ヘビクイワシとは?
全長は人と同じ程度の100~150cmに及び、その名の通り蛇を蹴って弱らせた後食べるという特徴が名前の由来となっています。その姿は手塚治虫の火の鳥の生き写しのような長いまつげを持った神秘的な姿をしており、最も美しい鳥ともいわれているのです。
近年では今まで脚光を浴びていなかった神秘的な鳥達が、色々な理由からスポットライトを浴びるようになってきました。ヘビクイワシの他にも動かないというユニークな特徴を持った鳥であるハシビロコウも人気を増してきています。ハシビロコウに関してはこちらの記事でご紹介しています。
ヘビクイワシの食事
名前を聞いて食事として何を食べているのかが一目瞭然ではありますが、改めて詳しくご紹介させていただきたいと思います。ヘビの中には毒をもつものが多く存在しますが、ヘビクイワシは毒ヘビをユニークな方法で餌として食べているのです。
ヘビクイワシの食事①基本は小動物とヘビなどを狩っている
名前の通りヘビを食べる鳥ですが、その他の昆虫や爬虫類、小動物も食べるとされています。しかし、なんといってもその特徴は獲物を捕まえる際の特徴的な行動ではないでしょうか。毒を持っていたり攻撃性のある動物と闘う際には自慢の長い脚で攻撃を繰り出すのです。
また、とても賢い鳥で、獲物を掴んで飛び上がり、高い場所から落としてその獲物の息の根を止めるという行動をとる事も有ります。さらに、他の猛禽類と獲物の取り合いになった際にも、ご自慢のキックでその敵を追い払うのです。
ヘビクイワシの食事②時には毒ヘビも獲物?!
彼らの食事の中には蛇の中でも猛毒を持っている物も含まれています。中でも人身被害が一番多い猛毒ヘビであるパフアダーという毒蛇も気にせずに食べてしまうのです。そしてその食べ方もとてもユニークで、毒ヘビを蹴り弱らせて噛まれる心配をなくしてから食す特徴を持っています。
ヘビクイワシの食事③毒ヘビって食べて大丈夫なの?
生物が持つ毒の中には口から摂取すると、内臓の消化によってその形態が変化して毒としての効果を発揮できない場合があります。逆にフグの持つ毒のように経口からだと威力を発揮するといった毒も存在しており、ヘビクイワシが毒ヘビを食べても平気な理由は内臓での消化が起こるためとされています。
ヘビクイワシの驚くべきキック力!
ヘビをも弱らせてしまうヘビクイワシですが、そのキックの力はどれほどの物でしょうか。こちらの記事ではその驚くべきキックの力をご紹介させていただきたいと思います。その強さを知ると、安易にヘビクイワシに近づく事が出来なくなるかもしれません。
その威力は体重の5倍!?
厳しい資源戦争が起こるサバンナで生きていくためにヘビクイワシが身に着けた神業である、その悩殺キックですが、威力はなんと体重の約5倍ほどであるとされています。20キロ近いキックを喰らって無事で入れるはずがなく、流石の毒ヘビも次なる攻撃を繰り出す前に倒されてしまうのです。
威力もさることながら、驚くキック速度
どれだけ強いキック力があっても、相手に当たらなければ意味がありません。毒や敵の攻撃を受ける前に自身のキックを当てなければ自身が餌となってしまうのです。そのために発達したそのキックの速度は、人間がまばたきする速度とほぼ同じとされています。そんな速さで繰り出されるキックを避けれるはずはありません。
ヘビクイワシのキック動画
ご紹介した動画の中では本物のヘビではなく、ゴム製のヘビを使用していますが、本物と思いこんだヘビクイワシは本気のキックを繰り出しています。小さなヘビに対して器用に頭を確実に狙い、一撃必殺を繰り出しているのが動画の中でも見て取れます。
動画に移っているヘビクイワシは飼育されている個体のため、本物のヘビではなくおもちゃのヘビを使用していますが、飼育されている個体であっても本能的にヘビを的確に攻撃している事から、その種としての特徴である事も伺えます。
ヘビクイワシの生態
彼らはサバンナに住んでおり、基本的には地上で生活をしています。しかし、翼が退化して飛べないダチョウとは違って、飛行が可能です。また繁殖の時には木の上に巣を作り、長く同じ巣を使い続けるという特徴を持っています。
猛禽類の仲間であるヘビクイワシですが、同じ猛禽類の中で人気を集めているハリスホークという鳥をご存知でしょうか。実際にペットとして飼育も可能であり、飼っている方もいらっしゃるハリスホークに関してはこちらの記事でご紹介させていただいております。
ヘビクイワシの生態①基本は夫婦で行動!たまに群生
滅多な事がない限りはペアで行動しており、野火が起こったりすると火から逃れるように草むらから飛び出した獲物を狙うように群生を成すことがあります。しかし一度できたペアは一生、解消されることがなく、生涯番で生活しています。
また、一度ペアを作ると、木の上に巣を作り、何年にもわたって同じ巣を使いまわしをして、子供を増やすという行動様式もヘビクイワシの特徴ではないでしょうか。まさしく、鴛鴦夫婦を形成する鳥の一種です。
ヘビクイワシの生態②ワシだけど歩行が得意?
ワシという名前を持ちますが、基本的には歩いて生活しており、毒ヘビを食べる時には、ヘビの頭部を自慢の足で連続蹴りを入れて、弱らせてから噛まれる心配のない状態で捕食を行います。その様子はとてもユニークで動画などでもその姿を見る事が可能です。
ヘビクイワシのヒナ
様々なヘビクイワシを飼育している動物園において、ヘビクイワシの繁殖が行われています。東武動物公園などでは、ヘビクイワシのヒナが育っている様子をFacebookなどでも写真で更新しており、実際のお披露目までの姿も画像で観察することが可能です。
記事の中でもご紹介させていただきましたが、ヘビクイワシは生涯同じオスとメスで生活します。そして生物界では珍しく、オス鳥も協力してヒナを育てるとされています。それによって繁殖力も雌だけで育てるよりは向上しているのかもしれません。
その姿は灰色
ヒナの羽毛はまだまだ生えそろっていないため、ホワホワの羽毛のような状態で体をまとっています。また、白い綺麗な羽毛が特徴的なヘビクイワシですが、ヒナ鳥の持つ羽毛は灰色なのです。しかしながら、東部の黒い羽根はヒナの時からしっかりと持っています。
赤い目元
大人になると黄色い目元が特徴的なのですが、ヒナの時には、目の周りが赤く、成長と共に見慣れた黄色に変化していきます。大人の姿とは部分的に見ると違う点が多いヒナ鳥ですが、見ただけでヘビクイワシだとわかる理由はそのスラっとした長い足や黒い羽毛などの特徴なのかもしれません。
ヘビクイワシは地上で最も美しい鳥!その理由とは?
地上で最も美しい鳥と言われています。様々な鳥が美しい姿を持っている中、なぜ彼らが地上で最も美しい鳥と言われているのでしょうか。ここではヘビクイワシがそう言われている理由を詳しくご紹介させていただきたいと思います。
ヘビクイワシの見た目の特徴①長いまつげ
何といってもその魅力は、信じられないほど長いまつげを持っている容姿ではないでしょうか。その姿は現実の生き物かと疑う程に神秘的で美しく、何時間でも見入ってしまうほどの美人な姿です。インターネット上にもその美しい見た目が数々アップデートされています。
ヘビクイワシの見た目の特徴②神秘的な羽毛
また羽毛もとても神秘的です。ツルのように白と黒の羽毛を持っており、その羽毛も神秘的で美しいと言われている特徴の1つではないでしょうか。また、オレンジ色のグラデーションの色は白の羽毛にとてもよく映え、幻想的な顔を醸し出しています。
ヘビクイワシの見た目の特徴③モデル体型の立ち姿
自慢の脚力を持つ足はモデルのようにスラっと長く、細身の体とのバランスも抜群であり、羽を広げた姿はとても綺麗な立ち姿となっています。しかし、ヘビをも弱らせてしまうその脚力はその細い足のどこに隠されているのでしょうか。
ヘビクイワシが最近人気急上昇!
その名が世に広まったのはあの有名なアニメの影響ではないでしょうか。それまで数多くの動物たちがあまり知られることなくひっそりと存在していましたが、このアニメをきっかけに多くの方が今までスポットライトを浴びていなかった動物達に注目するようになりました。