和歌山毒物カレー事件とは?
今から21年前、平成10年に和歌山県で発生した無差別殺傷事件。地元地域で大勢の方が楽しく華やかに執り行われるはずだったお祭りが一瞬で悲劇の舞台となってしまったのです。死因や容態悪化した要因は、屋台で販売されていた、皆が大好きなあの食べ物だったのです。
容疑者として逮捕され、被告となって裁判にかけられましたが判決はこの世で一番重い罰である、死刑判決が言い渡されましたが、2019年現在数々の裏付けとなる事象から、彼女は免罪であった可能性が各所で囁かれているのです。今回はそんな事件について深く掘り下げて皆さんに解説していきます。
和歌山毒物カレー事件の概要
恐らく名前を聞いただけでもどんな事が起こったのか分からなかったり、この事件、この出来事についてご存知ない方も少なくないはずですので、ここから事件の概要について分かりやすく記述していきます。まずは当時の状況についてイメージしながら把握してみてください。
一番問題視される部分は事件当日の状況や死因ではなく、容疑を掛けられた女性や物的証拠、そして疑問が残る死刑判決という部分ですが、当日の状況も詳しく知っておかなくては、この問題について深く考える事ができないのです。
1998年、夏祭り会場で悲劇は起きた
日本の夏と言えばいろいろな風物詩があるはずです。皆さんはどんなものをご想像されますか?海やプール、物で言ったら風鈴や団扇など、数えきれないほど存在しますが、やはり日本の大きなカルチャーでもある花火や祭りは欠かす事ができません。
今から21年前の夏、関西地方の和歌山県で開催された、大勢の方が集う華やかな夏祭りが騒然とした事件の舞台となってしまったのです。本来足を運んだ皆が楽しい気分や良い思い出となるべき行事が、一瞬にして悲しく凄惨な事件と化してしまったのです。
夏祭りに出品されていたカレーを食べた67人が異常を訴える
その夏祭りの催し物、スケジュールの一つに我々日本人だけではなく世界からこよなく愛されている食べ物カレーを皆に出品して食べてもらうというものがあったのです。嫌いな人はまずいないとされる食べ物ですので大勢の方が何の躊躇もすることなく食すのです。
そしてそれを食べた67人の人間が、腹痛や下痢、吐き気、立ち眩みなどの様々な容態悪化を訴えたのです。当時の現場ではすぐにそれがあの食べ物が原因だと判明したので、すぐさま出品をストップしましたが、その容態悪化は死にも繋がる事件へと遂げてしまうのです。
67人のうち、4人が死亡
先ほどの見出しでも解説した通り、出品された食べ物を食べた67人が一斉に様々な体調不良を訴えかけ、病院に連れて行かれましたが、なんと内4人が死亡してしまうのです。この事からは日本中が震撼したのです。
その4人は地元地域の組合の会長とその副会長、そして小学生男児、女子高校生でした。今でもその遺族や関係者の悲しみは消える事はないのです。もし事故ではなく明確な動機がある何者かによる犯行であれば、大変卑劣で残忍な行為と言えます。
同年12月9日、別件で逮捕されていた林真須美が逮捕される
この林という人物が最終的には二つの事件の容疑者として確定して、犯罪を引き起こした張本人となるのですが、この事件の前にも保険金を狙った悪質な詐欺まがいな犯行、そして林の知り合いを一歩間違えれば殺やめる事になった未遂事件も引き起こしているのです。
それらは夏祭りや事件が起きた後に逮捕されたもので、詐欺や殺人未遂は10月にそして2か月後に毒物殺傷の容疑者としても逮捕されているのです。この時の物的証拠などについては後程解説していきます。
和歌山毒物カレー事件の判決
今回ご紹介しているこの事件の概要や全貌については何となく理解して頂けはずです。なぜ大勢の方が無差別に狙われたのか、なぜ何の罪もない人が殺害されてしまったのか?きっと疑問が付きまとうのではないでしょうか?
ここからはこの事件の容疑者として掛けられた犯人の裁判の事について、そしてその結果である判決がどうなったのか皆さんにお話ししていきます。この裁判や判決結果もまた日本中で大きなニュースとして、関心と問題を生んだのです。
林真須美は容疑を否認したまま裁判へ
容疑者は10月に起こした保険金を騙し取ろうとした詐欺容疑、そして知り合い男性の殺人未遂については明確な動機や理由があった事、そして物的証拠や状況証拠から犯行を認めておりますが、和歌山県の夏に開催された祭りで起きた無差別殺傷の容疑は全面的に否定しているのです。
容疑を否定する大きなポイントが、まず容疑者には何の動機も理由がなかったという事、そして後述でも解説いたしますが、明確な証拠が無いという2点なのです。動機が無い事に関して、そして証拠が不十分であった事は、現在でも疑問視されている問題なのです。はっきりとした動機が判明していない事件の記事はこちらです。
2009年5月18日に死刑確定
犯人は容疑を全面的に終始否定し続けていたのですが、最終的には和歌山の祭りで起きた、何の罪もない大勢の方が被害に遭った無差別殺傷事件の犯人として確定するのです。そして言い渡された判決はなんと死刑でした。
この判決結果も日本中から関心を集めて当時トップニュースとして報じられました。日本人女性が死刑囚となるのは戦後から数えると11人目です。この事からもこの判決が極めて異例であることが伺えます。
決め手となった証拠は自宅にあったヒ素
では何故証拠も動機もない彼女がこの事件の首謀者、犯人と判断され有罪判決が言い渡されたのでしょうか?有罪となった理由や証拠は、自宅にあったヒ素という毒物のみだったのです。物的証拠はそれのみで、最終的に死刑とう大変重い罰が言い渡され、彼女は現在も死刑囚として、刑務所に収容されているのです。
ヒ素についてどんな物質であるか簡単に分かりやすくお伝えします。夏の時期や田舎に暮らしている過程で必須的で大活躍するアイテム、殺虫スプレーや殺虫剤に含まれている物質です。ガンを発生させ、また味も匂いもしない事から昔から殺人に用いられてきました。
和歌山毒物カレー事件の犯人「林真須美」とは
最終的に祭りで起きた無差別殺傷事件の容疑者、犯人と確定して有罪判決が可決され、それが死刑判決だったわけですが、彼女は一体生前どんな人だったのでしょうか?またどんな生い立ちなのでしょうか?
こちらの見出しでは死刑囚となった林という女性について、皆さんに解説していきます。どんな人物でどんな生い立ちや経歴があったかを知ったうえで、事件をプロファイリングしても良いのではないでしょうか?
裕福な家庭に生まれる
2019年現在から数えると58年前の昭和36年の7月に、お金持ちの家庭で彼女が生まれました。住んでいた場所は海に近い場所で小さなひっそりとした街でした。彼女は何の問題もなくスクスクと育ち、当時でも現在でも家庭にあるのは珍しいグランドピアノを持っていたそうです。この事からもいかに豊かな家庭であったか分かります。
凶悪な犯罪者の多く当てはまる共通点の一つに、幼少期や少年時代に劣悪な環境下であった事が挙げられます。それは例えば親から虐待を受けていたり、また両親がいなかったり、いじめを受けていたりと様々ですが、彼女はいたってごく普通の生活であると言えます。
学生時代からたびたびヒステリックな1面が見られた
じゃんけんやトランプなどのゲーム。これらには必ず勝ち負けが存在し当然ながら敗者と勝者が生まれます。時にそのような勝負ごとに負けて敗者となると、人よりも悔しがり落ち込む方が中にはいるはずです。
良く捉えればそんな人は負けず嫌いで勝負根性に優れた人柄と言えます。今回の事件で死刑囚となってしまった彼女の学生時代もそんな人格が垣間見れたそうです。一方でそれ故に感情的な一面も見れたと同級生や知人からの話で判明しています。
看護学校へ進学し、夫の林健治と出会い結婚
先ほどお話しした様な学生時代を過ごすと、彼女は就職を見据えて看護学校に進学します。進学した後は自宅からではなくその学校に隣接され備わっている寮で生活していました。そこでの生活は良く言えば規則正しく悪く言えば厳しかったと彼女が話していました。その看護学校在籍中に夫と出会い結婚するのです。
当時の夫はかなりの金持ちでその裕福で自由奔放な生活に強い憧れを持っていた事から、すぐに惹かれ合っていき結婚に至りました。看護学校での生活と、夫と関わっていく生活のギャップの差が大きかった事が惹かれるポイントの一つだったのでしょう。
林真須美の和歌山毒物カレー事件以前に起こした犯罪とは?
今回の和歌山県のとある夏祭りで起きた無差別殺傷事件の初めは容疑者として、そして最終的には犯人と確定して有罪判決が可決し、死刑囚となり現在も収容されているのですが、この日本中が震撼した事件の前にも彼女は犯罪を犯しているのです。
その犯罪がどういったものであったかあまり知られていない現状がありますので、こちらの見出しでは彼女がこの事件の前に引き起こした詐欺事件について皆さんに解説していきます。是非この機会に知っておいてください。
保険金詐欺の数々
実は今回取り上げている日本中を震撼させた大きな事件の前、約10年ほど前から度重なる保険金詐欺事件を起こしているのです。これには夫も加担していて共謀しているのです。というのも二人はその手のいわゆるプロであったのです。
彼女と二人はもともと裕福でありましたが、更にお金に対する欲が大きくなりその果てしない金銭欲が動機となりました。何度も彼らの周りに事件が起き、それが全て保険金詐欺に繋がる犯行であったのです。その被害額は数億単位のもだったそうです。
和歌山毒物カレー事件の犯人、林真須美と家族の現在とは
先ほどは今回の事件で犯人として確定し、有罪判決が可決され死刑囚となった彼女の幼少期時代や過去の生い立ちについてお話ししていきましたが、続いては「現在」の事について皆さんに解説していきます。容疑者である彼女自身の事だけではなく、その家族や親族たちの事も分かっている範囲で記述してお伝えしていきます。
彼女は現在死刑囚として大阪府にある留置所にて収容されています。現在も無罪を主張しています。また家族である子供たちは、クラスからいじめを受けていたり、職に就いても母親の影響から会社のイメージダウンに繋がるという理由からクビにされたりと、そういった悪い目に遭っているのです。
和歌山毒物カレー事件の被害者の現在とは
先ほどは事件の加害者とその家族の現在について解説しましたが、ここからは今回の無差別殺傷事件の被害者の現在についてお話ししていきます。まず多くの人が死にも至ったあの食べ物を、それ以降口にすることが出来なくなってしまったそうです。
大きなトラウマとなって悪いイメージが付いてしまったのが現状で、地元地域の学校ではメジャーであるその食べ物が給食のメニューとして出されていないのです。またヒ素という毒物を体内に取り込んでしまったことが原因で、今でも身体に症状が出ている方もいる事が現実なのです