薩摩隼人とは戦闘民族?特徴や強さ、都市伝説を検証!肥後もっこすとの違いも

薩摩隼人は、豪快で勇猛果敢なところから武にかたよった「脳筋集団」だとのイメージを持たれがちですが、実はとてもインテリジェンスな一面があります。ここでは、薩摩隼人を育てた郷中教育の中味について解説していきます。

地区単位で教育

出典:PhotoAC

薩摩隼人の子どもたちの教育は地区単位で行われていました。その教育は①地域の家に上がり込みその家の長から教育を受ける(どこで何を教わっても良い)②一か所に集まりその日教わったことを発表し合い、意見交換をするという形で行われました。この地区単位の教育でコミュ力を養い、知識の定着を図ったのです

先輩は絶対の縦社会

出典:PhotoAC

大人の世界と同様、子どもたちの世界も先輩や目上の人たちは絶対の縦社会でした。各地域には二才頭というグループリーダーがいてその下で統率されていました。あの西郷隆盛もこの二才頭で、子どもの頃から名グループリーダーとして尊敬されていたそうです。

「詮議」で身に着ける論理性

出典:PhotoAC

また、「詮議」と呼ばれるケーススタディも行われていました。この「詮議」はテキストは使わず、①先生が生徒に「こういう時どうするか?」という議論を持ちかける②それに対し生徒が論理的な解決策を導き出すという形で行われました。薩摩隼人が取引や戦術に長けていたのは、この「詮議」のおかげでもあります。

薩摩隼人と肥後もっこすの気質の違い

DeltaWorks / Pixabay

ここまで、薩摩隼人について解説してきましたが、同じ九州には「肥後もっこす」という言葉もあります。肥後もっこすとはどんな気質の人たちなのか。薩摩隼人とはどのような違いがあるのかについて解説します。

肥後もっこすの気質とは

DeltaWorks / Pixabay

肥後もっこすとは、肥後国(現在の熊本県)出身者の気質を表す言葉です。その気質は、「津軽じょっぱり」、「土佐いごっそう」とともに、日本三大頑固のひとつに数えられます。とにかく頑固で意地っ張りというのが、肥後もっこすの特徴です。

肥後もっこすは議論好き

DeltaWorks / Pixabay

肥後もっこすには、「自己顕示欲が強くたとえ間違っていても自分の意見を押し通す」、「短期で感情的」、「プライドが高く恥やメンツにこだわる」、「保守的だが新しいもの好きの一面もある」、「激しい性格だが陰険ではなく大らかで明るい」、「生真面目で純粋」など様々な特徴があり、中でも「肥後の議論倒れ」と言われるほど議論好きです。

薩摩隼人との違い

出典:PhotoAC

「頑固」「激しい」という共通点もある薩摩隼人と肥後もっこすですが、違いを表す言葉に「薩摩の大提灯、肥後の鍬形」があります。薩摩では大きな提灯(力)を持った指導者が現れた時には一丸となるが、肥後では各自が兜をかぶり大将気取りで一致団結することがないことを表しており、自己顕示欲がの強い肥後もっこすの気質を表しています。

薩摩(鹿児島)の女性

出典:PhotoAC

薩摩隼人は、薩摩(鹿児島)出身の武士、つまり男性を指す言葉ですが、一方、女性のことはどう呼ばれているのでしょうか。ここでは、薩摩(鹿児島)の女性の呼び方や気質などについて解説をしていきます。

薩摩おごじょ

出典:PhotoAC

薩摩(鹿児島)の女性のことは、「薩摩おごじょ」と呼びます。

さて、少し話がそれましたがこの「薩摩おごじょ」。気立てが良い、やさしい、芯が通ったしっかり者という気質で知られています。明治維新では薩摩隼人が大活躍しましたが、それを陰から支えたのは多くの「薩摩おごじょ」たちだったのです。

天璋院篤姫

出典:PhotoAC

2008年のNHK大河ドラマの主人公だった天璋院篤姫は、薩摩おごじょの代表例ともいえる人物です。1856年に薩摩の島津家から13代将軍徳川家定の正室として輿入れし、家定の死後も望郷の念を抑えて江戸に残り最後まで徳川家のために尽力しました。西郷隆盛に江戸城総攻撃を思いとどまるよう手紙を書いたのは有名な話です。

薩摩隼人が登場する漫画・アニメ

出典:PhotoAC

ここでは、薩摩隼人が登場する漫画・アニメを紹介します。これらの漫画・アニメにより多くの人に勇猛果敢、豪快、傍若無人、破天荒といった強烈な薩摩隼人のイメージが植え付けられたといっても過言ではありません。

NEXT 薩摩隼人が登場する漫画・アニメ①ドリフターズ