世間を賑わせた彼の人生は、本の題材となっており多くの人が目にしました。そして壮絶だった家族環境を知ると共に、子供時代の負った傷がどれほどの期間まで長引いてしまうのかが浮き彫りとなりました。
家族とは何か、貧困から招く問題を考えさせられる2作品をご紹介します。
とある記者がまとめたノンフィクションノベル
ジャーナリストが入念に9年もの月日をかけ取材をし、実際に起こっていたことを詳細に書き綴っています。彼とこの事件の一連について無知な人でも、よくわかる時系列となっており凶悪犯罪の怖さを思い知ることができる作品です。
ドラマのような内容でありますが、全て実話であり家庭環境から起こる少年犯罪の怖さと心の闇についても考えさせられます。
読んだ読者は、彼も被害者だと感じたり、彼の壮絶な生い立ちから、家庭を大切にしようと改めて実感したと思ったようです。
人気作家あさのあつこ氏も絶賛
人の精神構造について考えさせられる作品です。食べ物を買うにも住むところを確保するにもお金が必要です。お金がないということは心まで貧しくさせます。
彼だけが起こったものではなく、明日は我が身となる可能性を否めない問題です。そして困っている人がいたら手を差し伸べられる優しい社会であってほしいと今後の日本について考察する機会にもなるでしょう。
読者は、彼を被害者だと思ったようで、親がもっとしっかりして子供を育てていくことができれば事件は防げたのではないかという想いを抱いたようです。
山地悠紀夫のような事件を防ぐには?
日本は比較的安全で治安の良い国と世界では認知されています。ですが近年、毎日のように罪ない人の命が絶たれる報道を目にします。誰一人無駄な命はないものです。
山地も自分では生を受けてはいけない者だったと告げていますが、決してそうではなく初めは母のために必死で働いた姿があり母は助けられたことでしょう。
なにかの歯車が掛け違えてしまったことで悪の道に歩んでしまいました。どうしたら悲しみのない日本へ導くことができるでしょうか?彼のように貧困から起こる心の不健康を改善できる道はないのでしょうか?
孤立を防ぐ社会に
彼の場合は、誰にも劣悪な家庭環境を発覚されず育っています。少しでもおかしいなと感じたら助けの手が差し出される環境に改善できていけたら、救える命があるのかもしれません。
市町村の行政では、買い物やアルコール依存症の人を対象とした相談窓口が設置されており、無料なので気軽に話すことができます。
なかなか顔を合わせて相談しにくいナイーブな内容なので、自宅にいながら顔を見せなくても悩みを打ち明けられることは少しでも前向きな改善へと導くことができるのではないでしょうか。
彼の両親は共に依存症でした。それ故に子供であった彼の発育環境は悪かったです。人間は依存しやすい習性があります。誰がいつなるかもわかりません。対処法を見つけることで明るい未来が開けるのです。
子供から逃げられる環境
幼い子供が親からの虐待で命を落とすケースが増えています。彼のように命あっても人格異常で成長してしまうパターンもあるでしょう。
親は子供を保護し養育する義務がありますが、難しい親がいるために悲しいニュースが後を絶たないのです。
夫からの暴力から逃れるためのシェルターがあるように子供も自分の意思が発信できる年齢になったら離れられる権利があったとしたら助かる子供も増えるのではないでしょうか。
近所との関りを親密に
共働きが増えたので日中に家にいる母親は微々たる数になっている傾向があります。そのため近所の様子が把握できておらず孤立しがちです。子供の状態などもわからず暮らしていることがほとんどです。
忙しさに感けて自分たちの家族のことをやり繰りするだけで目いっぱいでしょう。でもサインは至るところに隠れているといいます。笑顔が少なくなったことや服装や髪の毛などの汚れは、パッと見ても発見しやすいでしょう。
いつ何時、自分がネグレクトをしてしまうかもしれませんし、子供が急に非行に走ってしまうかもしれません。誰にも未来は知ることができませんが、誰かと繋がりがあることや理解を示す人がいるという安心感は心の安らぎとなることでしょう。
山地悠紀夫死刑囚の貧しい生い立ちと犯した罪の大きさ
心の悲痛な思いは誰一人悟ってもらうことなく、犯してはいけない茨道に入ってしまいます。温かい家庭を夢見ていたでしょうか?
彼が実行した悪ではありますが、彼自身も被害者であり両親からの愛情を受け取り、心も健康に育つことができていたら変わっていたのかもしれないとさえ感じる社会問題であります。
貧しさは目に見えた現況の他に、心までも蝕み人を悪魔化させてしまいます。世間に衝撃を与えた山地はすでに姿ありません。
ですが今後同じような事が起こらないようにするためには、助けてと言える環境と、サポートする環境の両者を強めていくことが課題となることと思います。
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