底なし沼の実態とは?実在する沼や深さ、仕組みや脱出方法まで紹介!

底なし沼はホラーやサスペンスに登場することが多く、一度はまったら抜け出せない沼として恐れられています。そんな底なし沼ですが、世界各地に実在しており、沼の仕組みなどは既に解明されています。ここでは、実在する底なし沼やはまってしまった時の脱出方法などまとめました。

この記事をかいた人

釣りやキャンプ好きの20代です! 読みやすく、頭に入りやすい記事作成を心がけております。

そもそも「底なし沼」とは一体どんなもの?

CataleyaLifedesign / Pixabay

「底なし沼」という言葉を聞いたことはあるという人は多いでしょう。しかし、沼とはどのようなもので、成分はこのような成分で構成されており、世界のどこに沼地は存在するとすらすら答えられる人は少ないのではないでしょうか。

「底なし沼」とは本当に底のない沼ではない

MichaelGaida / Pixabay

底なし沼は意味通りに解釈すると「底がない沼」という意味になります。しかし、深海より深い沼という意味ではありません。もちろん日本にある底なし沼を潜っていけば地球の裏側のブラジルに出られるわけでもありません。

にもかかわらずそのような名前になったのは沼の構造と特徴にあります。沼には物理的な底は実際に存在していますが、水などと比較して脱出が極めて困難なため、「まるで底がないような地である」という理由から、底なし沼と呼称されるようになります。

流砂といわれる現象が起こり「底なし沼」となる

Pexels / Pixabay

底なし沼は、水が豊富で、じめじめしている場所で多くあらわれるというイメージがありますが、そのような場所だけではなく、降水量が少なく乾燥していて、なおかつ高温の環境でも危険な沼は出現します。

砂漠地帯でも、地中には水脈が通っており、底から湧き出した水分が、砂漠の砂と混じり、水と砂が混じった「流砂」を形成します。流砂はとても密度の濃い泥ですが一見すると普通の砂場に見えるため、砂漠ではとても危険な存在です。

「底なし沼」は世界中に存在している

Boenz / Pixabay

危険な沼地は、地球のあらゆる場所に出現しており、現在でも正確な数は判明していません。現れる条件が整っている場所にさえ行けば、それほど苦労せずに探し出せるほど、数多くの沼があるという点を覚えておきましょう。

液状化も底なし沼の一種

生活圏にも危険な沼があるのを知っていますか?大きな地震の際に「液状化」という言葉を聞いた人は多いでしょう。あの液状化は底なし沼と構造がとても似ているのです。地震で地盤が動くと、地中に堆積している砂の間から水分が染み出してきます。地中の振動で地面が割れると、その水が地上に噴出します。

そして水の下には大量の粘土質の泥がありますが、これはとても重く粘っこい泥になっています。このように、地震の後には街中にも底なし沼にそっくりな場所が出来てしまいます。地震の避難などで外に出る際には、液状化現象でできた沼地には十分注意してください。

「底なし沼」の由来とは?比喩表現としても使われている?

JamesDeMers / Pixabay

ここからは底なし沼の語源や、日常会話で使われる底なし沼の使われ方について紹介します。日本言語史の領域になりますが、なぜ沼には底があるのに、しかしそれでいてもなお「底なし」となったのか、その由来などを解説していきます。

「底なし沼」の由来は“一度はまると抜け出せない”から?

Nennieinszweidrei / Pixabay

語源は、もし転落するともう脱出不能という様子に由来するという説が通説となっています。辞書で「沼」と調べると、自然にできた水分を含んだじめじめした土地となっています。そのため、単に沼だけでも良いのでは?と思う人もいるかもしれません。

しかしそれにはちゃんとした理由があります。それは、沼に転落すると脱出が極めて困難という点です。これが池などであれば岸まで泳いで上がればよいため「底なし池」という呼称は不適当です。しかし沼地に関しては、落ちたら一巻の終わりというイメージからこのような呼ばれ方になったのです。

比喩表現として使われることもある「底なし沼」

darrell_eddy / Pixabay

沼そのものだけではなく、比喩表現としても用いられています。例えば「趣味にはまって物欲が底なし沼状態」といった具合に、どこまで行っても終わりが見えないといった状態を表す際に「底なし沼」といった言い回しをするようになりました。例文の場合は、終わりが見えない物欲を、沼に例えています。

「底なし沼」の深さってどれくらい?実在する沼で行われた検証

Free-Photos / Pixabay

沼は普通はとても濁っているため、底まで見渡すのは不可能です。そうなると、いったいどの程度の深さがあるのか気になる人は多いでしょう。実際にTV番組で沼の深さの実地調査を行っています。

2004年に放送された『トリビアの泉』で検証が行われ

PellissierJP / Pixabay

底なし沼の深さはどれくらい?という検証を行ったのは、「トリビアの泉」という番組です。知っていてもあまり意味がない無駄知識を全力で検証する番組で、現在は終了してしまいましたが、当時は人気を集めていた番組で、記憶に残っている人もいるのではないでしょうか。

北海道に実在する底なし沼・竜神沼の深さは約2m37cmだった

12019 / Pixabay

検証の対象となった沼は、「竜神沼」という北海道にある沼です。現地住民は、この竜神沼を神聖な存在ととらえている人も多く、検証前にお祓いも行われたほどです。今回の検証では、重さ40㎏、長さ約3mの杭に、メジャーを取り付け、空中のヘリから沼の中の泥に突き刺して、沈んだ分の長さを測定するという方法が採用されました。

調査の結果、深さは2m37㎝という結果が出ています。。れを深いと感じるか、浅いと感じるかは人それぞれですが、水分を含んだ泥はとてつもない密度と重さであり、たった1mでも人間が脱出するのはほぼ不可能といっても過言ではありません。そう考えると、2m以上というのは、這い出るのはとてつもない困難が伴うといってもよいでしょう。

龍神沼には数々の噂が存在する

bobmann / Pixabay

竜神沼には、利尻島とつながっていたという伝説以外にも興味深い逸話があります。それは龍の話です。昔僧侶が沼の周りでお経を唱えていると、突如沼の水が荒れだし、その中から龍のような見たこともない生物が現れたという話が残っています。この話は竜神沼という沼の名前の由来にもなりました。

沼の中を抜ければ利尻島へ行けるという伝説は、検証によってその可能性は限りなく低くなりましたが、突如現れたという龍の話は本当か嘘かは誰も証明できないため、現在でも有名は伝説として語り継がれています。

沼の名前が付いた書籍もある

龍神沼というタイトルのコミックも発売されています。主人公は沼で白い着物を着た少女と出会います。そしてその夜、町では「龍神まつり」という祭りが開催されますが、突如街が火災に見舞われます。住人は龍神の祟りなどと口にしますが、沼で出会った少女とはなにか関係があるのか、興味をそそられる内容です。

もし沼が途切れずに続いていたら?

Skitterphoto / Pixabay

沼に本当に底がなかったらどうなるのでしょうか。理論的に考えると、地上のある地点に穿たれた穴が途切れずに続いていた場合、そのまま地球の裏側へ出られます。距離にして地球の半径である6千キロ程度になります。

様々なハードルがある

しかし沼の穴を通って地球の裏側に出るには、様々な障壁があります。裏側に出るには地球の中心部を通る必要がありますが、地上ではただの泥だった穴も、深くなるにしたがって、温度と圧力が上昇します。地球の上部マントルから下部マントルへ移動すると、温度2000℃、120万気圧以上という未知の世界が現れます。

そして地球中心部には温度5500度という想像もつかない世界が広がっています。実際にこのエリアまで人類は到達していません。したがって本当に底がない沼ができたところで、人類が地球の中心部を通り抜けられる技術を持たない限り、あまり実用性はなさそうです。

日本各地の沼に伝わる伝説などを紹介!

NEXT 日本各地の沼に伝わる伝説などを紹介!