【プロビデンスの目】フリーメイソンの陰謀論とホルスの左目とラーの目の意味

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欧米などでは、片目を閉じて「目」を表わすポーズがあり、ミュージシャンといった有名人もこのポーズを取ることがあります。ですが先述のフリーメーソンとのつながりから、「片目を閉じるポーズは、それを行う人間がフリーメーソンの一員であることを示している」という噂も、まことしやかにささやかれています。

プロビデンスの目のポーズをした歌手①きゃりーぱみゅぱみゅ

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「目」のポーズをしたことがある歌手としては、日本のきゃりーぱみゅぱみゅも挙げられます。正式名を「きゃろらいんちゃろんぷろっぷきゃりーぱみゅぱみゅ」、略称を「KPP(「きゃりー」とも)」という彼女ですが、もしもフリーメーソンの一員であったとしたら、さすがのファンも「キレそう」……?

プロビデンスの目のポーズをした歌手②レディー・ガガ

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今やアメリカを代表するポップ・シンガーの一人といえるレディー・ガガ。そんな彼女も、「目」のポーズをしたことがあります。また、前述のきゃりーぱみゅぱみゅと共演したこともあるガガ。その破竹の勢いを見せる活躍の裏には、フリーメーソンの力が加わっている、という説も……。

プロビデンスの目は東京のシンボル的存在にもあった?!

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2008年に建設が開始され、2012年5月に電波塔及び観光スポットとして開業した、東京タワーに代わる新しい都心のシンボル、「東京スカイツリー」。そんなスカイツリーにも、「目」が隠されている、という人もいます。

東京スカイツリーを輪切りにした図を見ると、三角形の中にタワーの中心材があり、あたかも「目」のように見える……というもの。とはいえ、「だから何?」と言いたくもなってしまいます。これを読んでいる皆さんの身近にも、探せば「目」がどこかに隠れているかも……?

フリーメーソン概説:その歴史と秘密

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前述の通り、「目」を巡る陰謀論の黒幕として語られることの多い、秘密結社「フリーメーソン」。その実体は文字通り「秘密」に彩られており、謎に満ちた団体です。続いては、そんなフリーメーソンについて、いくつかの伝説的な事柄も交えながら、ご説明しましょう。

フリーメーソンとは?

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フリーメーソンは、最盛期には世界で600万人の会員数を誇ったとされる、世界最大の秘密結社です。その活動内容は詳らかではありませんが、その構想として「自由・平等・博愛」の精神を持つとされており、そうした構想のもとでの人間と社会の完成を主な目標として掲げている、と考えられています。

フリーメーソンのメンバー

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フリーメーソンは非常に巨大な結社であるため、そのメンバーとされる人物の中には、世界史的にも著名な人物が多数名を連ねています。一例には、アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントン、独立宣言の起草者ベンジャミン・フランクリン、さらには二次大戦時の大統領ルーズベルト、GHQの総司令官マッカーサー、イギリスの宰相チャーチルなど。

また、フリーメーソンの掲げる「自由・平等・博愛」の精神は、フランス革命やアメリカ独立の思想的支柱とも少なからず重なっていることから、こうした歴史的な重大事の裏側でフリーメーソンが暗躍していたのでは、という陰謀論的な説が唱えられることとなりました。

フリーメーソンの歴史①:その起源

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フリーメーソンがいつごろから存在していたのかは、未だ明らかにされていませんが、おそらく中世における石工たちのギルド(組合)が、その前身であったのではないかとされています。フリーメーソンは、直訳すれば「自由な石工」であり、もともとは中世に大きな教会や宮殿の建築を受け持った石工たちの集団でした。

しかし中世が終わり、大規模な建築の機会が減ると、こうした石工たちの組合は存続の危機にさらされました。そうした時期に、魔術師や錬金術師の集団である「薔薇十字団」による接触があり、フリーメーソンは目に見えない天上や神の建築=人間社会の完成を目指す集団として生まれ変わったのではないか、と考えられています。

フリーメーソンの歴史②:近代におけるフリーメーソン

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公式の記録において、現代につながるフリーメーソンの基礎が築かれたのは、1717年6月24日、聖ヨハネの祝日に、当時ロンドンにあったフリーメーソンの4つのロッジ(支部)が統合され、ロンドン・グランド・ロッジが設立されたことにあります。

ここにおいて、フリーメーソンは大元の性格であった石工の集団という実業的な側面から脱却し、先にも示した「自由・平等・博愛」という世界市民的な構想、ないし社会的・政治的な目標を掲げる自由人の集団として生まれ変わったのです。

フリーメーソンの歴史③:その伝説的起源

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ですが、こうした沿革とは別に、フリーメーソンの内部では、より伝説的な起源が語られています。それらによれば、フリーメイソンの開祖は、旧約聖書にも登場するソロモン王の神殿を建てた、フェニキア人の頭領ヒラム・アビフであるとされています。

またロンドン・グランド・ロッジ創設の際に憲章を起草した人物によれば、フリーメーソンの起源は「創世記」のアダムにまで遡り、アングロ・サクソン王アセルスタン(895年ごろ~939年)に初めて公認されたと伝えられています。また、古代エジプトの秘儀や中世の「テンプル騎士団」にルーツがあるともされ、まさに「神秘的」の一言です。

フリーメーソンの内部構造:さまざまな位階

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フリーメーソンにおいて、その内部にはある種のヒエラルキーがあることが知られています。初期には「徒弟」「職人」「親方」という3つの位階がありましたが、のちにはその数が増加し、現在の儀礼とされる「スコッチ儀礼」には、なんと33もの位階が存在しています。時とともに、結社の内部構造が極めて複雑化していったことをうかがわせます。

フリーメイソンの実像:単なる慈善団体?

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このようにさまざまな神秘に彩られたフリーメーソンですが、結局のところ、本当に世界を裏で牛耳っているのかどうかは定かではありません。現実的には、フリーメーソンは単なる親睦団体・慈善団体に過ぎないというのが、大方の見方であるようです。ちなみに、フリーメーソンのロッジは日本にもあり、電話帳にも載っています。

「プロビデンスの目」と「エルダーサイン」

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では最後に、「目」に類似したデザインとして、「エルダーサイン」についてご紹介しましょう。「エルダーサイン」は、いわゆる「クトゥルフ神話」において重要な意味を持つ印であり、その背景となる世界観も、どこか「目」を彷彿とさせるものとなっています。

「クトゥルフ神話」とは?

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「クトゥルフ神話」とは、1920年代に活躍したアメリカの作家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの作品に登場する、強大かつ邪悪な神々を巡る架空の神話のこと。「クトゥルフ神話」においては、この世界は宇宙の彼方に存在する「外なる神」、あるいは古代に地球上を支配した「旧支配者」といった邪神が支配しているとされています。

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邪教の集団

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さらに「クトゥルフ神話」の世界観においては、人間の中にも邪神を崇拝し、その復活を企む狂信者(カルティスト)の集団があるとされ、さらにその中には表向きには慈善団体を装っているものなど、どこか陰謀論者たちの語るフリーメーソンの姿を連想させるような組織も登場しています。

こうした狂信者たちと、世界の邪悪な真実を知り立ち向かう者たちとの終わりなき闘争が描かれているのも、「クトゥルフ神話」の特徴の一つです。こうした世界観を受け継いだ作品群は、ラヴクラフトの死後も、その知人や愛好家などによって執筆され続け、現在でも多くのファンを魅了しています。

「エルダーサイン」とは?

「エルダーサイン」は、そうした邪悪な神々に対抗する護符として、ラヴクラフトの作品のなかに登場するシンボル。五芒星の中心に燃える目(あるいは柱)を描いたもので、邪神たちと対立関係にある「旧き神」の象徴とされています。「目」とは直接的な関連性はないものの、やはり何かしらの影響を思わせるものです。

ゲーム化もされている「クトゥルフ神話」

こうした「クトゥルフ神話」の恐ろしくも魅力的な世界観は、アメリカのアメリカのゲーム会社であるケイオシアム社により、『クトゥルフの呼び声(Call of Cthulhu)』として、テーブルトークRPG(TRPG)となってゲーム化もされています。

テーブルトークRPGとは、その名の通りテーブルを囲んで、紙と鉛筆、そしてダイスによって遊ぶもの。テレビゲームとは違った、会話によるコミュニケーションを主体としたスタイルのTRPGは、近年秘かに人気を集めており、実際のゲームの進行(セッション)を再現した「リプレイ」をネット上に投稿するといったことも行われています。

プロビデンスの目は謎の多い全知全能の目

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「プロビデンスの目」は、私たちにとってごく身近なところにも存在する一方で、その実体は多くの謎に包まれています。そんな「目」の奥深い神秘について、ときには思いを馳せてみるのもよいでしょう。

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