9月5日の夜9時頃に路上で発見。後に人違いだったことがわかりました。

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この何一つ関係ない女性を畑に引きずりこみ絞殺し、ナイフで陰部と乳房を切り取りました。人違いと分かったあとも反省の様子は見られませんでした。理由は女性を愛した故の犯行だったと語りました。軽い精神障害が認められました。

高橋お伝

毒婦伝 - 高橋お伝、花井お梅、阿部定 (中公文庫)

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明治9年8月9日に起こった事件です。お伝は結婚していましたが。明治年に夫がは死亡します。死亡理由はお伝による毒殺とも言われていますが、本当のところはハンセン病でお伝は厚い看護をしました。その後、妾や街娼として稼ぎます。やくざの一太郎とは捕まるまで一緒に居ました。

しかし、借金が嵩み古物商の吉蔵に借金の相談をし、愛人になるなら貸すと言われました。お伝は承諾し、蔵前の旅館で偽名で同衾しました。しかし、約束を反故すると言われ、吉蔵の喉をかみそりでかき切り殺害しました。お伝は翌日午後財布の金を奪い逃走。9月9日に逮捕されました。

最後の斬首刑になった人物とされ、歌舞伎や映画にもなっています。そのため脚色した情報が多く、毒婦とされています。おそらく毒婦などではなく、献身的に介護した方の像が実際なのでしょうね。

阿部定事件は後の暴露本出版を契機に何度もブームが

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阿倍定は時代背景により何度かブームを起こしています。そのたびに定に共感し、同情する声もあがりますし、その異常性の形成過程に興味を示す者もいます。多くの著名人とも知り合いで、その人たちの口を通じて阿倍定の性格は伝わっています。

たとえば、浅香光代とは幼いころからの知り合いで、定の店にも時々来ていたようです。また相撲の親方からも贔屓にされていました。玄人好みというのか、定自身が花柳界のプロフェッショナルです。素人の男の妾になるのは仕事を見つけるのと同じレベルです。

第一次ブーム〜阿部定事件発生〜

まさに阿部定事件を新聞や週刊誌マスコミなどがヒートアップして取材合戦がしばらく続きました。阿部定の気風のいい語り口に人々は魅了されて行きます。人情味があり、嘘はつかない。真面目で気風がいい人というのが知る人の大体の印象です。

ただ定は世慣れた玄人です。男が次々と、定の術中にはまって行くのが、手に取るように見えてきます。知識も教養もある男性が、手放しで、定は気の毒だ、これは殺人事件ではなく、偶然そんなことになっただけだとする意見を目にしましたが、定は準備も整えていますし、金策も作戦通りうまくやっています。

第2次ブーム〜1947年暴本出版〜

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1947年、暴露本が出版されました。再び阿部定のブームが巻き起こりました。定は刑期を終えて出所して偽名で生活していましたが、名乗りでたことが更に騒ぎを拡大しました。坂口安吾も興味を持ったのか対談しています。そして定のことを1番女らしい女とし、花柳界の女でありながら、もっとも平凡な女だと言っているのです。

坂口安吾も定の妖気に当てられたとしか言いようがありません。現実の女性としての定は、可憐で、ひたむきで、慎ましやかでって、坂口安吾先生にそこまで言わせてしまうとは、女性の立場から阿部定がそんなに評価が高かったら困るのです。このような女は、女性の中では恐ろしいタイプだと感じます。

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つまり非常に男性の扱いに長けていますから、坂口安吾であろうとも、大宮先生のようにイチコロです。坂口安吾は定の第一印象を、下町のどこにでもいる普通のおばさんだったと言っています。この事件は何が原因で起こったのか、愛ゆえに殺害する意味はとは何なのかか、作家の視点から坂口は切り込みます。

第三次ブーム〜「失楽園」など、様々な形で作品化〜

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1998年失楽園が発表されました。渡辺淳一の小説小説から火がつき、映画化され大人の純愛ものとして阿部定の第三次ブームが起こります。これまでは猟奇的殺人事件としての扱いでしたが、今回ブームをもたらしたのはテーマの純愛でした。大人の純愛はファンタジーです。疲れた大人たちが、ファンタジーを求めたのです。

失楽園は1995年に日本経済新聞に連載された小説です。日本の経済界を闊歩しているおじさまたちが朝からひっきりなしに身体を重ねるシーンが出てくる新聞連載を読んで出勤したわけです。渡辺淳一さんはいつも小説に出てくるような素敵な女性を同伴されていたので、実体験ではないかと噂になっていました

サイコパスともいわれている徳勝もなみのおこした事件の記事はこちらから

阿倍定がいた日本

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阿部定が比較的裕福な家に生まれついたのに、何故そこまで身を落として体を売るような仕事をしたのか、借金でがんじがらめになり、辛い中で常に男を頼ったのか、そんなストーリーがわかるかも知れないと、少しばかり阿部定が過ごした時代を調べてみました。

定が過ごした時代は大敗的な時代ではなく、むしろ花開く時代で、定は自ら穴に入っていってしまう気がするのです。今の時代でも定の精神鑑定は難しいのかも知れません。少女時代の記憶は定にとっておぞましいトラウマではなく、甘美な記憶にすり替わり、本来の自分の姿を晒すことで、スリルが快感になるのかも知れません。

1905年の神田と日本

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1905年は阿部定が生まれた年です。そして、日露戦争が勝利という結果で終わった日です。世界の大国相手に勝利したたもめ、日本は浮かれていました。定が遊びに行くたびに、持ち出した金は30銭〜50銭とは、子供が遊びに使う金額ではないのです。この年に生まれた有名人は、円地文子、水谷八重、天津乙女がいます。

円地文子は源氏物語の翻訳で知られている女流作家です。水谷八重子は明治から昭和にかけて活躍した女優です。新劇から新派に移り、演劇界を支える大女優となりました。天津乙女は宝塚劇団の劇団員で劇団長も務めました。没年74歳でした。明治の女性は立ち振る舞いもきりりとしていて、隙がない印象でした。

1936年の品川界隈と日本

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1936年は定が品川駅前の旅館で逮捕された日です。1936年年の日本は、226事件が起こりました。クーデター未遂事件です。また上野動物公園の黒豹が逃げ出したことも大きなニュースになりました。

阿部定事件の騒ぎも号外が出るほどの一大事です。小津安二郎監督がこの年に高輪に越してきました。高輪の高山稲荷神社は当時と変わらずそこにあります。この年に生まれた有名人は北島三郎や、長嶋茂雄、楳図かずおなどがいます。

1923年富山の平安楼に1000円の前金で働きに出る

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富山のハイカラスポットの大和デパートがオープンしたのがこの年になります。当時の北陸は東京から行くのには極めて不便なところでした。デパート開業は、おしゃれな定にとって、嬉しいニュースに違いありません。それより定が富山に来たのはこの年の関東第震災の影響です。

世話なった秋葉の家が焼けてしまったため再建のための費用を稼ぐのに地に来たのです。この年に生まれた有名人は、永山あいこや三国蓮太郎、遠藤周作がいます。この時代の1000円は、200万円くらいです。前金で出すというのがこの世界の通常なのですね。 年季が明けるまで働く世界春を売る世界は買われるのです。

阿部定事件は行き過ぎた愛の物語

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阿部定事件と言えば、淫靡な香りがして踏み込むのには抵抗がありますが、定は歯切れよい様子で語ります。お嬢様から芸者の世界に売り飛ばされても、男に体を貢ぐ仕事なら、悲壮感なく、あっけらかんと真面目に働きます。ではどうしてこのような猟奇的な事件に発展してしまったのか? 変態マゾ中年の情にほだされ、利用された?

また騙される、また逃げられる、好きな男を繋ぎ止めたい一心で無理な要求に応じているうちに定が一瞬狂気に走ったのではなく、正気を取り戻し、絞めてしまったのだと、自分をここまで溺れさせる男に気がついたと推理したくなります。定はその先の奈落の底に落ちるまえに石田を突き落としたのかも知れないですよね。

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