龍神祝詞とは?
祝詞(のりと)とは、神様という神聖な存在に人から祈りを申し上げるため、また穢れを払うために祭事で奏でる言葉です。
これはその名の通り龍神様を拝むために捧げる祝詞です。今、この言霊のもたらすありがたい効果が、密かに注目を集めているのです。
龍神祝詞の詳細
基本的に祝詞は神社本庁によって管理されています。龍神祝詞はこの管轄外にあり、いわゆる正規に認められた書式ではありません。
ですが古くから日本に存在し、神職が使用する書物にも掲載されている伝統ある祝詞です。今まで多くの人々がこの言葉に願いを込めてきました。
龍神祝詞は神道に伝えられる祈りの言葉の1つ
日本神道において高い神格を持つ、人間など比べ物にならない高位の存在には、祈りの言葉も一定の決まりごとを守って申し上げなくてはならないと考えられました。
八百万おわす神様の中でも、龍神と呼ばれ崇拝を集めている神様のために、この祝詞が作り出されたのです。
龍神祝詞は龍神様に繋がるとされる重要な祝詞
神様の加護をいただくため、神社にお参りをしたり、お守りを身につけることも勿論良い効果があります。ですが祝詞を唱えることによって、我々は神様ともっと直接的なつながりを持つことができるとされています。
目上の存在に要望を伝えるのですから、失礼のないよう正しい形式で言葉を届けなくてはなりません。
龍神祝詞にはお祓い・大願成就のご加護がある
龍神様はその強いお力で、我々の厄を祓い、手助けをしてくださいます。
最近どうもついていない、気が落ち込む。また、どうしても叶えたい望みがある!といった場合には、ご加護を授かるため神社をたずねてみることをおすすめします。
龍神祝詞は大願成就に効果絶大?気になる御利益と効果
先にも少し触れたように、この祝詞には穢れを払う、願いごとをかなえてくれるといった後利益があります。ではここからはその内容についてもう少し掘り下げた解説をしましょう。
神様にとって祝詞はどういうものなのか?祓い、成就させるということの本質は何なのか?というお話です。
祝詞自体に「神様とお近づきになる」効果がある
通常、私たち人の世界と神のおわす世界は、重なりつつも隔絶されていて交わることはありません。神様は人の捧げた祝詞を聞いて、はじめて我々の意思や望みをくわしく知るのです。
つまり嘆願書のようなものであり、礼を尽くした上でのメッセージの一種なのです。
龍神祝詞の御利益は「穢れ祓い」「大願成就」
この祝詞を唱えることによって、人は龍神様の霊験にあやかることができます。災厄から身を守り、願いを遂げることができる。穢れや罪悪など負のエネルギーを戒め、振り払い、事態は良い方向に転じると言われています。
それは個人だけでなく、社会・世界規模といった巨大な規模の願望にすら対応してくれるのです。
龍神祝詞の全文と現代語訳をご紹介!
専門の勉強をしていなければ、祝詞の内容は現代人にはなかなか解釈できないものです。次からはその全容、何を申し上げ唱えているのかということを、実際の動画と一緒に確認していきたいと思います。
「カシコミカシコミモウス」というフレーズなら聞いたことがある方も多いことでしょう。
龍神祝詞の全文
高天原に坐し坐して天と地に御働きを現し給ふ龍王は大宇宙根源の御祖の神にして一切を産み一切を育て万物を御支配あらせ給ふ王神なれば一二三四五六七八九十の十種の御宝を己がすがたと変じ給ひて自在自由に天界地界人界を治め給ふ龍王神なるを尊み敬ひて真の六根一筋に御仕え申すことの由を受引き給ひて愚かなる心の数々を戒め給ひて一切衆生の罪穢の衣を脱ぎ去らしめ給ひて万物の病災をも立所に祓ひ清め給ひ万世界も御祖のもとにおさめせしめ給へと祈願奉ることの由をきこしめして六根の内に念じ申す大願を成就なさしめ給へと恐み恐み白す(引用:古今宗教研究所)
独特の奏上は素人には難しいものですが、なにも神職でなければ扱ってはいけないわけではありません。
龍神様は水が豊かな場所に眷属を持つことが多いため、そこに向かって唱えるのも良いことです。
龍神祝詞の現代語訳と解釈
「神の国におわす、天地を司る龍神様。この世のすべてを治められるあなた様に、私のすべてをもってお仕え致します。どうか人々の心を改めさせ、すべての罪を清め、世界を災いからお救いください。全身全霊をかけた、私の心からの望みをどうか成就させてください。恐れ多くもここにお願させて頂きます」
かなり大雑把ですがこういった感じです。
龍神祝詞は「神道大祓全集」に記載されていない
この「神道大祓全集」には全国の有名な祝詞が収集されています。先に記載した通り、庁の公認を受けていない龍神祝詞は掲載されていません。
ですが現在は広く認識されており、使われる機会も多いということから、出版社によっては注釈つきで追加されていることもあります。日本人に欠かせない祝詞として認められているということです。
龍神祝詞に登場する龍神とは?
一口に「龍神様」といっても、実は種類・名前・ルーツと数多く分岐しています。祝詞というのはメッセージなので、不特定多数に捧げるのでなく、きちんと「誰に宛てた願いなのか」を指し示すものです。
それでは、龍神祝詞が指す「龍神」とはいったいどういった神様なのでしょうか?
龍神祝詞は八大龍王に奏上する祝詞
この祝詞は八大龍王に捧げるものとされています。水を司る神様であり、雨の恵みを与えてくれる水神とされています。
そのご利益は商売繁盛、徐福招福、五穀豊穣、恋愛豊穣など効果満点とあり、その信仰は日本中に広く根付いたとてもポピュラーな神様です。
龍神はインドから来た仏教の神
ルーツは仏教、インドでは龍はひとつの種族であり、たくさんいるものとされてきました。
その中でも特に高位とされる龍神が8柱、後に九頭竜大王と呼ばれる九頭一身の龍も含めた総称として「八大龍王」と呼んだのです。
日本の九頭龍大神はナーガラジャと同一存在
龍王の中でも特に有名なのは、九頭竜大神です。その名の通り九つの頭を持ち、仏教の和修吉(わしゅきつ)竜王と同一存在であるとみなされています。
和修吉はインドにおいてはナーガラジャ、蛇の王です。本来はコブラの姿をしていましたが、生息のなかった中国において竜とみなされるようになり、既存の信仰と習合したのです。
参拝の際に龍神祝詞を唱える事で龍神様の御利益アップ!
祝詞には龍神様への信仰を示す文言が含まれています。参拝時にも正しい手順で唱えると、ご加護が上昇すると言われています。人間だって、頼み事がある時だけ近づいてくる人より、普段から礼儀正しく接してくれる人にこそ、力を貸したくなるものですよね?
では下記より、神様にうかがう際のマナーを学んでいきましょう。
参拝の際のマナー
他の神社にも共通することですが、まず鳥居をくぐる前に一礼します。その後、手水舎で口と手を清めます。
この時参道の中央を歩くと非礼にあたる、というのは誤った俗説です。神様への敬意を示すため正面を避ける傾向はありますが「そういう決まり事はありません」と言う神社も多いです。
龍神祝詞を奏上するタイミング
二度の礼、二度の拍手、最後に一例をする。いわゆる”二拝二拍一拝”を行うのが神様への作法とされています。
祝詞を唱える場合は、まず二拝し、次に祝奏上して祈り申し上げます。すべて済んでから、あらためて二拝二拍一拝を行いましょう。これが正式な手順となります。
龍神祝詞奏上の際の注意点
ただ暗記を連ねるだけでなく、霊力をのせた言霊となるよう、一言ずつ心を込めて奏でましょう。神主さんのように完璧にできなくても大丈夫です。神様に聞いていただくため大切なのは願いの強さ、真摯な気持ちです。
また後に、祈りが達成されたと実感した後は、次の記事を参考にお礼も欠かさないようにしましょう。
龍神祝詞と所縁の深い神社①竹生島神社(都久夫須麻神社)
龍神様を祀っている神社は日本中に存在します。次からは、その中でも特に龍神祝詞に深い所縁があるという神社をご紹介します。
まずは竹生島(つくぶじま/ちくぶじま)という周囲2キロの小さな離島から。日本三大弁天の一つとされ、本殿は国宝指定を受けている歴史ある神社です。
滋賀県竹生島にある歴史ある神社
竹生島神社(都久夫須麻神社)は滋賀県の琵琶湖の上にあり、観光船で30分ほどで到着します。
龍神である八竜大王を祀っているため、御朱印にはこのように龍の印がかたどられています。また、龍神の御遣いであるとして白蛇も大切にされています。
龍神様以外にも、弁財天など4柱をお祭りしている
龍神様の他にも、市杵島比売命(いちきしまひめのみこと)、宇賀福神(うがふくじん)、浅井比売命(あざいひめのみこと)と、全部で4柱の神様をお祀りしています。
このうち市杵島比売命が、水と芸術の女神ということで、共通点を持つ弁財天と習合されることになりました。
開運厄除、交通安全や商売繁昌などの御利益がある
それぞれの神様が与えるご加護により、竹生神社に参拝すると、開運厄除・交通安全・商売繁盛・五穀豊穣などのご神徳があるとされています。また運気の安定や、恋愛運の向上という効果も。
また、鳥居に向かって瓦笥(かわらけ)を見事投じられれば、願いが叶うとされています。
毎年6月14日に龍神祭を行っている