忌み子とは?意味や特徴は?今も残る歴史的背景や実話もご紹介

たまに「いみこ」と発音をして勘違いをしている人がいますがそれは誤りで正しくは「いみご」になります。子忌みや忌子という言葉もありますが忌という漢字が使われ例ますが、子忌みは子の日(正月の初子の日)の遊びで忌子は大嘗祭ば等に奉仕している少女のことを指しています。

忌み子は歴史上存在する

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忌み子の存在というのは日本書紀でも存在していたと言われています。また実際に江戸時代には将軍家でも忌み子が存在していたと言われています。第一代江戸幕府将軍である徳川家康の次男に対する周囲の反応が彼の存在を疎ましく思っていたことを表現していたと言われています。

徳川家康の次男の秀康は実は双子だと言われており徳川家康は息子を疎ましく感じ嫌っていた為、息子は3歳の歳になるまで父親である家康と会う事を許されていなかったそうです。また、江戸時代には双子が生まれたとき母親もしくは産婆が片割れを秘かに殺害し双子であることを隠す風習があったそうです。

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また、冷遇されていたのは息子の結城秀康だけではありませんでした。母親もまた双子を産んだ為、畜生腹と言われ男児を出産したにも関わらず周囲の扱いは冷ややかなものだっとされています。江戸時代では子どもが冷たくされる等の差別されるのみならず、双子を出産した母親に対しても畜生腹などと呼び差別をしていたとの説があります。

忌み子と呼ばれた事例①双子

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現代においては双子のことを蔑む人はいませんが、以前は同じ顔が2つあるとして双子は不吉とされ疎まれる存在でした。2つ以上の目が一度に出てくることや、同じ顔がいくつもあるのは気味が悪く不吉とされ嫌う風習がありはるか昔から信じられていた迷信や双子が嫌われていた理由などについて考察していきます。

江戸時代に「前世に心中した」と信じられた

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一度に女性のお腹から2つ以上の命が誕生する双子などは、古来では不浄のものであるとされ嫌われてきました。それは、一度に複数の命をを出産することは家畜などの動物と同じであると言われていましたが、もう1つの理由として江戸時代では前世において心中をしたものの生まれ変わりと信じられていたことにより双子の子ども冷遇されていました。

かつて双子が嫌われた真相

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以前は、医療設備が十分に整っていなかったこともあり子どもの出産は命がけの行為でした。1人の出産でも命がけでしたので双子や三つ子などの複数の出産となると更に母体に危険が及び死に至ることが多かったため不吉や祟りなどと言われていました。

また、江戸時代などの世襲制による後継者問題も双子が蔑まれていた原因の1つとも言われています。後継者問題はよく取り上げられる問題になりますが通常は長兄などが後継しますが双子であるとどちらが継ぐかの問題が勃発してしまうため、双子の存在は嫌われていたと言われています。

忌み子と呼ばれた事例②黒人のアルビノ

アルビノとは、人間のみだけに存在するものではなく動物にも存在しますがこれは、肌の色などを形成するメラニンに関する遺伝情報の欠損がある為に色素が薄くなるという遺伝子疾患となります。疾患と解明されるまでは、不吉や恐ろしい存在であるとされていました。

親や兄弟は黒色の肌をしているにも関わらずこの遺伝子疾患を持ってしまうと肌の色が生まれつき白かったり(稀に成長につれて色素が薄くなることもあるそうです)、眼の色や髪の色など色素が薄くなっているため忌み子と呼ばれ差別されたり、人身売買等や殺害されることがあります。アルビノの詳しい記事については下記をご覧ください。

アルビノは神の怒りと信じられた

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現在では色素が薄くなる症状は、遺伝子による疾患であることが解明していますが、アフリカなどのように肌の色が黒色の人が多く存在している地域では肌の色など見た目が周りと違った状態で生まれてしまったのは神の怒りだと信じられていました。そのため、アルビノの子どもを殺すことで神の怒りを鎮めようとする習慣がありました。

過去のアフリカにはアルビノ狩りの事例も

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タンザニアではこの症状の発生率がが世界的にみても他の地域と比べて高い結果がでていますが、何故この国での発症率が高いのかその理由についてははっきりとはしていません。なお、この地域では肌の色などが異色であることから神秘的であるという見方がされており、その肉は幸運をもたらすとされアルビノ狩りと呼ばれアルビノの人が襲われたり殺害される事例がいくつも起こっています。

アフリカ地域など殆どの人が黒人の中で肌の色が異色で目立つ存在であるが故に狩りの犠牲となり腕を切り落とされたり、残虐な方法で殺害され頭部や内臓などを切りとられたりする等の被害が相次いでいます。そのため、アフリカ地域などではアルビノの人の寿命はどんどん低下しているとともに、本人やその家族はいつ殺されるかわからないという恐怖を常に持ちながら生活をしています。

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