忌み子とは?意味や特徴は?今も残る歴史的背景や実話もご紹介

忌み子とは根拠のない差別を受けてきた子供のことです。例えば、双子だったり、ハーフだったり、黒人の中のアルビノだったりします。理不尽な理由から不吉だと決めつけられたり、周囲からの差別で誕生を望まれなかった子供であり、迫害されてきた歴史があります。この記事では、そんな忌み子について詳しくまとめました。

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忌み子とは

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文字から連想できるように好意的な言葉ではなく周囲から受け入れてもらえなかった子どもに対して使われていました。近親相姦で産まれたてきた子どもや、普通の子どもと違いを持って産まれてきたり待ち望んで生まれてきた子供ではない子どもを現しています。この言葉には暗い歴史があり、遡ると日本書紀の記述にも記載があると言われています。

また、平安・室町・戦国・江戸の時代等にも周囲から疎まれていた子どもは存在していたなど歴史的にみて日本において古い時代から残っていた悪しき風習です。昔の言葉と捉えている人もいますが、現在でも小さい村の集落などでは風習として残っているところがあることが確認されています。

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自分が忌み子であるが故に起きた不幸なこと愛情の不足・や海外での事件、周囲からの迫害の内容や忌み子はどのように受け取られていたのかなどの歴史や境遇などについて見ていきます。

忌み子とは差別用語

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他の兄弟姉妹や周囲の子どもと比べ違う箇所がある子どもや待ち望んでいた子どもではなかったり、家族に不吉なことが起こるなど言われた子どもや存在をしられたくなく隔離した子ども等にに対し差別的な呼び方をする差別用語になります。

昔は目に見てわかるような差別があったと言われていますが、現在ではその風習は殆どありません。しかしながら実際にまだ差別的な見方をする風習も残っている地域や年代によっては未だに差別的な発言をする人もいます。

忌み子の意味①望まれない子

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まず1つ目の理由として、望まれずに産まれてきた子どもの事をいいます。両親から愛されて産まれたきた子どもでなかったり、堕胎する費用が工面できず仕方なく産んだ子どもの事を言います。望まずして産まれてきた子どものためぞんざいな扱いをされることが多いと言われています。

子どもには何の罪もなく、せっかくこの世に生を受けてきたにも関わらず、実は望まれない子として親や周囲からの愛情をもらうことができない子どもがおり、結果として虐待や放置など悪いほうに向いてしまう傾向が強いと言われています。

忌み子の意味②嫌われ者・差別を受ける子

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2つ目は、何らかの理由で周囲の人間から嫌われていたり、いじめられたりする等差別を受ける子どものことです。親が子どもに愛情を注がないが故に学校などでも周りの環境に溶け込むことができない子どもが多い事から家庭環境や育児環境が関わっている事が伺えます。

親や親族だけでなく、近所の人や周囲の人からも受け入れて貰えないことにより、孤立してしまう子どももいるとされており人間関係の構築や将来社会に出てからの協調性やコミュニケーション能力にも少なからず影響があるとされ幼少期の教育・家庭・人間関係が問題となっています。

忌み子の意味③不吉な子

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3つ目は、存在そのものがよくない子どもという意味があります。日本だけでなく世界の中でも宗教などの観点から不吉と呼ばれるものはいくつかあります。そのような中で、存在していることが禁忌であるとされる子どものことです。日本でも昔からの風習が続いている小さい集落などはでは未だに残っている地域も存在しているのは確かです。

何をもって不吉であると判断されるのかの真相は不明ではありますが、不吉であると判断されたために忌み子と呼ばれ周囲から疎まれたり蔑まれたりするなど罪のない子どもが冷遇されてしまう習慣があり、それは子どもだけに留まらず家族も周囲から冷たい視線や態度を向けられることもあったそうです。

忌み子の由来と歴史

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産まれてきた子どもには何も罪はなくこのように誕生したにも関わらず、何故望まれずに産まれてきた子どもや不吉な子ども、嫌われている子ども等、親や周囲から見て不要とされる子どもが忌み子と呼ばれ疎まれなければいけないのでしょうか?忌み子の意味や読み方の他に歴史などについて項目ごとに紹介していきます。

忌みとは禁句の意味

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忌という漢字は忌み嫌うや忌まわしという時に使用し、日本において禁忌という意味を持つ呼び名になります。忌みという言葉には清浄の忌と穢れの忌の2つの意味がありますが、穢れの忌みが出産や女性の月経のことを現しています。出産に関わることになりますので後者の意味として使われ、穢れの象徴として禁句の言葉となります。

忌み子の読み方

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たまに「いみこ」と発音をして勘違いをしている人がいますがそれは誤りで正しくは「いみご」になります。子忌みや忌子という言葉もありますが忌という漢字が使われ例ますが、子忌みは子の日(正月の初子の日)の遊びで忌子は大嘗祭ば等に奉仕している少女のことを指しています。

忌み子は歴史上存在する

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忌み子の存在というのは日本書紀でも存在していたと言われています。また実際に江戸時代には将軍家でも忌み子が存在していたと言われています。第一代江戸幕府将軍である徳川家康の次男に対する周囲の反応が彼の存在を疎ましく思っていたことを表現していたと言われています。

徳川家康の次男の秀康は実は双子だと言われており徳川家康は息子を疎ましく感じ嫌っていた為、息子は3歳の歳になるまで父親である家康と会う事を許されていなかったそうです。また、江戸時代には双子が生まれたとき母親もしくは産婆が片割れを秘かに殺害し双子であることを隠す風習があったそうです。

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また、冷遇されていたのは息子の結城秀康だけではありませんでした。母親もまた双子を産んだ為、畜生腹と言われ男児を出産したにも関わらず周囲の扱いは冷ややかなものだっとされています。江戸時代では子どもが冷たくされる等の差別されるのみならず、双子を出産した母親に対しても畜生腹などと呼び差別をしていたとの説があります。

忌み子と呼ばれた事例①双子

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現代においては双子のことを蔑む人はいませんが、以前は同じ顔が2つあるとして双子は不吉とされ疎まれる存在でした。2つ以上の目が一度に出てくることや、同じ顔がいくつもあるのは気味が悪く不吉とされ嫌う風習がありはるか昔から信じられていた迷信や双子が嫌われていた理由などについて考察していきます。

江戸時代に「前世に心中した」と信じられた

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一度に女性のお腹から2つ以上の命が誕生する双子などは、古来では不浄のものであるとされ嫌われてきました。それは、一度に複数の命をを出産することは家畜などの動物と同じであると言われていましたが、もう1つの理由として江戸時代では前世において心中をしたものの生まれ変わりと信じられていたことにより双子の子ども冷遇されていました。

かつて双子が嫌われた真相

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以前は、医療設備が十分に整っていなかったこともあり子どもの出産は命がけの行為でした。1人の出産でも命がけでしたので双子や三つ子などの複数の出産となると更に母体に危険が及び死に至ることが多かったため不吉や祟りなどと言われていました。

また、江戸時代などの世襲制による後継者問題も双子が蔑まれていた原因の1つとも言われています。後継者問題はよく取り上げられる問題になりますが通常は長兄などが後継しますが双子であるとどちらが継ぐかの問題が勃発してしまうため、双子の存在は嫌われていたと言われています。

忌み子と呼ばれた事例②黒人のアルビノ

アルビノとは、人間のみだけに存在するものではなく動物にも存在しますがこれは、肌の色などを形成するメラニンに関する遺伝情報の欠損がある為に色素が薄くなるという遺伝子疾患となります。疾患と解明されるまでは、不吉や恐ろしい存在であるとされていました。

親や兄弟は黒色の肌をしているにも関わらずこの遺伝子疾患を持ってしまうと肌の色が生まれつき白かったり(稀に成長につれて色素が薄くなることもあるそうです)、眼の色や髪の色など色素が薄くなっているため忌み子と呼ばれ差別されたり、人身売買等や殺害されることがあります。アルビノの詳しい記事については下記をご覧ください。

アルビノは神の怒りと信じられた

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現在では色素が薄くなる症状は、遺伝子による疾患であることが解明していますが、アフリカなどのように肌の色が黒色の人が多く存在している地域では肌の色など見た目が周りと違った状態で生まれてしまったのは神の怒りだと信じられていました。そのため、アルビノの子どもを殺すことで神の怒りを鎮めようとする習慣がありました。

過去のアフリカにはアルビノ狩りの事例も

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タンザニアではこの症状の発生率がが世界的にみても他の地域と比べて高い結果がでていますが、何故この国での発症率が高いのかその理由についてははっきりとはしていません。なお、この地域では肌の色などが異色であることから神秘的であるという見方がされており、その肉は幸運をもたらすとされアルビノ狩りと呼ばれアルビノの人が襲われたり殺害される事例がいくつも起こっています。

アフリカ地域など殆どの人が黒人の中で肌の色が異色で目立つ存在であるが故に狩りの犠牲となり腕を切り落とされたり、残虐な方法で殺害され頭部や内臓などを切りとられたりする等の被害が相次いでいます。そのため、アフリカ地域などではアルビノの人の寿命はどんどん低下しているとともに、本人やその家族はいつ殺されるかわからないという恐怖を常に持ちながら生活をしています。

忌み子と呼ばれた事例③集落・一族の風習(実話あり)

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近年この言葉を使う人は殆どいませんが、日本においても一部の小さな集落などではいまだに信じられています地域もあります。小さな集落故家族が昔の言い伝えなどを信じている傾向があることが原因とも言われています。昔の言い伝えや忌み子と言われた人の体験談などについて紹介していきます。

家族が昔の言い伝えを信じている

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昔からの言い伝えで、何代かに一度産まれ忌み子により末代まで祟られる。必ず雨がふる日に産まれ、親族に多くの健康的被害を与えるなどの言い伝え家族がいまだに信じており忌み子は不吉な存在であるというのが未だに根付いている地域があると言われています。

ある日突然忌み子だと告げられた体験談【実話】

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自分は忌み子であると告げられた人の体験談を紹介します。実家を離れて一人暮らしをしていた女性が突然実家に呼ばれたときに親から告げられたと体験談になります。この方のご両親は地黒でしたが、自分は色黒の両親とは正反対の色白であること自分に良いことがあると妹に不吉なことが度々起きていたなどあったそうです。

父親から自分は忌み子であると告げられた女性は、20歳になれば忌み子ではなくなると告げられたそうですが妹のことを心配している親から妹に近づかないでほしいことや実家にも帰省してほしくないことを一度に告げられたそうです。ある日突然自分は忌み子で帰る家も失ったときの喪失感は想像を絶するものでしょう。

忌み子であることが判明し婚約破棄【実話】

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続いて紹介するのも自分が忌み子であることが分かり婚約破棄となった方の体験談になります。父親が部落出身の方で母親は幼いときになくなり母親の妹夫婦のところに引き取られたそうですが、母の日にカーネーションを渡そうとしても受け取って貰えなかったや父の日に枕元に置いていた絵を破かれていたなどの過去があったそうです。

その後、恋人ができ婚約もしており結婚式の日取りなどすべて決まっていたそうですが婚約者の親に自分が忌み子であることが判明して猛反対をされたそうです。結局婚約者との結婚は破棄となってしまったそうです。自分が忌み子であるが故に大切な人と結ばれることができなかったという切ない実話になります。

忌み子と呼ばれた事例④年配からの差別

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年配の方には双子は今でも不吉と信じている人がいるため、忌み子と呼ぶ人がいます。そして双子だけではなくハーフや障がい者の人に向けても情報が乏しい時代に生きていた為、悪気はなく差別用語を使用してしまうことがあります。

ずっと触れてきていますが忌み子とは特定の人物を否定したり侮辱したりする言葉になります。見た目が自分たちとは違うというそれだけの理由で偏見に満ちている言葉を使用したり蔑むように見たり態度をとることは差別になります。

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