その時は耳元でぽわぽわと音が近づいてきたといい、まさに意識せず離脱のためのステップを踏襲していた状態です。幽体は完全に離れず上半身のみだったので、あわてて元に戻ったといいます。
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幽体離脱の他にもたくさんある体験談!
有名人以外にも、離脱体験の報告は数多く上がっています。意図的に行うためには訓練が必要ですが、ふと無意識に、知らずのうちにそんな状態に陥ってしまうこともあるのです。
では、いったいどんな体験談が集まっているのでしょうか?
幽体離脱の体験談①
報告者Aはある朝方、自分の意識が肉体から離脱していることに気づきました。好奇心から自宅を出ようとしますが、全身肌色の子供のような影に阻まれてしまいます。悪意は感じないものの、出てはいけないのだな、と感じ部屋に戻ると同じような影がたくさん肉体の周辺に集まっていました。A氏は恐怖を感じ慌てて肉体に戻ったといいます。
幽体離脱の体験談②
報告者B氏は日常的な怪奇現象に悩まされていました。友達とお泊り会で盛り上がったその日、夜中の2時頃に目を覚ましたB氏は、いつもの金縛りと共に自分が離脱していることに気が付きます。
幽体となって天井付近に近づくことを繰り返し、自身の肉体や眠る友人を奇妙な気持ちで見下ろしていたといいます。
幽体離脱の体験談③
報告者Cは離脱を早いうちから自覚し、徐々にレベルを上げていった人です。浮遊しながら自室を出てみると、あたりには他にも霊体がいましたが、自分と違い正者でないことが分かったとのこと。
本人いわく夢の中の出来事のようだったとのことです。C氏は「他の人も日常的に離脱しているが覚えていないだけではないか?」と考えているようです。
幽体離脱は危険性が高い?
しかし、いかにシステマティックに行おうとも、離脱体験が現代人にとって未知の領域であることに変わりはありません。
そもそも幽体、つまり霊魂が肉体から離れてしまう現象は、先にも述べた通り疑似的な臨死体験であり、離脱中の肉体はからっぽの状態、要するに限りなく死に近い場所にあるということです。
幽体離脱は仮死状態?
魂の離れた肉体はいわゆる仮死状態にあると思ってください。実際、離脱体験中は体温は下がり、心肺機能も限界まで低下、バイタルサイン上は死亡判定が下されるレベルであることも分かっています。
あと半歩ずれた先は死の領域である、と考えると、幽体の世界に行くことがどれだけ危険な行為か分かってもらえると思います。
幽体離脱は薬物や脳内の異常が原因のことも
かつてシャーマンは宣託を授かる際、麻薬の力を借り、意識を普段ある領域から切り離していました。薬物による脳内物質の過剰分泌が、超常的な経験を錯覚させるとも言われています。
また動物が死に瀕した際、脳内では麻薬物質が大量に分泌されることもわかっているため、幻覚作用で離脱体験が起きるのだとも言われています。
幽体離脱で魂が抜けたままだと死んでしまうこともある
もし幽体が肉体を出たまま、戻らなかったら?それは当然「真実の死」を意味します。体験者の中には帰還に失敗し、そのまま死亡とみなされた者もいるやもしれません。
いくら幽体として意識を保っていようとも、肉体を失ってしまえばそれは死であり、ただの幽霊と化してしまう、実は大変に危険な行為でもあるのです。
幽体離脱と明晰夢の関係性
明晰夢とは「夢だと自覚できている夢」のことです。離脱体験は夢とは異なるものですが、実はこの明晰夢と密接に関係していると言われています。
両者はどちらも”夢を見ている(覚醒はしていない)”、けれども”夢を自覚している(完全に眠ってもいない)”状態を保つことが条件です。そして、離脱は明晰夢の延長線上にあるとされているのです。
幽体離脱の一歩手前が明晰夢
離脱をする直前の意識はまさに明晰夢を見ているのと同じ状態です。この時意識は現実と夢想の狭間を漂っています。明晰夢自体は意図しなければ誰でも見ることができるもの。その時の状態に「魂をはがす」というワンステップ加えたのが離脱です。
つまり、明晰夢と幽体離脱は隣接した状況であるということです。
幽体離脱は明晰夢をコントロールすることができれば可能?
すなわち、明晰夢のコントロールを可能にすれば、その先にある離脱を行うための準備段階になるのではないか、という考え方です。
魂のコントロールは念入りな訓練と資質が必要ですが、それに比べたら夢の方がまだ挑戦しやすいですね。なお明晰夢に関して詳しく特集した記事もあるので、ぜひ以下リンクをご参照ください。
幽体離脱を科学的に体験できる実験「ゴムの手の錯覚」
世の中には意識を覚醒させたまま幽体離脱を体験できるという実験が存在します。
厳密に言えば、幽体を肉体から離すのでなく、単なる錯覚現象の一種なのですが、人間の意識がいかに視覚情報に左右され、かつ簡単に騙されてしまうということが見て取れます。その実験はrubber-hand illusion、ゴムの手の錯覚と呼ばれています。
ロンドンの神経内科医が行った実験
この実験は1998年に科学雑誌ネイチャーに掲載され、以降、アメリカやスウェーデン、日本も含め、多くの科学者によって探求されてきました。
以下は2004年、ロンドンの神経内科医であるエアソン医師が行った実験のレポートです。用意するのは脳波計、筆や針、そしてシンプルなゴム製の義手です。
幽体離脱の科学的体験「ゴムの手の錯覚」のやり方
まず被験者の方手を衝立などで視界から遮り、かわりに見える位置に義手を置きます。そして本物と偽物、ふたつの手を同じように筆で撫でていくと、自分の身体ではないと知っていても、だんだん被験者は義手からも感覚を得るようになります。
「あなたの手はどっち?」と尋ねると、視覚でとらえている方、つまり義手を指す人が多かったといいます。
人の感覚は簡単に肉体から脱出する
この結果から、被験者の意識は実体からゴムの手に移ったことが分かりました。この時の体感は被験者いわくまさに「幽体離脱のようだった」とのことです。
人間の意識が実は肉体でなく感覚によって固定されるものであるなら、この実験を進めることによって人は自在に離脱を体験できるようになるかもしれません。
幽体離脱を科学的に体験できる実験②「感覚遮断実験」
また他にも離脱を体験できる実験が確認されています。ゴムの手の実験もそうですが、どちらも厳密にいえば体外離脱であり幽体離脱ではありません。
体外離脱はあくまで「抜け出す感覚を体感する」ものであり、幽体(魂)はちゃんと肉体に残っている状態です。ですが体感的にはどちらも区別がないため、実質幽体離脱体験といってよいでしょう。
感覚遮断実験とは?
この実験は文字通り、人間の感覚をすべて遮断して行います。五感を失った環境が、人にどのような影響を与えるのか調査するため、1950年代より実施されてきました。
しかし極端な行動制限や拘束状態が必要なこと、また被験者に精神的な問題が残るとして、人道的に問題が指摘され、20年ほどで徐々に行われなくなりました。
五感の遮断
被験者は手を覆われることによって触角を、目隠しされることによって視覚を、耳栓によって聴覚を…。といったふうに、五感への刺激を徹底して排除されます。
体はベッドに拘束状態で、トイレや食事以外は身体を起こすことは許可されません。実験開始前、被験者たちは「寝てるだけなんて楽な実験だ」と考えていたようです。
起きる現象
被験者たちは開始当初は自由に過ごしていたものの、しだいに落ち着かない様子で、些細な刺激を求めるようになりました。やがて数日を過ぎると思考が混乱しはじめます。
最終的にはすべての被験者に幻覚やせん妄の症状がみられる結果になりました。この最終段階の状態で、離脱体験をしたという報告が寄せられるようになったのです。
アイソレーションタンクの開発
現在は感覚遮断装置・アイソレーションタンクによる安全な実験が可能になっています。内部は塩水で満ちており、音や光を遮断した状態で浮かぶことにより、五感と重力感覚を低下させることができます。
内部で作り出される状況はまさに究極の瞑想状態であり、体外離脱どころか場合によっては本当に幽体が剥離してしまいそうな好条件が魅力です。
タンクでの離脱体験はリラクゼーション?
アイソレーションタンクは特別な訓練や危険性なく刺激を排除できるため、最高のリラックスを求める人たちがリラクゼーションの目的で入ることもあります。日本国内でもサロンやスパに設置されており、疲労回復や心身の治療にも活用されています。
最近気分が落ち込んでいて…ストレスから解放されたい…とお悩みな方にも最適といえるでしょう。
幽体離脱の瞬間をとらえた動画
離脱体験のイマジネーションを高めるためには、視覚的な経験を積むのもひとつの手段です。ここからは、世界各国で撮影された「肉体から魂が離れる瞬間」をとらえた動画集をご紹介します。
必然的に死亡・事故の映像になりますので苦手な方はご注意ください。あくまでも想像力を高めることが目的ですので、恐怖を感じてはむしろ逆効果です。
幽体離脱の瞬間①
おそらくホームレスと思われる荷物を引きずった男性が、軒下の路上に寝そべります。やがてその姿が二重になり、半透明の姿だけがゆっくりと離れ・・・。
服装までくっきり見える鮮明な映像です。幽体は寝そべった自分の姿を見下ろすものの、そのまま立ち去っています。彼はこの後どうなってしまったのでしょうか?目を覚ましたのか、それとも…。
幽体離脱の瞬間②
中国の病院で亡くなった女性の遺体から、薄布のように影が浮かび上がり、消えていくまでを映しだしています。
この影が女性の魂魄そのものであるか、または彼女の魂を連れ去る何らかの存在なのかは確定していません。海外ネットでじわじわと話題が広がり、日本でも拡散されるようになりました。
幽体離脱の瞬間③
交通事故現場で起きた、人の魂が抜け出ようとしている瞬間の画像です。ちょうど被害者の真上に白いもやのような影が写されています。
撮影者はたまたま現場に居合わせ、謎の不思議な感覚におそわれ撮影してしまったとのこと。ヤラセを疑う声もありますが、この画像をアップロードした時点で撮影者は被害者の死亡を知らなかったといいます。
魂が離れると人は妖怪になる?
魂離(りこん)病という言葉を聞いたことがありますか?魂が肉体から離れる現象、まさに幽体の離脱を指し、古くは中国より渡来してきた言葉でした。文字通り、かつては病気の一種であると信じられていました。この「幽体離脱病」を患った者が、時にあやかしとして扱われてきた記録が、数々の怪談を生み出してきたのです。
ろくろ首
ろくろ首はその長すぎる首でよく知られた妖怪ですが、これは肉体の一部のみが離脱現象を起こしている状態といわれています。
恋しい人に会いたい、あいつが恨めしいなど、対象に強い執着を抱くことによって起きるのだとか。実はろくろ首伝承は誤解の結果生まれたものであり、本来首(魂)は伸びるのでなく分離して飛んでいくものとされています。
影の煩ひ
別名影の病とも呼ばれ、熱病のようなものとされている、影の煩ひ(かげのわずらい)。病人が二重に重なって(または二人に)見えて、本物がどちらか分からなくなる現象と言われています。
これは病気により生命力が低下し、病人の魂が離れかけている状態だからでしょう。
ドッペルゲンガー
ドッペルゲンガーは自分とうり二つ、いえ自分そのものの姿をした別人が現れ、自分の知らないうちにいるはずのない場所で活動する現象です。ドッペルゲンガーは凶兆のしるしであり、自身で目撃してしまうとやがて死亡するとされています。
これは怪異によって殺されるというより、死の近くなった人物が魂離を起こしているためと考えられます。
生霊
最も基本の離脱現象、それが生霊です。生きながらにして魂が肉体を離れ、怨みのある人物に祟りをもたらすとされていますが、それ以外にも心残りであることや、家族の身を案じて出没することがあります。
古くは古典文学の源氏物語や今昔物語集にも登場する、現代日本人にもよく知られている代表的な魂離病の一種です。
夢遊病=魂離病?
また怪奇現象だけでなく、睡眠時遊行症、いわゆる夢遊病を魂離病と呼ぶこともあります。
確かに肉体と意識が連動していない点は似ていますが、こちらは単なる病気であり、また通常の離脱体験と違って当人には記憶が残りません。それでも、数百年前の人が見たらこの不思議な病も、あやかしのしわざとして扱われたかもしれません。
幽体離脱が題材とされている映画
もっとも手軽に離脱を味わう方法、それはフィクションの力に頼ることです。ここからは離脱体験をテーマとした映画作品をご紹介します。
製作者それぞれが想像する「人から魂が抜けるって、こういうことなじゃないだろうか?」「抜けたらこういうことが起きるものじゃないのだろうか?」という、満ち溢れる創作意欲をお楽しみください。
インディシアス
ある屋敷に引っ越してきた一家に、屋根裏からはじまった怪奇現象が忍び寄りはじめます。そしてある日急に次男が意識不明、異常の見つからないまま寝たきり状態に陥ります。魂が奪われかけている我が子を救うため、父親が闇の世界を相手に戦います。アメリカで高い評価を得て、シリーズも4作目まで作られている大ヒット作品です。
ISOLA 多重人格少女
「黒い家」「悪の教典」などで知られる貴志祐介原作のホラーミステリー映画。サイコメトリーの能力を持つ主人公が、霊体を飛ばし人を死に至らしめる少女と出会います。物語が進むにつれ、霊体の真実が明らかになっていき…。作中には、先に紹介したアイソレーションタンクが重要なアイテムとして登場します。
DESTINY 鎌倉ものがたり
昭和59年から続く漫画作品が原作です。妖怪や幽霊などあやかしが当たり前に暮らす鎌倉で、ミステリー作家とその妻が織りなす日常を追ったファンタジードラマです。物語の中、主人公は黄泉の国に行ってしまった妻の魂を追いかけます。世界観も含め良作と名高い作品であり、宇多田ヒカルの歌うテーマソングも名曲として注目されています。
幽体離脱は誰でもできる夢の体験
幽体離脱は特殊な霊能力や才能がなくても、誰でもチャレンジできる新世界の体験ですが、反面、魂が肉体から離れることは危険も伴うので、実行する際は充分注意するようにしましょう。この記事をもとにいろいろ思考錯誤しながら、自分にとって一番合ったやり方を見つけてください。身につけることができたらあなたの人生観が一変するはずです。
煩悩に関する記事はこちら
幽体離脱の結果のひとつに関する記事はこちら
明晰夢に関する記事はこちら