底なし沼から脱出する方法①荷物を捨てて体を軽くする
底なし沼に落ちると、自分の体重は上から下方向にかかります。そして体重が重いほど早く沈んでいきます。そのため万が一沼に転落したら、まずは自身の体を軽くするのが大切です。下半身は泥の中でも上半身は泥の上に出ていますから、リュックサックやバッグなど、はずせるものはすべて外します。
底なし沼から脱出する方法②体を横に倒す
底なし沼から抜け出そうとする際には、体を真上にあげようとしてしまいがちですが、人間の体は接着剤で固定されたように硬い泥の中から垂直に自分の体を持ち上げられるほどの力は持っていません。どうするかというと、全力で体を横に傾けるのです。
身体を横に倒すと、顔も泥に近くなり上半身も埋まってしまいそうですが、それまで足の裏のみにかかっていた体重が分散してかかるため、垂直に埋まっているよりも沈みにくくなるのです。この時大切な点は、決して慌てず少しずつ体を横にしていくことです。
底なし沼から脱出する方法③片足ずつを抜いていく
身体を横にしつつ、足を泥から抜く作業を行います。底なし沼からの脱出は、いかに足を泥の中から抜くかにかかっています。うまく体を横にできたら、体重が分散されて足にかかっていた圧力が小さくなるため、垂直に沈んでいた時よりも足が抜きやすくなります。
底なし沼から脱出する方法④木の枝などに掴まる
自分の筋力のみで底なし沼から脱出するのは、メジャーリーグのスラッガーであっても困難でしょう。そのため、体を横に倒す前に、自分の周囲に木の枝などがないか確認します。何か物に掴まれば、自分の体を持ち上げやすくなるためです。掴むものが見つかったら、可能であればその方向に身体を倒して、手が届くようにしましょう。
底なし沼から脱出する方法⑤上着やバッグを手掛かりにする

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もし棒やツルなど、掴むものがなくてもあきらめてはいけません。先ほど身体から外したリュックサックやバッグなどを使うのです。泥から手を出したら、リュックやバッグを地面に固定します。そしてリュックやバッグに全体重を預けて、下半身を泥から抜くのです。
リュックやバッグを地面に固定する際には、手の届く範囲に丈夫な木の棒があるとベストです。木の棒をしっかりと地面に食い込ませ、その棒にリュックの持ち手の部分をひっかけます。棒が地面にしっかりと食い込んでいれば、思い切り力をかけても、固定していたリュックが外れるリスクを減らせます。
「底なし沼」にハマった人を救出する方法・注意点
底なし沼に落ちたら、なによりもすぐにSOSです。そして一緒に同行していた人の助けを借りて一刻も早く脱出したいところですが、救助方法を間違うと、助けに来た人も沼に落ちるという最悪な展開になってしまいます。二次被害を防ぐためにも、底なし沼から人を救出する際には、正しい救助方法を守る必要があります。
手を差し伸べるのは危険!ジャケットやロープを渡す
まず最もやってはいけないのが、要救助者に手を差し出して、そのまま沼から引き抜こうとすることです。片手ではもちろんですが、両手でも沼にはまった人を引き抜くのは不可能で、助けに来た人が落ちるだけです。沼から人を引き抜くには、少なくとも自分の全体重をかける必要があります。
そこで、自分の着ている服の袖やロープを相手に掴ませます。自分はロープや袖の片側を握り、体を地面にしっかりと固定させて、転落防止措置を施します。そして全体重をかけてロープや袖を引っ張り、相手を泥から救助しましょう。
丈夫な倒木を渡すことで手がかり・足がかりに
要救助者が沼の中心部に落ちている場合などでこちらからロープなどが届かない場合は、倒木を沼に渡します。救助者には、その倒木を使って脱出してもらうのです。その際には体重をかけても折れない丈夫な倒木を選びましょう。
丈夫な木の幹の選び方
近くに運よく木の幹が転がっていても、すぐにそれを沼に投げ入れてはいけません。投げ入れる前にきちんと耐久性を精査する必要があります。一般的に、木の幹の内部が空洞であったり、叩いてみてコンコンと高い音がするようであれば幹が腐り始めている合図です。このような幹を沼に入れても、圧力がかかると簡単に折れてしまう可能性があります。
対照的に、耐久性がある木の幹は、幹に空洞ができておらず、ポロポロと木の皮が剥がれ落ちることもありません。また、色も濃い茶色で、幹内部が空洞でないため、しっかりとした重さがあります。このようにして、救助にきちんと使用できる素材かどうか判断する知識も必要になってきます。