アルビノ狩りとは
テレビの特番やニュース番組でも目にする事が多い、アルビノについては皆さんご存知の方もいるかと思います。他の人と比べて見た目ですぐ判断できてしまうため、狙われやすいです。アルビノのみを対象に行われる「狩り問題」についてご紹介していきます。
アルビノ狩りとはアフリカ東部で行われる蛮行
遺伝によってメラニン色素を生成する体の機能が著しく低い、もしくは欠けて生まれつき肌や毛が真っ白な人達は世界各国に生存しています。なかなかお目にかかる事ができない為、同じ人間同士でも出会った時の物珍しさを感じてしまいます。問題となっているのが、アフリカの東部で主に行われている、アルビノの人達をターゲットに捕まえ、残虐な狩りを行っているという問題です。
10年で700件
狩りで狙われて被害に合う件数は、アフリカ各国で過去10年に700件もの襲撃があったと言われています。1年で70件、1カ月でおよそ6件の割合で被害に合うアルビノの人達がいるという事になります。そのような環境の中で生きていく彼らは日々耐え難い恐怖の中で生活しています。
アルビノ狩りの目的は「薬」
狩りを行う人達は、彼らを「薬」としての役割を果たすとして狩りを行っていると言われています。昔から言い伝えられ、今でも信じられています。病にかかった際に彼らを薬として扱い、治療しているのです。
アルビノ狩りのターゲット
狩りをする人たちがターゲットとして狙っているのは生きているアルビノです。生きている状態だからこそ意味があると言われています。
アルビノ狩りのターゲットは「生きたアルビノ」
特に子供や若いアルビノは狙われやすく、いつどこで襲われるかわからない恐怖の毎日を送っています。アルビノの子を持つ親も気が気ではありません。基本的に生きているアルビノが狙われるのですが、まれに亡くなった方のお墓を掘り起こして遺体を盗んでいく狩り人もいます。
アルビノとは
冒頭でも述べている様に、遺伝子の影響でメラニン色素が正常に機能しない、欠損している状態で生まれてくることで、肌や髪の毛等が正常な人と比較して真っ白もしくは色素が薄い状態の人の事をアルビノと言います。ポルトガル語の「albo」という言葉が語源とされています。
アルビノが生まれる確率
普段私たち日本人にとっては、日常生活する上でアルビノに出会う事はなかなか少ないです。それもそのはずで、日本でのアルビノの出生率は20,000人に1人の確率と言われています。対して狩りが横行するアフリカでは1,400人に1人の割合で生まれています。その為、目にする確率も高く、狙われやすいのです。
アルビノの体は高額売買される
昔から現地で言い伝えられているのが、アルビノの人達は神聖な存在であり、「富」「幸運」「病を治療する万能薬の力」を秘めているという事です。信じている人たちからすると高いお金を払ってでもこの力を手にしたがります。
富や幸福等をお金と引き換えに神秘の力を買います。その為、高額で人身売買がなされるのです。日本人にとっての金銭感覚で例えると、年収1000万円が6憶円になる程、価値があると言われています。
アルビノ狩りでは生きたまま体を切断される
ハンターの狙いは「生きた」状態のアルビノです。生きた状態で容赦なく体を切断していきます。殺してから切断ではなく、息をしている状態で突然切断され、痛みに苦しみながら最終的に亡くなっていきます。
アルビノ狩りは集団で突然襲われる
ハンター達は突然集団でやってきます。大人数で一人のアルビノに襲い掛かり、生きたまま体を切断していきます。一度捕まってしまったら最後です。襲われるアルビノにとってはどの様な恐怖の中で捕まり、切断されるのか、恐怖心をはかり知る事はできません。
アルビノ狩りで奪われる部位
ハンター達は襲った後、どの部位を切断して売買するのか、主に奪う部位についてご紹介していきます。
目
目が悪く、目の病にかかっている人にとって、アルビノの目を薬として食べて取り入れる事で良くなると言われています。医学的に考えればあり得ない考え方ですが、現地での病を治療する為に頼られている呪術医にとっての患者の治療法として考えられています。
手足
目と同様、手足もよく奪われる部位です。手足がないアルビノの人達が出ているテレビ番組を目にする事が多いです。手足が悪い人にとって、アルビノの手足もまた万能薬として取り入れられています。
脳みそ
想像するだけでもおぞましいですが、脳みそもハンターたちは容赦なく根こそぎ奪っていきます。勝手な認識が広まっており、脳みそを取り入れる事で頭が良くなるとも言われています。
髪の毛
白い、綺麗な髪の毛を使用して漁をする際に使用する網を作る事で、大漁に恵まれると言われており、髪の毛もはぎ取られ、売買されます。目や脳みそ、髪の毛まで奪われ、勝手な迷信やジンクスを信じて人の命を奪う気持ちは誰もが理解できません。
性器
男性も女性も想像するだけで身の毛もよだちますが、アルビノ狩りに捕まってしまえば性器も切断されてしまい、高額で売買されてしまいます。小さな子供の性器でも容赦ありません。エイズが治るともいわれています。
アルビノ狩りで死に至ることも
生きた状態のアルビノを狙う為、切断する事が目的で、必要な部位を切断するだけで殺さない場合も多い、とも言われています。片腕や両腕を失っても生きている以上はまたハンターに狙われてしまいます。しかし、根こそぎ切断して殺されることももちろんあります。非衛生的なアフリカ現地での手足等の切断は感染症も含め、致命傷になります。出血多量でショック死してしまう危険性もあり、障害を負ってしまい、社会から差別的に抹殺されることもあります。
アルビノ狩りの目的①薬
冒頭でも述べてきましたが、ハンターが狩る目的は第一にアルビノが「薬」としての効果がある為です。どのように効果があるのか、現地に存在する呪術医についても含めご紹介していきます。
アルビノ狩りと呪術医
アルビノ狩りと呪術医との間の一連の流れについて、ハンターの手によって残酷に容赦なく切断した体の一部は、闇マーケットで高い金額で取引されます。ハンターは高額の金額を手にし、また次のターゲットのアルビノを狙います。高額の金額と引き換えに、体の一部は多くの悩みや病を抱える人々から信仰されている呪術師の元へ渡ります。
アルビノの体は妙薬となる
私たちの一般的な考え方からするとただ色素がない、私たちごく一般の人間と同じ体に過ぎない成分が病に効く等、到底考えられませんが、呪術医に渡った神聖なる体の一部は、特別な力がある呪術医により、病にとてもよく効く薬である「妙薬」が長きにわたって生成されているのです。
患っている部位を食べると完治する
病を患っている患者は、病にかかっている部位に効く薬を体内に取り入れる事で完治するとされているため、例えば手が骨折してしまった、や足が悪くて動かせない、という場合には、それぞれ同じ部位である、手や足を食べて治療薬とします。驚くことに完治すると言われ、現在でも呪術医が信仰されています。
アルビノ狩りの目的②お守り
日本でのお守りと言えば神社等で買うお守りです。国によっても、幸運が訪れるよつばのクローバー等、様々なお守りがあります。しかしアフリカで言う「お守り」とは、そのようなかわいいものではありません。アルビノの体がお守りなのです。薬以外に、お守りとしても効果があると言われています。
アルビノの体はお守りになる
人はそれぞれ、大事な願いや望みを抱いている時は何かしらの、例えばお守りや神頼みやジンクスを心の拠り所として願い、信じます。効果があれば、あのお守りはよく効く、と口々に噂が広まります。アルビノもいつしかお守りとして効果があると言われ、思い込から始まり今でも尚お守りの対象として狙われ続けています。例をご紹介していきます。
カヌーに塗って大漁祈願
生きる糧である食料を調達するため、例えば漁に出る船にアルビノから作り出したお守りである血等を塗りたくり、大漁を願いました。血の匂いによって魚たちが寄ってくることで大漁に繋がったとも考えられます。もしそれが本当なのであれば、アルビノでなくとも一般人でも変わりはありません。
地面に撒いて鉱脈探し
資源である鉱脈探しに出た人たちが手に持っていくのはアルビノの一部です。「鉱脈が見つかりますように・・・」と願ってそれらを地面に撒きます。ここまで偉大な力があるなんてにわかに信じがたく感じてしまいます。事実、それまで生きてきたアルビノの命をたかが鉱脈の為に使用されてしまっています。
アルビノ狩りは選挙前に増加
ハンターや議員たちが活発にアルビノを捕まえる行動に出るのは選挙前です。議員たちの「選挙に勝ちたい」という願いから、願掛けのお守りとしてアルビノの力を欲しがります。
アルビノ狩りが急増した大統領選
実際に大統領選ではアルビノ狩りが急増しました。国の政治や行く末を決める大切な選挙に勝利した大統領の背景には残酷にも同じ「人の命」を奪って得た結果であるという矛盾が生じてしまっています。
アルビノの体が高額売買
ハンターや、お金に困っている人は高額なお金を目的にアルビノを狩ります。切断した体の一部は高額で売買されるため一攫千金も夢ではありません。アルビノを1人捕まえる事で現地では一生食べて暮らす事ができる程の金額を得る事ができます。参考までに、タンザニア地域では平均年収が182ドルと言われています。アルビノの足だけでも売るだけで4000ドル、全身では7500ドルもの大金を一度で得られます。
アルビノ狩りとレイプ
アルビノ狩りがやまないのは、妙薬やお守りが目的だけではありません。エイズが完治すると信じられている為、性交する事を目的に捕まってしまいます。エイズに対する正しい知識よりも、昔から根拠ない言い伝えの方が今日まで信じられてきています。
アルビノと性交するとエイズが治るという言い伝え
私たちの考えからすると性交する事でエイズが治るという考えには至りません。むしろ相手をエイズに感染させてしまう事になります。アルビノは妙薬効果があると強く信じられている為、アルビノ女性と性交して治る、と間違った言い伝えが信じられてきています。
アフリカのエイズ感染率
間違った言い伝えを信じている為、もちろんエイズが治る事はなく、「治った」という思い込みにより性交が増え、さらに感染が広まりました。最も感染の多い地域はサハラ以南のアフリカで、2015年にはHIV感染者が2,560万人に及びました。また、世界全体で新たにHIVに感染した人々のうち、2/3はサハラ以南のアフリカ人であり、アルビノ狩りと関連しています。
レイプの危険とエイズ感染の拡大
エイズが治ると言われれば、アルビノの女性が拒もうと、自分の病気を治したい一心で無理やりでも性交します。アルビノ女性に対する性的暴行の事件も止まりません。エイズではないアルビノ女性もエイズに感染してしまう負のスパイラルに陥ります。実際にサハラ以南のアフリカ人に感染している人たちが集中しています。
アルビノ狩りに安全地帯はない
現地ではアルビノとして生まれてきた時点で、安心して暮らせる場所はありません。いつどこで襲われるかわからない状況の中で一生恐怖の中で生きていかなくてはいけません。私たち日本人にとってはこの環境は考え難いかもしれません。平和に暮らしている私たちの反対側でアルビノの人達は怯えながら生きています。
アルビノ狩りは親族でも関係ない
アルビノ狩りは他人が襲撃してくるだけではありません。肉親によって、夜中就寝時に襲われる事件も実際に起こっています。自分がアルビノとして生まれ、他人に襲われる以上に肉親が襲ってくる恐怖は、計り知れません。
アルビノの子供に安全地帯はない
実の親や見ず知らずの複数人のハンター達から子供たちは常に狙われている状況です。親も周り守ってくれる場所がなく、危険が潜んでいる日常生活を続けなくてはいけない状況になかで子供は必死に生きています。