六本木クラブ襲撃事件とは?人違いで起こった死亡事件
平成24年9月2日深夜に、六本木のクラブで、客の男性一人が、店内に乱入してきた男の集団に金属製の棒で滅多打ちにされた事件です。
暴走族間の抗争が原因の人違い事件とされており、ト-ヨ-ボ-ル事件や海老蔵事件などと並び、関東連合が関係した著名な事件の1つと言えます。
六本木クラブ襲撃事件の恐ろしい全貌
それでは、まずこの事件の全貌を時系列的に追っていきたいと思います。
クラブ「フラワー」に突然押し掛けた男たち
9月2日午前2時40分頃、六本木のクラブ「フラワー」が入る雑居ビル東側の路地に黒と白のワンボックスカー2台が到着。3時40分ごろ、10人程の男達が金属製の棒などを持ち、半分は目出し帽をかぶり、車を降りて店に向かいました。
VIPルームで起こった悲惨な集団暴行により男性が死亡
当時、藤本さんは友人達5人と奥のVIPル-ムで酒を飲んでいましたが、犯人達はそこへ直行します。そして約1分間、ほぼ無言で藤本さんを殴り続けました。結果藤本さんは、頭蓋骨損傷による失血と脳幹部損傷により死亡しました。
当時、店内は音楽イベント開催中で、400人を超える客が居合わせていましたが、大音響の中、このVIPルームでの出来事に気が付く人はいなかったとのことです。
犯行後犯人たちは埼玉方面へ逃走
その後、犯人達は車2台に分乗し、首都高などで東大和市方面へ逃走します。さらにそこから埼玉県内へ逃走したと言われています。
六本木クラブ襲撃事件ではなぜ人違いが起こったのか
この事件は「人違い殺人事件」として有名ですが、何故そのようなことが起きたのか、事件の背景も含めて探っていきたいと思います。
元々は関東連合のメンバー金村氏を殺害した木村孔次郎への報復
不良グル-プ「新宿ジャックス」の創始者でありながら関東連合のOBで親交もあった金村剛弘が、平成20年に、所属不明グル-プから襲撃を受け撲殺される「西新宿事件」が勃発します。
関東連合は、その後、犯行の首謀者と思われていた「打越スペクター」を兄と共に率いていた木村孔次郎の行方を追うことになります。
被害者の藤本亮介は木村と風貌が似ており人違いのまま殺害
木村孔次朗の風貌は、ハーフ特有のエキゾチックで彫りの深い顔立ちと浅黒い肌であり、右足を引きずるような歩き方をしていました。このようなところが被害者の藤本さんとよく似ていたことから、人違いで殺害されたといわれています。
事件当日も、従業員からの「木村らしき人が来ている」という情報を得て襲撃に向かい、クラブ内が暗かったこともあり、よく確認しないままに殺害に及んだということのようです。
木村孔次郎が関東連合に仕掛けた罠という説も
木村兄弟の弟、木村孔次郎は、よく関東連合を壊滅させた伝説のアウトロー言われています。喧嘩が強くて豪胆な性格の兄とは対照的に、弟の方は知謀に長け、長身で容姿端麗なことからカリスマ性もあったと言われています。
復讐を誓った見立らが4年がかりでようやく木村の居所を掴んだと思えた矢先でしたが、知略に長けた木村が、全くの別人の被害者を自分の影武者に仕立て、関東連合を嵌めるべく仕組んだ罠だったのではと噂されています。
事件の主犯集団「関東連合」とは?
これまでも頻繁に「関東連合」という集団名が登場してますが、これについて一通り知っておく必要があると思います。
「半グレ」と呼ばれる新たな暴力集団の台頭
「半グレ集団」とは、暴走族などを卒業、転向した不良で構成される集団で、暴力団と暴走族の中間に位置する存在でしょう。その代表格で、六本木や西麻布を縄張りにしていたのが「関東連合」でした。元は杉並区あたりを拠点とする複数の暴走族の集合体として発足しました。
嘗て不良少年達は、成年すれば暴走族を卒業し暴力団の世界に入るのが当たり前だったのが、現在は少なく、独自の不良集団を作って活動を継続します。暴力団に魅力を感じない若者の価値観の変化も後押ししているようです。
関東連合の特長-資金力とネットワ-ク
関東連合は、ITバブルの到来に合わせ六本木や西麻布に進出し、芸能界やIT長者達との接点を持つようになりました。そして他の不良グル-プには及ばない資金力とネットワ-クを構築していきました。
最初は、芸能人やIT長者の取巻きやボディガ-ドをやっていましたが、その内、闇金融やAVプロにIT事業など自ら手掛けるようになります。まさに暴力行為に留まらず、正業も手掛ける集団に変貌していきました。
凶暴集団への変貌
ところが、見立真一が関東連合のリ-ダ-になるころから、関東連合は一気にその性格を凶暴集団へと変えていきます。このあたりは後の章で改めて説明します。
六本木クラブ事件影の首謀者?木村孔次郎とは
あの泣く子も黙る関東連合を以てしても唯一傘下に置けなかったのが、木村兄弟と言われています。中でも六本木クラブ事件の黒幕は、弟の方と噂されており、関東連合との関わりや現在の姿を解き明かしていきたいと思います。
関東連合と木村兄弟
まず大きく「関東連合VS反関東連合」という二大勢力図あり、後者の方は、金村剛弘らが創設した「新宿ジャックス」や「打越スぺクター」などの暴走族グル-プで構成されていました。木村兄弟はその「新宿ジャックス」に在籍しており、やがてそのトップに君臨するようになります。
木村兄弟と関東連合の関係が最初から険悪だったわけではありません。ところがある時、関東連合からの傘下加入勧誘を断わった頃から関係悪化し、反関東連合グル-プを自らの傘下に置きながら、関東連合との敵対関係に入っていったと言われます。
木村泰一郎とはどういう人物か?
兄は若いころ撮られた写真を見るとかなりのイケメンです。こじゃれたロン毛に日焼けした肌です。そして喧嘩はめっぽう強く、100戦100勝と噂されてました。
しかし、喧嘩は強いが、自分から喧嘩を売ることはなく、売られた喧嘩は必ず買いはするが、弱い者に対して手を出すことはない心優しい人であったようです。
木村孔次郎とはどういう人物か?
一方の弟の方は知略に長け、反関東連合グル-プの頭脳そのものの存在だったようで、都内のある種のイベントの興行権利も持っていたようです。
木村孔次郎は「六本木クラブ襲撃事件」や「西新宿事件」にも深くかかわって居た筈ですが、逮捕は愚か表面上に少しも出てきません。その切れる頭で、相手をかく乱したり自分から注意を逸らす術に長けており相当の策士だったように思われます。
金村剛弘VS木村孔次郎VS見立真一の三角関係
木村兄弟は、金村が創設した「新宿ジャックス」で育ったことを考えると、「西新宿事件」で金村撲殺の主謀者であると考えるのは、先輩に手にかけたことになるので考えにくいことです。そこにどんな事情があったのでしょうか?
実は、金村は見立と親交があり、反関東連合の一員ながら、関東連合側の面倒見役も兼ねる立場にあったようです。それに反感を持った反関東連合側の人間が、金村を裏切者として始末したという疑いが強いのです。
関東連合を解散に追い込んだ?木村兄弟のその後
六本木クラブ襲撃事件で、当時の関東連合の幹部のほとんどが逮捕されるに至り、事実上壊滅状態となりました。木村弟の描いた筋書き通りとも言われてますが、真相ははっきりしてません。
兄・木村泰一郎のその後
最近の写真もなくベ-ルに包まれているところがありますが、石元太一のブログ情報では、今ではやせ細っていてかつての面影がなく、万引きで逮捕されたという話があります。ただし、ニュース等で報道されてはおらず、真相は不明です。
弟・木村孔次郎のその後
こちらについては、2017年に大麻所持で逮捕されたというニュ-ス報道があります。兄弟揃って逮捕されたというのは、関東連合の追跡から身を隠すため意図的に収監されたのではという見方もありますが、真意は定かではありません。
伏線となった西新宿事件
ここで、「六本木クラブ襲撃事件」の原因/発端ともなった「西新宿事件」についても少し確認しておきましょう。反関東連合の幹部であった金村剛弘が集団暴行を受けた事件です。
金村剛弘とはどういう人物か?
昭和50年生まれの在日韓国人で、本名は金剛弘と言います。関東連合のOBで暴力団にも所属していましたが、事件当時は表向き、父の経営する韓国食材輸入会社の役員でした。
芸能界との幅広い交友関係
あの広末涼子の元夫の岡沢高宏とは大親友の関係です。又、宮崎あおいの元夫の高岡蒼甫は、金村さんの弟分という関係でした。
その他、彼の愛人には、同じく在日女優の西山繭子やスピードスケートの清水宏保と離婚した高垣麗子、更には歌手のフェイレイ、元ミス立教など数え上げれば枚挙に暇がない程であったと言われてます。
ボディビルダ-で最強伝説
金村さんは普段からスポーツジムに通い、肉体を鍛え上げることに余念がありませんでした。とても暴行事件の被害者になるとは想像ができないような屈強な体つきだったのです。 当時の岡沢高宏のブログの写真にも、プロのボディビルダーの如き逆三角形姿が掲載されています。
屈強な肉体のみならず、少年時代から喧嘩も負け知らずだったようで、かつて新宿界隈での伝説的なチーマーだったとも言われてます。又、地元の暴力団や不良グループとも密接な関係がありました。
事件の発端と経緯
以前より反目していた関東連合と「新宿ジャックス」を中心とする反関東連合グル-プの抗争が平成17年あたりから激化するなかで、広尾のちゃんこ屋で、金村と関東連合数名が会食をしていました。
店を出ると、反関東連合側の山口系組員と関東連合側でいがみ合いが始まり、金村が山口系組員を殴り倒します。後刻、既に反関東連合のトップに居た木村孔次郎は、関東連合・石元の同席のもと、金村に「関東連合に宣戦布告する」と電話します。
事件未解決で遺恨を残す
平成20年3月、金村が実家のある西新宿で、降車したところを数名の男達に金属の棒状のようなもので襲われます。金村は病院で死亡、この所属不明の襲撃集団は逃走しました。結局、警察は犯人を特定できず、事件は未解決のままになっています。
しかし、関東連合・見立真一は金村の遺体の前で敵討ちを誓ったと言われ、ますます両者の抗争は激化し、やがて「六本木クラブ襲撃事件」に繋がっていくことになります。
六本木クラブ事件の被害者藤本亮介は飲食店経営者
次に被害者となった「藤本亮介」という人物について少し調べると共に、様々な犯行説についても、関係者の証言を基に検証してみたいと思います。
六本木クラブ襲撃事件の被害者「藤本亮介」とは
長野県出身。埼玉栄高校ではホッケー選手としてインターハイにも出場しました。塗装関係職からキャバクラのボーイを経て、複数のキャバクラ店舗を経営するようになります。一見強面ですが、近所の住民には笑顔で挨拶をする気さくな人間との印象を与えていたようです。
当時は、渋谷区内でガールズバーと焼肉店を合わせた業態の店も併せて経営していましたが、本職はキャバクラ経営の方にあったようです。このガールズバーは「SKグループ」の1つであり、そこのNo.2という実力者でした。
本当に人違い襲撃だったのか?
六本木クラブ事件は、もっぱら関東連合による人違い襲撃事件と言われていますが、他の原因の可能性はないのでしょうか? 一応諸説の可能性も検証しておきたいと思います。
外国人犯行説
捜査関係者からは、「4年前の韓国籍男性が西新宿で集団で襲われた未解決事件に酷似している」との話も出ています。凶器に鉄パイプや金属バットが使用され、目出し帽をかぶっていた点が酷似しているとのことです。
更に藤本さん自身が、少し前に外国人グル-プと揉めて喧嘩寸前であるという発言もこの説の根拠になっています。
単純な個人的恨み説
大勢の人間が集まるクラブでは客同士の揉め事はしょっちゅうで、実際、藤本さんも少し前、土下座して謝罪させられている姿が目撃されています。
そのため、この事件は、暴力集団が絡んだものではなく、単に酔客同士の喧嘩ではないかという見方も捨て去れません。
ヤクザ黒幕説
藤本さんは経営する店の資金をヤクザに借りていたが、一向に返さないのに腹を立てて、外国人を雇ってやらせた可能性もあるとの証言もあります。
各犯行説を覆す根拠
最初の「外国人犯行説」に対しては、襲撃時同席していた客の証言「ほとんど無言での犯行であったが少し日本語が聞こえた」との証言で可能性は低くなりました。
次の「ヤクザ犯行説」については、その犯行手口から、直接犯行は考えにくく、外国人を介した間接犯行説も、先述の通り可能性が低いです。「個人的恨み説」も集団の規模の大きさや犯行現場のVIPル-ムへのすむ-ずな侵入からやはり考えにくいと思えます。
当該事件の主犯格、見立真一の生い立ちは?
ここからは、犯罪者側の主謀者と目される関東連合OBの「見立真一」の人物像にいよいよ迫ります。