現在は国際結婚は珍しいことではありませんが、昔は殆ど国が違う者同士での結婚は行われていなかったため、どこか1か所でも日本人と違う面があれば不吉や忌まわしいとされていて年配の人からの差別的な見方が今でも存在しているのは事実です。
また、ハーフという言葉自体も半分という意味のため差別に当たると考えられていました。人に対して半分というのは不完全という捉え方がされます。国際結婚をした場合、血は半分しか受け継ぐものではなく2つの国の血を受け継ぐものになりますので、現在ではダブルという呼び方が多く使われています。
障がい者
障がい者に対しても、年配の人で偏見を持ってみている人もいます。障がいを持って生まれた子どもや家族は周囲からの蔑みにあったり、嘲笑の対象になるなどして家の没落の原因になると考えられていたと言われていました。産まれたときは、障がい者とわからなくても成長するにつれて何等かの障がいが現れた場合山などに捨てたりするなどの風習もあったそうです。
現在はバリアフリー化が進んでおり車いすの人なども過ごしやすくなっている世の中になりますが、まだまだ手助けが必要な面もあります。積極的に手を貸す年代が多い中で年配の人は遠目からみているだけや蔑むような言葉を発言する人がいます。
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忌み子と呼ばれると起こること
では、忌み子と呼ばれる子どもに起こり得ることにはどのよなことがあるのでしょうか。家庭環境や人間関係の他にも自分自身の問題等様々です。子どもに罪は1つもないにも関わらず起こってしまう問題となりますので、1人1人が意識を持って理解していきましょう。
親からの差別・ネグレクト
まずは、他兄弟姉妹とは違う明らかな差別やネグレクトなどの育児放棄になります。両親や周囲の人間が子ども産まれてきたという事実自体を無かったものと考え、放置することにより命を落としてしうこともあったそうです。命を落とすまではいかずとも他の兄弟姉妹と比べて明らかに態度を変えたり無視をしたりと存在を認めようとはしない傾向にあると言われています。
ネグレクトを受けた子どもは親や周囲の人たちからの愛情を受けることができずに成長をしていきますので、学校や職場環境において人との接し方が難しかったり、相手に愛情を注ぐことが難しかったりするなど人間関係の構築に歪みが生じると言われています。
友人・知人ができない
人間関係に関しては友達や近所の人間から避けられるという事があります。両親に限らず集落全体などから不吉や祟り等といった印象を持たれていたため嫌われる存在であり友人など人間関係を築くことができないと言われています。また、不幸持ち込まれないようにと忌み子と距離を置き、接触を避けていたそうです。
周囲の人達から距離を置かれ接触を避けられることにより、自分の存在意義を見出すことができずに孤立してしまう傾向にあります。学校などに行かせてもらえないこともあったとされ、知識や言葉の発達なども周囲と違いが出てしまうため友達ができないとも言われています。
自分自身を愛せない
両親や親族近所の人から愛されない子どもとなりますので忌み子と呼ばれる子どもは自分自身を愛することができないと言われています。それは、「自分はいらない存在」と感じてしまうため、自分を大切にする感情が持てないためリストカット等をしてしまうこともあるそうです。周りの人に受け入れて貰えないのは当然と考える傾向があります。
自分自身を愛せないことが原因で自分も人に対する愛情が持てずに周りの空気を読めなかったり、人を傷つけてしまうなど人とのコミュニケーション能力にも影響してくると言われています。
忌み子への対処
昔は忌み子であるとされた場合、親は育てることを放棄する傾向が多かったと言われています。過去には忌み子に対してどのような対処をしてきたのか想像を絶するような対処もあったとれ、忌み子が受けてきた処遇についていくつか紹介をしていきます。
忌み子への対処①殺害
双子を出産した際、産婆が片われを殺してしまうか、産んだ母親自身が殺してしまったと言われています。出産後すぐに殺してしまうのは周囲に知られると差別の対象が子どものみではなく家全体にも及ぶとされていたからになります。当然殺人は昔も処罰の対象ではありましたが、内々に行われていた事であった為咎められることはなく逆に推奨されていたこととなります。
犠牲となるのは、大体後から産まれたほうとされていました。殺害することにより跡目争いなどが起こることを避けるためとされていましたが、それは跡目争いなどによって血が流れ血族が途絶えてしまう可能性から呪われている祟りであるという考えからだとされています。
忌み子への対処②左遷
左遷とは、高い身分から低い身分に降格させられることや都心から辺境の地などに送られることを左遷と言います。ここでの忌み子への左遷の意味は後者の辺境の地へ送ることを指します。忌み子は家系においても不幸や祟りとされていた為、養子などに出す際も近くではなく遠い土地へ養子へ出すことが多かったそうです。
高い位などにある人にも、当然忌み子の誕生はありましたが高い位であるため、子供を殺すことができなかったと言われています。その場合は子どもを左遷し自身の後継者にせず、養子として手放すことが多かったと言われますが大抵左遷の対象となったのは後から産まれた弟が左遷されることが多かったと言われています。
忌み子への対処③無視・隔離
家族全体でいないもの・そもそも誕生していないものとして扱うことがありました。ネグレクトに近い状態でしたが育児を放棄された状態で長く生存できる可能性は極めて低く、殆どの子どもが命を落としてしまったと言われています。
他には、周囲に悟られないように隠して生存させていたこともあったそうです。幼い子供を殺害することに、罪悪感があったのではなく祟り等の「呪い」や「不吉」と考えられている忌み子を、殺害すると災いが降りかかることを恐れてのことであったと言われています。
忌み子を取り扱った作品
忌み子を取り扱った作品は日本だけでなく西洋風の作品もいくつかあります。ここでは忌み子を取り扱った作品をいくつか紹介していきます。
ファンタジーで登場する
日本での有名な作品としては手塚治虫さん原作の「どろろ」になります。映画化やアニメ化もされている有名な作品となります。どろろは主人公が2人います。1人の主人公は生まれる前に48の魔物への生贄とされてしまい体の48か所が欠損した状態で産まれてきたため父親に捨てられる物語です。
捨てられた後に医者によって助けられ義眼・義手・義足などを付けてもらいます。そしてもう1人の主人公どろろ出会いどろろと共に、自分の身体を奪った魔物を倒していくと奪われた部位が戻ってくるというストーリーになります。
西洋風ファンタジーにも登場する
西洋風の作品には忌み子と呼ばれた召喚士という本があります。この本はもともとはオンライン小説でしたが人気が出てきた為書籍化された本になります。西洋人でありながら、黒髪黒目で産まれてきたため忌み子として両親に捨てられてしまった子どもが精霊に拾われヴィルムと名付けられた青年が主人公の小説になります。
精霊従姉妹と共に里を守る召喚士に成長していくストーリーとなり、捨てられたしまった過去がある青年の召喚士と精霊獣姉妹が世界を揺るがしていくバトルファンタジー作品となっています。
差別は何故起きるのか!?
忌み子は人権差別に当たります。人権が無視されることはあってはいけないことであり、人はそれぞれ個性がありますので性格だけでなく見た目の特徴なども個性の1つです。見た目や昔の言い伝えなどから人と差をつけていくことは過去も現在でもあってはいけないことになります。
人の心にある予断と偏見によって差別は起る
予断とは、前もって判断することをいいます。事実を確かめなかったり周囲の意見を聞かずに自分のもつ過去の経験や知識、記憶などで判断することです。自分の考えや経験等にあう場合は好意的に受け入れることができますが、合わない場合には否定してしまうことがあります。
偏見とは、ある集団や特定の人物等に対して何の根拠もなく非友好的な態度や考え方、発言をしたりすることをいいます。一人ひとりの個性や特性を見るのではなく、否定的に見てしまうことも偏見になります。誤った予断や偏見が強いとそれは差別意識となってしまったり、世間体や昔からの迷信や風習によって差別意識が生まれ差別となってい事があります。
日本の人権問題
日本での差別問題としてまず1つ目は部落差別問題があります。部落差別とは過去の日本には身分制度が存在しており、その身分制度によって一部の人々が経済的・社会的・文化的などすべての面において低い位置のの状態におかれていた集落の人たちのことで、身分制度がなくなった現代においても差別を受けているという問題になります。
また、もう1つの問題として同和地区問題があります。同和地区とは同和対策事業の対象になった地区のことを言います。人は生まれながらに自由、平等である権利を持っていますが、同和地区においては1871年の解放令により身分制度は廃止されたにも関わらず現代でも結婚差別・就職差別などの問題が残っている状況です。他、江戸時代の身分制度に興味がある方はこちらを御覧ください。
子どもの人権問題解決へ
年配の人の中には、子どもに「権利」を教えるのは「わがままを許す」や「自己中心になる」という否定的な考えが残っていることがあります。しかし、それでは人権は人として価値や尊厳を持つ上で不可欠なものであることや、自分の権利を知ることが他人の権利を尊重することに繋がってくるこという考えを持つことが難しくなるかもしれません。
子どもが自分の「権利」について考える機会をつくることが大切であり、ありのままを認めること・一人の人間であること・個性が尊重されることが重要になります。そして、自分の意見や行動が単なるわがままなのか、もしくは権利の主張・行使なのかを見極めて判断する力は、子どもだけでなく大人にも必要なことです。
大人は「昔は~だった」や「いまどきの子どもは」などという言葉をよく口にして、子どもへ一方的に責任を押し付けたりしますが、子どもの権利条約というものが国際的に存在していますので広い視野と先入観を捨てて今の子どもと向き合うことが大人の課題と言えるでしょう。
人々が平等の世の中
先ほど触れたように、日本人は生まれながらにして自由と平等の権利を持っています。しかし、昔からの風習や先入観・固定観念が根強く残っている場合は人は周りと差をつけて冷遇してしまいます。固定観念や先入観を捨てて1人1人の個性であるという見方を持つことができると差別がなくなり人々が平等に過ごせる世の中になると言えるでしょう。
欧米で気を付けておくべきこと
近年では国際化が進み、海外に移住したり仕事をしたりする人が増えています。しかし、気をつけておかないと差別的だなどから嫌がられることがありますので注意が必要です。欧米諸国では人種・性別・年齢等あらゆる差別にとても敏感なので差別に当たる表現と差別に当たらない表現それぞれ紹介していきます。
差別と捉えられる可能性のある表現
- 年齢を尋ねる:男女関係なく避けたほうがいいと言われています。それは欧米の人は背が高かったり大人っぽい等、実年齢と見た目の年齢が違うことが多いので注意が必要です。
- 性別を尋ねる:面と向かって訪ねるケースはめったにありませんが、日本は履歴書など性別を記入する場面が多いですが、欧米では尋ねないほうがいいと言われています。会社の人事などに関することでは差別と受けとられてしまうこともありますし、日本人は特に無意識に女だからや、男だから等の発言をする場合がありますが性別による差別と捉えられることがありますので注意しましょう。
- 出身地を尋ねる:アジア人同士であれば大丈夫と言われていますが、アメリカ等は多くの民族が集まっている国になりますので過敏になる人もいます。とても気を悪くする方も多くいますので、出身地を尋ねる事も避けておいたほうがいいです。
- 肌の色:黒人・白人など大まかな見た目や、国籍で人の見方をとらえるのはタブーです。人種差別と受け取られてしまう可能性がありますので他の特徴を探すようにしましょう。肌が白い女性が綺麗と感じているのはは日本や韓国のみとなりますので、誉め言葉で肌が白いですねと言うと失礼に当たりますので言わないようにしましょう。
差別にあたらない表現
- レディファースト:女性への敬意としての行為になります。昔ながらの紳士マナーとなりますので、ドアを開けたり先に通してあげるなど上司・部下関係なく行動しましょう。女性も躊躇しては相手が困りますので素早く行動してお礼をするようにしましょう。
- 男らしい男と女らしい女:manlyは男らしい、ladies-likeは女性らいと言います。女性に関しては年齢関係なくgirlieという女の子らしいという言葉もあります。時と場合によりますし、中には気を悪くする人もいますので注意が必要ですが差別表現には当たりません。
- あの人いいよね:あの人いいよねという言葉は差別には当たらずまた男女関係なく使用できる言葉になります。会社等であまり親しくない人にも使える言葉になります。
忌み子とは理不尽な理由で迫害された子供のこと
忌み子は根拠のない理不尽な理由で迫害された子どもの事です。古い昔には不吉や呪われるという迷信だけで存在を隠したり産まれて間もない子どもの命を奪ってしまうこともありました。現代では忌み子として迫害を受けるようなことは殆どありませんが、一部の集落や年配の方などにはまだ忌み子の風習が残っているのは実際のことです。
しかし、差別用語の発言は、「知らなかった」だけで許されることではありません。差別用語を勉強して理解することは不要な争いを避け人を傷つけないためにも必要なことなのです。害のない子どもに対して望まれない子等とという不適切な発言や冷たい態度をとることは決して許されることではありません。
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