パリ人肉事件とは?人肉を食べた犯人佐川一政の生い立ちや現在など

この時点で異様な行動を止めれる方法があったならば、末恐ろしい事件は起きることがなく、無残に切り刻まれた悲しい女性が生まれる事がなかったのではないでしょうか。しかし、このような異常な人間を止めるすべは果たして存在するのでしょうか。

パリ人肉事件が元となった作品

この事件が題材となった作品が数多く存在します。人々の秘めたる部分に火を注ぐようなこの異常な事件は好奇の目を集め、出来上がった作品が有名な賞を受賞しているのも事実なのです。作品を残すことは凶悪な事件を後に残すためには必要ですが、影響を受ける犯罪者がいることも念頭に置かなければいけません。

書籍「佐川君からの手紙」

佐川君からの手紙―舞踏会の手帖 (1983年)

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劇作家としても活動している唐十郎による「佐川君からの手紙」という書籍はその名の通りパリ人肉事件の犯人である佐川一政の事を記した書籍です。唐十郎が実際に佐川氏と文通した手紙の内容を書籍化したもので、第88回芥川賞を受賞しています。

映画「カニバ パリ人肉事件38年目の真実」

2017年に公開された映画であり、パリ人肉事件という凶悪な事件を起こした佐川一政の現在の生活の1か月間を一部始終映像に収めたドキュメンタリー映画となっています。この作品も、第74回ヴェネツィア国際映画祭においてオリゾンティ部門審査員特別賞を受賞しました。

パリ人肉事件が影響を与えた人

pedrofigueras / Pixabay

事件を起こし、帰国してから様々なメディアに露出している佐川一政ですが、本人から包み隠さず語られる犯行の内容により影響を受ける人が多く存在します。有名人に限らず一般の方々も異常な佐川一政の行動は頭から離れないのではないでしょうか。

現代美術家リュック・タイマンス

佐川一政のポートレート絵画を描いた人物がいます。ベルギーで活躍している現代美術家であるリュック・タイマンスも佐川一政のドキュメンタリー映像を受けて、その映像を元にポートレートを描いたようです。

芸術家の人々の中には、人間の本性や性に関しての絵を主として描いている方も多くいらっしゃいます。彼の行為は悪だとわかっていても、人間の本性としてその行為を美化してしまう方がいるという事も実際にはあり得るのです。

ザ・ローリングストーンズ

イギリスの有名なロックバンドであるザ・ローリングストーンズもパリで起きた猟奇事件に影響を受けています。Too Much Bloodという曲の中で日本人がパリでガールフレンドを自宅へ招き入れて食べたという歌詞を歌っているのです。

世界的にも言語の幅を超えて愛されている音楽の中にもこの事件が影響を与えており、つまりは世界の人々が音楽を通してこの事件の内容を少なからず知る事となります。そんな怖い事件が、と思う人がいる反面、その事件を崇拝した新たな犯人が生まれてしまう可能性がある事も覚えておかなくてはいけません。

酒鬼薔薇聖斗

少年Aとして少年犯罪史上最も衝撃的である酒鬼薔薇聖斗にも佐川一政は影響を与えています。佐川氏の著書を読み、憧れと共に、先を越された悔しさを持ったと本人は語ります。もし佐川氏の著書と酒鬼薔薇聖斗が出会わなければ、酒鬼薔薇聖斗が人肉を食べる衝動を起こさなかったのでしょうか。

少年犯罪としてはジェームスバルガー事件も世間を震え上がらせた事件の1つです。こちらの記事ではジェームスバルガー事件について詳しくご紹介していますので、ご興味がある方は併せてご覧ください。

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