ほか、連れ去られる娘、家に侵入するもの、狙いをつけられた少年、冬の森で出会ってしまった存在。どれも息をのむような緊張感をたたえた映像ばかりです。
映像で捉えたスレンダーマンの恐怖の姿5選
スレンダーマンの形状をしっかり捉えた初の映像を筆頭に、連れ去られる男性、庭に現れる不審者、海辺を歩くもの、森に漂う影の5編でお送りしています。
怪異が現れると映像機器に不具合が出ることが多くなりますが、時折不明瞭ながらもしっかりとその痕跡を証拠として残しています。
Contents
スレンダーマンの驚きの正体をネタばらし
その特性から、過去に起きた事件まで。これまで充分に学んできましたが、実は最も重要なのはその成り立ち。都市伝説の起源に関するお話です。
あなたは「Something Auful(サムシング・オーフル)」という単語を聞いたことがありますか?それはアメリカのネット・ユーモアを集めた掲示板サイトです。
スレンダーマンは空想の存在だった
実はこの怪異は掲示板の企画スレッドで生み出された、創作された都市伝説だったのです。
作者はビクター・サージ氏で、既存の写真に細長い人影を描き加えて投稿しました。そして「ここに写っているのは”痩せ男”」「写真の撮影者は死んだ」などとコメントを残すと、その見事な不気味さが話題となり、たちまち拡散されるようになったのです。
Something Aufulとは?
数万人の利用者を抱えるアメリカの巨大掲示板です。アンサイクロペディアや虚構新聞のように、ユーモアのある話題を中心に扱っています。
決して嘘や誤解を広める目的でなく、冗談を納得づくで楽しむための交流場です。
インターネットで広まった恐怖
ネット上で広まる都市伝説をクリーピー・パスタと呼びます(不気味(creepy)とコピペ(copypasta)の合わさった造語)。いち掲示板の加工画像が、あっというまにクリーピー・パスタの仲間入りを果たしたのです。
そして架空の物語はいつしか事実のように扱われだし、真実と信じた子供に事件を起こさせるまでになったのです。
クリーピーパスタとは?
本来はネット上の都市伝説を指しますが、今ではそれらを収集した、いわゆるまとめサイトも含めた名称という認識です。
画像掲示板4chから派生し、クリーピーパスタの周知に大きく貢献しています。日本の都市伝説と違うのは作者が明らかになっている点です。
恐怖の存在は現実になる?
人の頭の中にしか存在しなかったはずの恐怖や妄想も、こうして現実を侵食してくることがあります。作り話だから怖いことは何ひとつない…なんて断じてしまうのは早計なのです。
なお下記の記事では、同じように現実と空想の境界線があいまいになった事件について特集しています。
スレンダーマンの映画を紹介(ネタバレ注意)
この都市伝説はそのおろそしさ、不気味さゆえに人を惹きつけるものがあるらしく、世界中で高い人気を誇っています。様々なファンアートが制作され、ついには正式に映画作品が作られるに至ったのです。
公開初週で興行収入1137万ドル、即ランキング入りを果たした異例の話題作です。
「スレンダーマン 奴を見たら、終わり」
本作は2018年、アメリカで制作・公開されたホラー&スリラー映画です。主役はジョーイ・キリング、シルヴァン・ホワイトが監督を務めています。日本国内での劇場公開はなかったものの、2019年2月より動画配信が開始されたので、購入すれば日本でも視聴が可能です。
映画のあらすじを紹介(ネタバレ注意)
マサチューセッツ州の小さな町に住む4人の高校生は、街に残された伝承をもとに、悪ふざけでスレンダーマンの召喚儀式を行います。やがてすぐに1人は失踪、残された彼らは「言い伝えは迷信なんかじゃなかった」と悟ることになり…。
作品そのものもさることながら、ポスターがまた一段と怖気をふるうと評判を呼びました。
スレンダーマンの恐怖のおすすめアプリ
また、映画などのメディア出演だけでなく、ファンによるアプリゲームの制作も多発しました。次からは、その中でも指折りの名作タイトルをご紹介していきましょう。
暗い部屋で、イヤホンやヘッドホンをつけてプレイすると臨場感が倍増するとファンからは大好評です。
Slender Rising Free
スレンダーマンのゲームといえば?と尋ねれば、高確率で名前が挙げられるほどの有名タイトルです。
アドベンチャー形式で、近づかれるたびプレイヤーの鼓動が上がるため、臨場感はたっぷり!ステージ各所に残された記録を、怪異を避けながら収集していくことが目標です。
Slender Man Origins
ゲームモードやステージまで選べる自由度の高いゲーム。マップ上に隠れている、行方不明の子供たちを救出するのが目的です。
タイトルにある通り、怪異の起源をストーリー化しました。特にサウンドの評判が良いため、イヤホンの装着をおすすめします。
SlenderMan’s Forest
森の中に散りばめられたメモを探すことが目的というシンプルなゲームですが、メモを取るたびスレンダーマンの出現が頻繁になるので、ゲームを進めるほど難易度が上がるという容赦のなさが人気のゲームです。
日本のゲーム実況プレイヤーにも人気の高い名作となっております。
日本由来のスレンダーマン?くねくねとの共通点
日本のクリーピー・パスタ界においてトップクラスに有名であろう妖怪・くねくねの伝説。実はその逸話に出てくる様子が、スレンダーマンによく似ていると話題になっています。
ではこの2つの怪異、一体どんな点が共通しているというのでしょうか。下記の特集から抜粋して詳しく解説していきましょう。
白または黒い姿
くねくねの姿は田んぼや川の向こうなど水辺に現れます。人間から離れた場所に出没するため、顔などの細かい容貌を確認することができません。
ただぼんやりと、何かが確実にいる、それは人の形である、また白い(または黒い)ということだけが伝わるのです。
くねくねとのたうっている
その姿をじっと見ていると、やがて人間離れした動きで、クネクネと奇妙な動きをはじめます。それが踊りなのか、それとも何かのサインなのか、見ている者にはわかりません。
このクネクネという動きがスレンダーマンの触手を連想させるのです。
見ると精神に異常をきたす
そのクネクネという動作は傍目には意味不明なだけですが、それを見続けてしまったら。よくよく見て、それが何であるかを理解してしまったら、発狂しクネクネの仲間になってしまうとされています。
“精神に異常をきたす”また”怪異の仲間になる”というのも重要な共通項目です。
見るなのタブー
2つの怪異が同一の存在であるかはわかりません。ですがこうした「見る」ことを禁忌とした物語は、古今東西あらゆる場所で確認されています。
次にご紹介する記事には、視線のタブーに関する伝承が特集されているので、あわせて是非どうぞ。
世界の都市伝説
ほかにも世界にはまだまだたくさんの都市伝説が存在します。次からはその中でも、インターネットで特別話題を呼んだ伝承をピックアップしていきましょう。
海外特有のものから、日本でもありえそうなお話まで、色々なパターンのうわさをご紹介します。
悪魔のおもちゃ箱
アメリカのある場所には不思議な建物があります。悪魔のおもちゃ箱と呼ばれるその小屋は、四方すべてが鏡張りとなっており、そこにいる人間のすべてを写し出すとされています。
実際立ち入った人間はみな精神に変調をきたしてしまいました。悪魔に魂を抜かれてしまうのだということです。
忘れられた赤ちゃん
とある夫婦が赤ちゃんを置いて旅行するためベビーシッターを雇いました。ですがシッターは車のトラブルで到着が遅れ、焦った夫婦は「ちょっと遅れてるだけだから」と赤ちゃんを置いて家を出てしまいます。
ですが事故のためシッターは到着できず、夫婦は旅先にいて、誰も赤ちゃんの存在を思い出すことなく…。悲惨な結末が予測されるお話です。
エル・シルボン
エル・シルボンは骨のつまった袋をかかえ、世界中を放浪する男です。かつて犯した残虐な罪の呪いを受け、死ぬこともできずさまよい続けます。
エル・シルボンは民家に侵入し袋の中の骨を数えはじめるので、終わらないうちに追い払わないと一家は彼によって殺されてしまうというお話です。
死んだ赤ちゃんを呼び戻す儀式
これは亡くなった赤ちゃんを蘇らせる儀式ーです。真夜中のバスルーム、曇った鏡をなぞってベビー・ブルー(Baby blue)と書きます。そして明かりを消して手を差し出すと、失われた赤ちゃんが戻ってくるのだといいます。
もし驚きのあまり我が子を落としてしまうと、儀式を行った人は命を落としてしまうとのことです。
スレンダーマン!恐怖は現実になってしまうかも
創作された存在であることはもはや事実として周知されているスレンダーマンですが、それでもその存在に怯え、震え上がり、逸話を伝える人は後を絶ちません。人々が恐怖する心が怪異を形作っているのです。
我々が彼をおそれる限り、スレンダーマンは現実にも影響力を持ち続けてしまうでしょう。
現実に侵食する恐怖に関する記事はこちら
くねくねに関する記事はこちら
視線のタブーに関する記事はこちら