かごめかごめとは?
特に女性が小さいころ、お友達と歌いながら遊んだのではないでしょうか。これはわらべ歌と呼ばれ古くから子供たちにより歌い継がれてきました。今回、歌詞に注目をするのですが、どうやらこの歌詞は、時代ごとに変わってきているということ、地方により違いがあること、最後に実は怖い歌詞だという噂もあります。
かごめかごめの歌詞には様々なものが
あまりにも有名なのでご存じの方が多いとは思いますが、この歌の歌詞を時代ごとや地方ごとにご紹介したいと思います。自分の知っている歌詞が一般的なものなのか、地方のものなのか気になるところです。友達の前で歌ってみたら違うよと指摘されたことはありませんか?あるという方はもしかすると地方のものなのかもしれませんね。
かごめかごめの歌詞①現在有名な歌詞
かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ?(引用:ウィキペディア)
遊び方はジャンケンをして鬼を決め、鬼は手で目を塞ぎ屈みます。他の友達はその周りを円になり手を繋ぎクルクル回りながら歌を歌います。歌い終わったら回っていた人達がその場に屈み、鬼は自分の後ろにいる人が誰なのかを当てます。当たったら鬼の後ろにいる人が次の鬼です。
かごめかごめの歌詞②地方ごとの歌詞
地方ごとに少々歌詞が異なります。どの歌詞がどの地域で歌われているかまでは分かりませんが、歌詞を並べてよく見てみると、子供たちにより歌い継がれてきたわらべ歌だからこそ、ちょっとした歌詞の違いがあるように思います。
助詞の使い方の違いや使用する漢字の違いなど、歌詞を文字として見ず、聞いて伝達していったからこその違いが出ています。「番人」という歌詞が出てきていて「晩に」を聞き間違えたかのように感じます。また、あまり聞いたことがない、山を数えるような歌詞まで出てきます。
かごめかごめの歌詞③江戸時代中期の歌詞
古い童話集に歌詞が書かれています。この童話集は江戸時代中期に作られ、これが一番古い文献だとされています。この歌詞には鶴も亀も出てきません。ただ、つるつると言う言葉は出てきます。
かごめかごめの歌詞④文献に残っている歌詞
この歌はわらべ歌なので童謡とは違い自然に歌われてきました。誰がいつ作った歌なのか、ましてや正解の歌詞などありません。だから色々な歌詞があるのです。それらの歌詞を綴った書物がいくつかあります。
俚謡集拾遺
文部省が各都道府県から集めた歌詞が紹介される俚謡集に入りきらなかったものを集めた俚謡集拾遺を発行します。その中では3つの都道府県(東京、長野県、新潟県)の歌詞を紹介しています。
他の文献
他にも数多く文献にこの歌詞が記されています。竹堂随筆には行智により書かれた歌詞が記されています。大南北全集や鶴屋南北全集には戻橋背御摂の芝居で歌われたことが記されています。
江戸時代後期の古典文学作品の月花茲友鳥で歌われたことは清元全集や日本歌謡集成に、童謡童遊集の幼稚遊昔雛形にも記されています。これらの文献にも江戸時代中期のころと似たような歌詞が多く出てきます。
かごめかごめの歌詞⑤歌舞伎の一説
四代目鶴屋南北による歌舞伎の芝居の中で子供が遊ぶ歌として使われたことが大南北全集に記されています。これは時代からすると一番古いもので、このわらべ歌の原形とも言われています。
かごめかごめの歌詞⑥江戸時代後期の童話集
作者が子供時代に遊んでいた75種類を紹介した童話集の幼稚遊昔雛形は江戸時代後期に作られました。この歌詞では「晩」のところが「まえ」に変わっています。そして「なべのそこ」の歌詞が長くなっています。
かごめかごめの歌詞⑦大正時代
文献に残っている歌詞にあった俚謡集拾遺は大正時代のものです。この時代にきて、やっと長野県の歌詞に「鶴と亀」がという現在でも出てくる歌詞が登場します。もしかすると「つるつる」から鶴を想像し、亀が出てきたのかもしれません。
かごめかごめの歌詞に隠された真実とは?①怖い・悲しい・オカルト説
子供たちが歌うわらべ歌のはずなのに、なぜか歌詞に怖いことが隠されていることがあるとテレビやネットでは諸説、噂されています。ではどんな怖いことが隠されているのか一緒に見てみましょう。
かごめかごめの怖い意味①遊女の悲哀説
時代物の映画で牢屋のような柵の中に入れられた女性たちを見たことがあると思います。遊女と呼ばれるその女性たちはお客の男性に性的サービスをする娼婦や売春婦のようなことをしていました。
柵の中で次の男性を待っていることを現わしていると言われています。この場所から出られず次から次へとお客の相手をする辛さや嘆きの歌だという悲哀説があります。
かごめかごめの怖い意味②囚人・斬首説
ここを出られるのはいつなのかと牢屋に入れられた囚人が待っている歌と言われています。そして数人がとり囲み首を斬り、斬られたその顔は後ろを向いているか正面を向いているかを問いかけている囚人・斬首説があります。
かごめかごめの怖い意味③流産・陰謀説
かごめを籠女と読み妊婦とし、お腹の中にいる子供が産まれることを心待ちにしてお参りをしに神社に行った際、階段で後ろから押されて転び流産してしまいます。その後ろから押した人はだあれ?と歌ったとされています。
その後ろから押した人は夫の母だったという話や、相続争いのため1人でも相続人を増やしたくない人が押したという話もあり、流産・陰謀説と言われています。
かごめかごめの怖い意味④奇形児説
奇形で産まれた子供を誰にも見られないように地下の牢屋のようなところに隠していました。しかしその場所から奇形児は脱走し、家族を皆殺しします。その奇形児の後ろに転がっている死体はだあれ?と歌った奇形児説があります。
かごめかごめの怖い意味⑤神託仏教の教え説
精神のことを歌ったのではないかとも言われています。体の中にある心のことを歌い、その体にある「苦」をいつ捨てれば精神だけになれるのか、自分とは何かを考えなさいという神託仏教の教え説があります。
かごめかごめの怖い意味⑥ヘブライ語で神を冒涜している説
この歌詞はヘブライ語としても読めます。「かごめ」は「カゴ・メー」という風にヘブライ語として発音します。そして全体をヘブライ語として訳すと神を冒涜する歌詞になります。
神様の掟を捨て、その箱に偶像を入れて神様を怒らせよう。そして未開拓の土地に神様の怒りを浴びせて自分たちでその土地を支配しようと歌った神を冒涜しているという説があります。
かごめかごめの怖い意味⑦口減らしの儀式・人身御供説
貧乏な生活を送る中、食料が少なく養う人数を減らさなければならなくなり、口減らしをするためにこの遊びをしたと言われています。
鬼が真ん中で目を塞ぎ、その周りを円になり手を繋ぎクルクル回り後ろにいる人を当てますが、鬼は神様からお告げを受け、その周りの人は生け贄の候補者としてクルクル回り、当たった人が生け贄になったという口減らしの儀式・人身御供説があります。
かごめかごめの怖い意味⑧死刑囚の状況を表している説
死刑囚が囲まれた処刑場で死刑執行を迎えるまでの状況を現わしている説があります。死刑場へ連れて行く監視を「後ろの正面だあれ?」と歌って指していると言われています。
かごめかごめの歌詞に隠された真実とは?②歴史の真実説
多くのテレビやネットで考察されていますが怖い噂だけではありません。歴史の真実にも関わりがあるのではという噂もあり雑誌でも考察されています。ではどんな歴史と関わりがあるのか見てみましょう。
かごめかごめの意味①徳川埋蔵金の隠し場所説
江戸幕府が密かに埋めたお宝の場所がどこか分かる歌という説があります。籠目模様に徳川家康のゆかりの神社などを線で引くと隠し場所が分かるとし、徳川家康のお墓があり鶴と亀の銅像のある日光東照宮が朝日に照らされた影が差す方向ではないかと言われています。
かごめかごめの意味②豊國廟説
豊臣秀吉が埋葬され神となった豊國廟を徳川家康が破壊した事件がありました。神となった秀吉を引きずり下ろそうとした家康は庶民と同じ墓に秀吉を埋め直すことで自分を神格化しようとしました。その豊國廟があった場所は京都の正面と呼ばれる場所です。
かごめかごめの意味③芦名埋蔵金説
会津を支配していた大名の芦名義広が伊達政宗との戦いに敗れ逃げる際、身軽になるためお宝を埋めたとされている芦名埋蔵金のことを歌っていると言われています。芦名氏は会津黒川城(現在の会津会津城)を築きます。この会津黒川城は別名、鶴ヶ城と呼ばれました。
また、会津には他に猪苗代城があり別名、亀ヶ城と呼ばれています。猪苗代氏と芦名氏は同族でした。そこで芦名埋蔵金のある場所を歌っているのではと噂されています。
かごめかごめの意味④明智光秀・南光坊天海同一人物説
歴史好きなら気になるこの俗説ですが、この俗説にこの歌も関わっているのではという説があります。天海は日光東照宮を作る際の総責任者でした。日光東照宮には鶴と亀の銅像があることは先に説明しました。さらに光秀は福井県の敦賀(つるが)と京都の亀岡を統治していたので関わりがあるとされています。
そして、光秀の出身地の岐阜に立ち、日光の方向を見た後ろは大阪府岸和田市の本徳寺になり、そこには光秀の肖像画が置いてあります。
かごめかごめの都市伝説・解釈・俗説はまだまだある!
この短いわらべ歌にこんなにも解釈があるのだろうかと思うほど、色々な説があります。昔の言葉や地方の言葉など入り交じっているようなので全体の意味が分かりづらくなっているように感じます。漢字の当て字が多く出てくるからだとも言われています。では他にどんな解釈があるのか見てみましょう。
かごめかごめの都市伝説①降霊術・口寄せ説
真ん中に人を置き周りをグルグル回ることにより真ん中の人に霊を降ろす降霊術・口寄せ説が生まれました。真ん中の人は霊の代わりに語ってくれます。これは昔、地蔵遊びというものがありそれが原形ではないかとも言われています。
かごめかごめの都市伝説②呪術説
誰かの不幸を願っている歌詞があるから呪いの歌ではないかと言われています。「鶴と亀」という幸せの象徴の言葉のあとに「すべった」というマイナスなフレーズが入っているところが誰かの不幸を願っているようだと解釈されています。
前の日の悪いことを終わらしてくれるはずの夜明けがきてもまだ悪いことが起こるということで、悪いことが続いて欲しいという意味ではないかと言われています。
かごめかごめの都市伝説③影の支配者を当てる遊戯説
人前には出てこないけれど実際は支配することができる人、または支配する人、影の支配者を当てるものではないかと言われています。「うしろの正面」というフレーズがそのイメージに合うからです。
かごめかごめの都市伝説④いじめ説
1人の屈んだ鬼を真ん中に置き、他の人が周りをグルグル回るこの遊びは、1人のいじめられっ子を真ん中に置きいじめっ子が取り囲んでいるようにも見えることからいじめ説が生まれました。いつまでも終わらない、いつまでも続くいじめを歌ったのではと言われています。
かごめかごめの都市伝説⑤身売り・人さらい説
後ろの正面になり、当たった人が身売りされたとも言われています。でもこの場合はグルグル回って安全祈願をしたのではとも言われています。昔は、子供や女性をさらって売り飛ばしたりしていた、人さらい説もあります。さらわれた後、遊女として働かされたのかもしれません。
かごめかごめの歌詞の解釈はどんなもの?
では、歌詞ひとつひとつに注目してみます。1小節ずつ区切りどのような意味があるのか見てみましょう。先にも書きましたが、漢字の当て字を入れることにより色々な解釈ができます。
かごめかごめの歌詞の解釈①かごめかごめ
かごめに「籠目」という漢字を当て字とすると編目の形が連想されます。その形は籠目紋や六芒星のシンボルとも言われていて神社などに魔除けとして刻印されています。また「籠女」とするとお腹が大きい妊婦を現わすのと、柵の中にいる遊女もこれに当たると言われています。
次に「囲め」という漢字を当て字とすると訛って「かごめ」となり、遊び方のように鬼を取り囲んでいる様子や屏で囲んだ処刑場のことも当てはまります。
次に「屈め」という漢字を当て字とすると、訛って「かごめ」となり、鬼が手で目を覆う時に屈む姿や、周りをグルグル回っていた人たちが止まって屈む姿を現わします。
かごめかごめの歌詞の解釈②かごのなかのとりは
とりに「鳥」を当て字とすると当時の風俗からニワトリと考えられことや神社の中にある鳳凰や、鳥居などに解釈することができます。
「籠の中」に注目をすると、妊婦の中の胎児のことや牢屋の中の罪人のことではないかとも言われています。
かごめかごめの歌詞の解釈③いついつでやる
「何時出会う」という漢字を当て字とすると何時出会うのか、「何時出遣る」という漢字を当て字とすると、何時送り出すかと解釈できます。
「一対」という漢字を当て字とするとふたつある意味とも考えられます。後に出てくる鶴の縁起物の一対は亀だという解釈もできます。
かごめかごめの歌詞の解釈④よあけのばんに
「夜明けの晩」という漢字を当て字とすると夜明けと晩で1日中のことや、夜中を過ぎた頃、午前4時頃だとも言われています。存在しない時間のこと、明けない夜などが考えられます。