姥捨山とは?親を山へ棄てるって本当?伝説の発祥や映画「デンデラ」も紹介!

姨捨山の伝説が事実に基づいているかは定かではありません。広まっている話の多くは、生活の苦しさから考えると全くあり得ない話とは言い難いでしょう。

現在も存在しているとは限りませんが、老老介護にもみて取れるように今の時代背景にも関係することが言えます。各地に伝わる説が必ずしも作り話でないことも言えるのが、現在の抱えている問題かもしれません。

高齢化社会が原因で介護施設が足りていない

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必ず老人ホームが空いているとは限らない現在に、特に多いのが認知症の問題です。若い世代が介護するより問題視されているのが、老老介護の問題でしょう。特別養護老人ホーム(特養)では、認知症の程度によっては介護を受けられない、または施設不足も確かだからです。

子供の数より高齢化社会が進んでいる中、避けられないのが介護の問題ですが、診断内容によっては程度が重くても施設の割合が足りていない現状があります。過疎化によって地方でも問題に、都会においても大家族が減っているのが姨捨山の背景にあるのかもしれません。

遠い地域の老人ホームに追いやられることを姨捨山と呼ぶ例も

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人里離れた地域に高齢の親などを入居させると、あまり顔を見る機会がないことが多いのではないでしょうか。離れた地域でも、老人ホームなら安心感があると言う思いから、あまり親の様子を見に行かない、しばらくすると自然に足が遠のくと言うことがあるかもしれません。

遠く離れた地域の老人ホームに入居させることは、ある意味追いやられることにも近く、現代版姨捨山と呼ぶ例もあるからです。近所の老人ホームが空いていないから、と遠くの施設に入居させることが仕方がないことでもあり悲しい現実ではないでしょうか。

南伊豆の老人ホームは立地の悪さから非難されている

南伊豆にある老人ホームは、まさに非難の対象になっています。立地の悪さから日帰りはもちろん、家族が訪れることも困難な場所にあり、いくら高齢化が進み施設がないからとは言え、厄介払いのために入居させている、困難な場所はまるで姨捨山のようだと非難が絶えません。

高齢化問題は今に始まった話ではありませんが、近年では特に子供が親の世話をすると言う形より、夫婦が支え合う老老介護の問題がクローズアップされているのです。そこには施設の問題はもちろん、介護サービスの問題も多きく関わってきていることは否めません。

「まんが日本昔ばなし」における「姥捨山」

「まんが日本昔ばなし」にも姨捨山は「うばすて山」として登場します。1976年1月10日の放送での話ですが、この話に心打たれた方も多いのではないでしょうか。

「まんが」とは言え、話に聞くだけではなく、姿を見たことで感情移入してしまうこともあるでしょう。放送された時のナレーションは市原悦子さんです。長野県地方の昔ばなしとして紹介されている話ですが、どのような話でしょうか。

内容は姨捨山伝説「枝折型」

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「まんが日本昔ばなし」では、青年が60歳を過ぎた親を山に捨てに行くも、戻ってきて親を床下に隠すと言う話です。そこへ国のお触れが出て、隣国が攻め入るのに知恵を働かせる親の話になっています。

最初は「枝折型」のように息子の身を案じているのですが、隣国が攻めいる時に知恵を働かせ解決させ、親の知恵と知った国が今度は敬うようにした姿はどこか「複合型」にも近いでしょう。長野県地方の話とはなっていますが、60歳を過ぎた年齢で姨捨山に行くと言う話は東北地方のことも指しているのかもしれません。

『うばすて山』を見た反応

「まんが日本昔ばなし」の「うばすて山」を見た方の反応は様々で、長野県には怖い話も存在するといった話もあります。または伝説が本当なら悲しいという意見や、地域によっては話が異なるなど様々です。

無事に連れ帰った話が多い、置いてきた話もあるなど様々ですが、影響が多かったことは確かでしょう。その内容を見て初めて姨捨山の話を知ったという方も中にはいます。悲しい話が含まれている一方、親を大切にしないといけないという意味も含まれていることが伺えるかもしれません。

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