【プロビデンスの目】フリーメイソンの陰謀論とホルスの左目とラーの目の意味

では最後に、「目」に類似したデザインとして、「エルダーサイン」についてご紹介しましょう。「エルダーサイン」は、いわゆる「クトゥルフ神話」において重要な意味を持つ印であり、その背景となる世界観も、どこか「目」を彷彿とさせるものとなっています。

「クトゥルフ神話」とは?

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「クトゥルフ神話」とは、1920年代に活躍したアメリカの作家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの作品に登場する、強大かつ邪悪な神々を巡る架空の神話のこと。「クトゥルフ神話」においては、この世界は宇宙の彼方に存在する「外なる神」、あるいは古代に地球上を支配した「旧支配者」といった邪神が支配しているとされています。

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邪教の集団

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さらに「クトゥルフ神話」の世界観においては、人間の中にも邪神を崇拝し、その復活を企む狂信者(カルティスト)の集団があるとされ、さらにその中には表向きには慈善団体を装っているものなど、どこか陰謀論者たちの語るフリーメーソンの姿を連想させるような組織も登場しています。

こうした狂信者たちと、世界の邪悪な真実を知り立ち向かう者たちとの終わりなき闘争が描かれているのも、「クトゥルフ神話」の特徴の一つです。こうした世界観を受け継いだ作品群は、ラヴクラフトの死後も、その知人や愛好家などによって執筆され続け、現在でも多くのファンを魅了しています。

「エルダーサイン」とは?

「エルダーサイン」は、そうした邪悪な神々に対抗する護符として、ラヴクラフトの作品のなかに登場するシンボル。五芒星の中心に燃える目(あるいは柱)を描いたもので、邪神たちと対立関係にある「旧き神」の象徴とされています。「目」とは直接的な関連性はないものの、やはり何かしらの影響を思わせるものです。

ゲーム化もされている「クトゥルフ神話」

こうした「クトゥルフ神話」の恐ろしくも魅力的な世界観は、アメリカのアメリカのゲーム会社であるケイオシアム社により、『クトゥルフの呼び声(Call of Cthulhu)』として、テーブルトークRPG(TRPG)となってゲーム化もされています。

テーブルトークRPGとは、その名の通りテーブルを囲んで、紙と鉛筆、そしてダイスによって遊ぶもの。テレビゲームとは違った、会話によるコミュニケーションを主体としたスタイルのTRPGは、近年秘かに人気を集めており、実際のゲームの進行(セッション)を再現した「リプレイ」をネット上に投稿するといったことも行われています。

プロビデンスの目は謎の多い全知全能の目

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「プロビデンスの目」は、私たちにとってごく身近なところにも存在する一方で、その実体は多くの謎に包まれています。そんな「目」の奥深い神秘について、ときには思いを馳せてみるのもよいでしょう。

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