バッキー事件とは?栗山龍や被害者たちの現在!卑劣な撮影内容や手口とは

サモハンチンポーこと神谷聡一は、当時37歳の男優です。肥満体型で、腹部に手術痕があり、壊疽により指を一本欠損しているのが特徴。一部の作品では、撮影役も務めていたとのことです。関西出身の元チンピラで、作品内では強姦や暴力に加わるほか、女優に罵声を浴びせたり脅したりする役にも回っていました。

強制飲酒の撮影においては、ジャニーズ光太郎と代わる代わる女優に暴行を加えている姿が、ビデオに映されています。逮捕されてしばらくはしおらしくしていたそうですが、その後は終始ふてぶてしい態度を崩さず、裁判における心象も非常に悪いものだったとのことです。

バッキー事件の犯人⑧女優・きえねぇ(中原紀恵)

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きえねぇは事件当時33歳だったAV女優です。本名は中原紀恵で、以前はバッキーの広報を担当していました。真偽のほどは定かではありませんが、夫が黒人であると自称していたそうです。

バッキーの作品には被害者の女性を虐待する役に回っていた女優が2人出演しており、「お仕置きシスターズ」と呼ばれていましたが、彼女はそのうちの一人で「黒デブ」とも呼ばれていました。公判中、撮影に参加した動機について、「お金がなかったため」と語っています。

バッキー事件の犯人⑨女優・ようこ(大村恵美)

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ようここと大村恵美は、「お仕置きシスターズ」として出演したもう一人の女優で「白デブ」とも呼ばれていました。逮捕時の年齢は23歳です。AV女優になる前は風俗嬢をしており、それ以前には恐喝などの容疑で少年院に入っていた過去があります。

さも楽し気に女性をいじめる様子が、ビデオに残されていましたが、裁判に際しては「自分は途中までしか参加していない」と釈明したり、被害者に示談金を提示したりと、減刑に必死だったようです。

バッキー事件の犯人⑩バッキーが募った素人男優たち

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バッキービジュアルプランニングは同社の製品を購入した男性の中から、AVの撮影に参加してみたいという希望者を募って「監禁友の会」という名のグループを作っています。その人数は、100名近く集まった作品もあり、この会への参加を契機に、監督やスタッフになったという人物もいました。彼らも、撮影上で行われた集団レイプの加害者です。

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貴男も、一人の女性が、人格と、子宮をつぶされていく光景を目撃しませんか? 否、その鬼畜な行為に参加しませんか?(出典:「監禁友の会」とは何か? – バキノート)

これは「監禁友の会」のメンバー募集時に用いられた文言ですが、恐ろしいことに、実際の撮影現場では、この言葉通りの所業が行われていたのです。被害者女性たちは、「監禁友の会」へ参加した人間に対する処罰も求めています。しかし残念ながら、彼らが刑事罰の対象になることはありませんでした。

バッキー事件はなぜ起きた?卑劣な手口とは

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バッキービジュアルプランニングによる一連の違法撮影によって、数多くの女性が被害を受けています。その中には、普段アダルトビデオには出演しないモデルや一般の女性も含まれていました。彼女たちはなぜ、どのようにして、この滅茶苦茶な撮影に参加させられたのでしょうか。そこには制作スタッフによる非道卑劣な手口があったのです。

バッキー事件の手口①被害者はスカウト・勧誘された

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彼らは街を歩いている女性を捕まえて、「モデルをしてみない?」などと、嘘の口実で事務所に誘い込み、言葉巧みに出演契約を結ばせるのです。その後、恫喝や脅迫を用いて、強制的にアダルトビデオの撮影に参加させます。スカウトして首を縦に振るや否や、拉致同然にロケバスで連れ去り、有無を言わさず撮影に入るということもあったとそうです。

女優やモデルの事務所との癒着も取り沙汰されました。仕事がもらえなくなった所属タレントが、売られるようにバッキーのアダルトビデオに出演させらていたとのことです。事務所側はその撮影内容がどんなに酷なものか知っていましたが、送り出す女優たちには、あえてそのことを黙っていたといいます。

バッキー事件の手口②撮影を拒めば裸の写真で脅迫

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撮影を拒む女性を、強制的に出演させる手段も用意されていました。まず、本番に入る前に、刺青がないかのチェックだとして女性の裸を撮影するのです。そうしたうえで、出演を強要します。断ればたった今撮影した、裸の画像をばら撒くと脅すという手口です。

グラビアモデルになれると思って、バッキーの誘いに乗った一般女性たちは、このようにして悲惨な撮影に参加させられました。他にも、モデルの仕事だと騙し、AVへの出演に同意する契約書にサインさせ、撮影を断ったら「莫大な違約金が発生する」「親に請求する」などと脅迫するという方法も常套手段でした。

バッキー事件の手口③社長・栗山龍も撮影に参加

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栗山龍は制作会社の経営者であるにもかかわらず、自ら現場に同席し、撮影に参加していました。「女性の人格を壊してやろう」このように豪語する本人の声が、動画の中に残されています。暴力的な撮影が、彼の指示のもと行われていたのは明白です。また、その異常な人間性が、発露した瞬間とも言えるでしょう。

バッキー事件の裁判の判決と加害者たちのその後は?

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業界内では「女優殺し」などと悪名を轟かせてていたバッキービジュアルプランニングの非道は、一人の女優の被害届により、ようやく表沙汰となりました。代表の栗山を含む関係者たちは、その時一度逮捕されています。ところが、起訴には至らず、釈放されてしまったのです。

しかし、警察もこのまま黙っては引き下がりませんでした。明らかな違法行為と人権侵害が行われているにもかかわらず、刑事事件化できないとあっては、司法権力のメンツも丸つぶれです。バッキーを摘発するために、本腰を入れた捜査が開始されます。その成果あって、バッキー関係者たちは法の裁きを受けるという結末を迎えたのです。

加害者たちが逮捕されたが証拠不十分で釈放

2004年6月、一人のAV女優がバッキーの作る本物の猟奇ビデオ撮影に巻き込まれ、凌辱の限りを尽くされたうえに、直腸穿孔や肛門裂傷という命に係わる傷害を負いました。全治4ヶ月にも及び、それ以降、人工肛門の装着を余儀なくされるという深刻な被害です。

彼女の被害届を受けて警察は捜査を開始。同年12月16日、栗山龍と撮影関係者ら併せて8人が身柄を拘束されたます。ところが、この時は犯行の証拠が十分には揃わず、彼らは処分保留のうえ釈放されるという口惜しい展開を迎えます。

これまでの事件の被害者からの被害届で再逮捕

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しかし、この会社の悪行は、警察側としてもさすがに見過ごせないものでした。池袋署の組織犯罪対策部は、本腰を挙げてバッキーの摘発に向かいます。捜査関係者は、これまでにバッキーのアダルトビデオに出演させられた女性たちとコンタクトを取りました。

彼女たちのほとんどは、自分がアダルトビデオに出演したことを世間に知られたくない一般女性や、業界内や事務所内での立ち位置を危なくしたくない女優たちです。そのため明らかな被害を受けつつも、法に訴えることなく泣き寝入りしてきたという実態があります。

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警察はそんな女性たちを説得し、数多くの被害届を提出させ、問題を刑事事件化させたのです。その甲斐あって、2005年3月に、撮影スタッフらは再度逮捕されます。彼らに責任をなすりつけていた栗山も、2006年2月にはお縄になり、ようやく起訴にこぎつけることに成功したのです。

社長の栗山は実刑判決・現在も服役中

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強姦致傷の容疑を問われた栗山龍の初公判は、2007年10月5日に東京地裁で執り行われました。逮捕期間中、栗山は全く反省の色を見せず、一貫して現場の責任であると言い張っていました。そんな被告人の態度に情状酌量の余地はないとして、検察側は懲役20年を求刑。それを聞いた栗山は、薄ら笑いすら見せていたとのことです。

三好幹夫裁判長は栗山が事件の首謀者であることを認め「女性の人格を無視した犯行は卑劣極まる」と断じました。しかし、一審での判決は、休憩より2年短い懲役18年の実刑というものです。その後東京高裁で開かれた二審で控訴棄却の判決となり、2008年7月10日、被告の刑は確定しました。

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長野刑務所に収監された栗山ですが、その服役中の態度からは、依然として反省の色を見ることはできません。他の受刑者に自分のしでかしてきたことを自慢したり、縛りプレイの技術を披露したり、眉毛をカミソリで剃るなどの不正行為を繰り返したりしているとのことです。

そんな彼が2025年には刑期を終え、再び社会に放たれるということに対しては、危機感を覚えざるを得ません。日本の司法の問題点が垣間見える状況だと言えるでしょう。

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