コテカってなに?
コテカを知らない方は、周囲に「コテカってなんだろう?」と聞いてみましょう。必ず何人かはニヤニヤしはじめる人がいるはずです。上の画像が実物になりますが、何に使うものなのか、どのようにして使うのか?それを知ればあなたも度肝を抜かれることでしょう。これは遥か彼方の国の民族が、しかし同じ人類が生み出した立派な文化のひとつです。
コテカとはパプアニューギニアの民族衣装
これはパプアニューギニアで暮らすダニ族がまとっている民族以上の一種です。他にも同じ習慣を持つ部族は複数確認されています。
大きさや色・形状は一定でなく、目的や用途によって曲がっていたり文様が描かれていたりと、実に多様なパターンを持ち合わせています。我々が色々な服を持っているように、彼らも着がえをするのです。
コテカとはどのような衣装なの?
部族の男性は、筒状になっているコテカを男性器にかぶせて着用します。万年筆とそのキャップのようにスッポリとマッチさせているため、ペニスケースと呼ばれることも。
陰茎部分以外は露出した恰好であるため、都市文化的感覚からは「それ、着てるの?」と首をひねりたくなりますが、部族にとってこれはきちんと「着衣」の状態です。
コテカとは①男性下着の1種
どこに出ても恥ずかしくない衣装でありながら、かつ男性用の下着の役割を持つというコテカ。いわゆる見せパン、いえワイシャツに近い感覚でしょうか。
私たちが服を体系に合わせて選ぶように、これも陰茎にフィットさせる必要があるため、使用者ごとにサイズを調整して作製されます。そう、コテカはすべてオーダーメイド品なのです。
コテカとは②種類は2つ
素材はコテカの実という植物のため均一な形状にはなりません。ですが大きく分けて2種類に分類され、直線的な形状のものはコテカルルス、曲線はコテカベンコックと呼ばれています。
年齢によって着用が制限され、若者はまっすぐでシンプルなルルス、壮年を過ぎたものはベンコック、地位が高くなれば毛皮や文様など華やかな装飾が加えられます。
コテカとは③昼用と夜用がある
これらは使用状況によって使い分けられ、昼・夜ごとに異なるものを着用します。夜は休息の邪魔にならないよう、昼用に比べて短く作られています。「部屋着は快適さが最優先」という考えはどこの国でも変わらないようです。
それでも寝辛くないの?と気になるところですが、部族では7~8歳から着用を始めるため慣れているとのことです。
コテカの装着の仕方
では、これはどうやって身に着ける衣装なのか、というお話です。だって普通にはめたらコロリと落ちてしまうか、またきつすぎて抜けなくなるんじゃ…?
ですがそこはやはり普段着、正しい着用のステップを踏めば、日常生活の邪魔になることは決してありません。男性は以下をお読みになりながら、具体的な手順を想像してみてください。
コテカ装着手順①一回り大きなものを選ぶ
まずはどの装備にすべきか、厳選するところから始めます。見栄を張って大きくしすぎてもいけません。先に記載した通り、年齢や立場でも使用できる種類が異なります。
念入りにサイズ調整をしたいので試着が欠かせないところです。ジャストフィットよりは、ひとまわりほど大きい幅で選ぶようにしましょう。
コテカ装着手順②根元に合わせてかぶせる
次に、陰茎にかぶせて、きちんと根元まで覆えているかどうか確認します。浅すぎ・深すぎと感じたら手順①に戻りましょう。
着用者がこれでいいと言い張っても、シャツからお腹がはみ出ていたら、他人の目にはみっともなく映るものですよね?我々からはほぼ全裸に見える部族の間にも、着こなしやマナーというものがあるのです。
コテカ装着手順③紐を腰と睾丸の両方に通す
ご自身に最適なサイズであるのなら、根元部分に通された輪を陰嚢にひっかけ、位置を調えます。上部にも紐が通せるのでこちらは下腹部に固定しましょう。すると自然とコテカは斜めに立ち上がった恰好になります。
男性特有の雄々しさや活力を表現するものなので、ここが一番気合の入れどころです。見栄えよく、力強く隆起させるようにしましょう。
コテカを使ってるダニ族ってどんな民族?
こういった衣類を定着させてきた代表の部族、ダニ族に関して学んでみましょう。
どういった暮らしをしてきたのか、女性は何をまとっているのか、そして文明が発展した現代における彼らの立ち位置とは?日本ではよく若者の〇〇離れが話題とされますが、同じことがダニ族でも起きている?!結局人類の悩みは同じところに帰着するのかもしれません。
コテカを使うダニ族とは①基本裸族
基本的にダニ族は布地を着用しません。年間を通して高い気温を保った国であり、防寒具は不要。冬でも30度近い日がある反面、日本の猛暑日のような焼けるような日差しはないため、日よけも必要とせず、ゆえに発展がなかったものと考えられます。
ですが近年は文化輸入により、街中と変わりない恰好をする者も増えました。
コテカを使うダニ族とは②コテカはおしゃれで正装
コテカは部族内では日常的な装備ですが、同時にフォーマルウェアの役割も兼ねています。重ねて言いますがあれで着用、「服を着ている」状態なのです。
都市文化的価値観を基準にしてしまうと、この繊細な感覚が理解できないため、時にトラブルの原因にもなります。単なる裸は彼らにとっても無礼にあたりますので、ご注意を。
コテカを使うダニ族とは③女性はコテカの代わりに腰みの
女性の衣装にはコテカは使われない(使えない)ので、腰みのを使用しています。腰みのにも2種類があり、未婚女性は葉っぱだけのシンプルなものを、既婚女性は夫からのプレゼントであるという、色鮮やかな装飾が施されたものを着用します。上半身には何も身につけないのが伝統でしたが、最近はシャツを着る女性も増えました。
コテカを使うダニ族とは④若者のコテカ離れに悩む日々
いくらダニ族が秘境の部族であっても、現代社会の目覚ましい情報流通からは逃れられず、その生活も大きく変容しはじめています。
近年は観光ツアーなどにより他国との文化交流が増え、今までの暮らしや、コテカの使用を嫌がる若者が出始めました。大人たちは伝統が残せなくなると大いに頭を抱えているようです。
コテカを使うダニ族とは⑤コテカを楽器がわりにもなる
場合によってはダニ族は、コテカを楽器として使用することもあるといいます。その場合は通常よりとても大きなサイズを用意するとのこと。
シャツ、パジャマ、フォーマルスーツ、その上楽器にまでなるのですがら、その利便性の高さ驚かされます。近代にいたるまで愛用され続けていた理由が分かります。
コテカを使うダニ族とは⑥新法案で違法に!?ダニ族の危機
2008年、インドネシアでポルノ禁止法が採択されました。イスラム議員の推進によるものですが、なんとダニ族がこれに抵触するというのです。伝統と固有性と無視していると地元民からは激しく抗議されています。
文化への不寛容は不要な争いを生むものです。一方、次の記事には「着ない」というスタンスに立ち戻った人たちのお話もあります。
コテカにまつわるルールブック!
伝統衣装の着用に細かな礼儀作法があるのはどこの国も変わりがありません。ここからはコテカを使用するにあたってのマナーやタブーを勉強していきましょう。
たとえそこがパプアニューギニアでなくとも、着用するなら文化への敬意を払い、きちんと部族の礼節に倣わなくてはなりません。
コテカのルール①勃起時は使わない
装着の姿はいわゆる勃起をあらわしたものですが、本当に勃起している場合は使用しません。
これはマナー的な面より、勃起した状態の陰茎をケースでふさいでしまうと、傷ついた場合に出血が多くなる・ケースから抜けなくなっては危険だから、という理由が大きいようです。いくら雄々しい男性でもそこは繊細に扱いましょう。
コテカのルール②他人のものは使わない
コテカを誰かとシェアして使うことはしません。他人とパンツを共有しないのと同じです。これはシンプルに衛生的な問題です。
また、素材の材質が肌に合わないこともあるので無理は禁物、かゆみやかぶれなどを感じたらすぐに使用を中断し、医療機関を受診しましょう。コテカの実はウリ科なのでアレルギーを持つ方は要注意です。
コテカのルール③手入れは丁寧に
性器をおさめているわけですから、清潔さを何より重視する必要があります。使用の都度洗浄、可能な環境であればしっかり消毒して、きちんと乾燥させ雑菌の繁殖を防ぎましょう。
文化としては受け入れられるべきですが、本来、このように通気性の悪い下着で一日過ごすことはあまり推奨されることではありません。
コテカのルール④現地以外での使用は公的良俗に反してはならない
「これはこういう服なんだから、何もおかしくない!」と言い張って、街中で使用するともちろん逮捕されることもあります。その土地や場所に見合ったルール、公的な良俗に反する行いに利用してはいけません。
ただご自宅の中、一人で行うぶんには自由です。それか同志を募ってニューギニアフェスティバルを開くしかないでしょう。
コテカのルール⑤先端部の破損は丈が縮まったと解釈すること
先端の部分が破損した場合は、身丈が縮まったという解釈をすべきです。布の衣類だって使用しているうちにそうなることはあるものです。
また壊れた部分にお金を入れるなど、ちょっとしたケースとして使う地元民も多いとか。壊れてもなお使い道があるあたり、いかに生活に密着した存在であるかよくわかります。
先住民直伝!コテカの作り方講座
最近はみやげものなどで工場生産品が販売されていますが、本来は一人ひとりの特徴に合わせたオーダーメイド品です。でもそんなもの、日本で手に入れることは難しい…ニューギニアにツテもないし…。
そう考えあぐねた方にお教えしたいのが、いっそ自分で作ってみよう!という方法です。手順はいたってシンプル、ぜひチャレンジしてみましょう。
コテカの作り方①用意するもの
まずは材料を用意します。現地ではコテカの実と呼ばれるひょうたんの一種を使用しますが、入手が難しければ手近な品種で代用しましょう。
我々にとってひょうたんとは、円形が重なったダルマ型のものが連想されますが、国内で生産されているだけでもかなりの形状パターンがありますので自身に最適なものを選びましょう。
コテカの作り方②中をくり抜いて乾燥させる
ひょうたんの皮を破損しないよう注意しつつ、内部からからワタを丁寧に抜き取ります。棒状の道具を使ってもよいでしょう。適当な空洞が出来上がったところで、強度を上げるために乾燥させます。
渇きが甘いと腐らせてしまう、しかし乾かしすぎると身が割れてしまうという、ここが一番難しい工程になります。
コテカの作り方③紐をつける
うまく乾燥が終了したら、最後には固定のための紐を通します。根元の紐は陰嚢にを直にくくることになるので、細さや材質に充分注意してください。また、自分だけで楽しむのであれば、華やかな装飾をほどこしてファッションを楽しむという選択肢もあります。
これで、世界でたったひとつ、あなただけのコテカの完成です。
コテカの購入方法とは?気になるお値段はおいくらほど?
手先があまり器用でない方、やっぱり本場で作られたものじゃなくちゃイヤ!という方には、買いつけをおすすめします。
ショッピングサイトで検索すると、鮮やかな魚の絵が描かれた道具がよくヒットしますが、これは商品名が同じなだけで単なる釣り具です。購入の際はお間違えの無いようご注意ください。
コテカの購入方法①通販
一番の基本は通信販売です。大手通販サイトに定期的に入荷するほか、個人経営でパプアニューギニアの食品・グッズなどを販売しているショップもあります。
ただし日本語で記載されたサイトは限りがあります。最低限の言語理解は、商品の選択肢をぐっと広げてくれますので、翻訳アプリなどの力に頼ってみましょう。
コテカの購入方法②フリマアプリやオークションサイト
フリーマーケットやオークションでたびたび出品されています。ですがいつ商品が出るかは運しだい、出品者の設定によっては平均一万円ほどのものが、2倍3倍の値段に設定されていることもあります。納得の上で購入するなら問題ありませんが、強くおすすめしたいのは、その商品が「使用済み」か否かを確認することです…。
コテカの購入方法③現地購入
ある種、最も確実なのが、現地に行って購入するという手段です。日本からは成田空港から直行便(ポートモレスビー空港着)が運航しており、だいたい7時間未満で現地に到着します。
ダニ族のところまでいかなくとも土産物も販売されていますが、ここまで来たら観光ツアーに申し込んで村まで足を運んでみたいものです。