バッキー事件とは?栗山龍や被害者たちの現在!卑劣な撮影内容や手口とは

しかも、その手口はバッキー事件で用いられたものと変わりません。街を歩く女性を「モデルになってみない?」などと仕事内容を偽ってスカウトし、契約書にサインさせます。女性には、撮影直前までアダルトビデオだとは知らされないのです。そして断れば、法外な違約金を要求されるため、女性は泣く泣く出演を余儀なくさせるのです。

バッキー事件の対象になった動画も見れてしまう

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バッキー事件において問題になった作品である、『問答無用・強制子宮破壊』と『水地獄・一丁目』は、現在も販売されているのみならず、インターネットで検索すれば、動画としてアップロードされているサイトを見つけることができます。

まさに有害ビデオというべきおぞましい映像が誰でも見れてしまうという問題もさることながら、被害者の気持ちを考えると、悲惨な状況であると言わざるを得ません。

バッキー事件に影響を受けた?山口県女子学生殺人事件とは

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バッキーが制作したアダルトビデオは、本物の強姦や暴力行為が撮影された、犯罪映像です。にもかかわらず、それらは普通のアダルトビデオ同様に販売され、多くの人間が視聴することになりました。それゆえに、そのビデオを見た人間への影響も、心配されるところです。

実際に、バッキーのビデオに触発されて、犯罪が引き起こされた可能性があるという事例があります。それが「山口県女子学生殺人事件」です。

山口県女子学生殺人事件の概要

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2006年8月28日、山口県周南市で20歳の女子学生が殺害されました。遺体が見つかった場所は、彼女が通う国立徳山工業高等専門学校の研究室です。凌辱されたうえに、荷造り用のビニールひもで、首を絞められた状態だったと言われています。

彼女が抵抗した際に爪に付着したとみられる血液、そして衣服に残されていた髪の毛のDNAを鑑定した結果、被害者と同じ研究室に所属する、19歳の男子学生が容疑者とされました。

犯人は自殺

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この犯人とみられる男子学生は、所有する原付バイクごと、行方をくらませていました。山口県警は9月1日に、彼を全国に指名手配します。そして捜索の結果、9月7日に学校にほど近い山林の中で、死亡した容疑者を発見するのです。彼は木にロープをかけ、首つり自殺をしており、遺体の一部は白骨化していました。

少年は大量のレイプものDVDを所持していた

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犯人と考えられる少年の自宅を捜索すると、そこには大量のアダルトビデオが保管されており、そのほとんどがレイプものだったとのことです。特に、バッキー制作の作品に関しては、ほぼ全てが揃えれれていたとのことで、それらに触発されて犯行に及んだものと考えられています。

山口県で起こった事件としては、以下の記事で取り上げている「山口母親殺害事件」もあります。

バッキー事件の類似事件

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バッキー事件が、AV業界内で頻発する事件の一例に過ぎないということは、再三触れているとおりです。時代錯誤とも言える業界の闇、看過できない事件の数々を紹介します。いずれについても被害者が女性である点も、注目に値すると言えるでしょう。

妊娠モノに出演し死亡した石野容子という女性がいる

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石野容子は主に妊娠モノに出演していたAV女優です。2009年2月12日、その日も妊娠中でありながら、性行為を伴う撮影に参加していた彼女は、その中で突然体調不良を訴え意識不明に陥ったと言われています。

救急隊が到着した時には心肺停止の状態になっており、病院で死亡が確認されました。遺体には目立った外傷がなかったため、警察は事件性はないと判断しています。

AV女優たちの自殺事件

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心身ともに酷使され、人権が軽んじられる危険性もあるAV女優という職業は、自殺のリスクと隣り合わせと言うこともできるでしょう。例えば、2009年にアイドルからAV女優に転身したAYAこと牧野田あやは、その一年後に自宅マンションから飛び降り死亡しました。彼女はジャニーズタレントとの間にトラブルを抱えていたとみられています。

元グラビアアイドルの麻生美由樹も、自殺したAV女優として知られています。複数の有名お笑い芸人と、肉体関係があると暴露した彼女は、ネットでバッシングを受けていました。そんな中2008年に、彼女を中傷する掲示板に「死にます」と書き残し、硫化水素を使って自殺したのです。

狂気のスナッフビデオ『肉だるま』の女優が自殺

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スナッフビデオとは、殺人や暴力などの猟奇的な行為が行われている様子を撮影した映像のことで、バッキーの作品もこのジャンルに含まれるという見方もあります。『肉だるま』というタイトルの成人指定ビデオは、1999年に発売されたスナッフ系のAV作品で、女性がシシを切断される様子が映されています。

ただし、このビデオで行われている暴力行為は演出であり、特殊メイクで手足が切断されているように見せているにすぎません。ところが、この『肉だるま』は、出演した女優が後に踏切に飛び出して自殺し、本当にバラバラ死体となってしまったことで、注目を集めることとなりました。バッキー事件と並ぶ、業界の恐ろしい事件として語られています。

事件に巻き込まれて殺害された女優もいる

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裏社会との関わりも色濃いと言われるAV業界ですが、そのためか女優が殺人事件の被害者となるケースもあります。ロリ系として人気の女優だった桃井望は、2002年に炎上した自動車内から焼死体となって発見されました。男性の遺体と一緒だったために、当初は無理心中を疑われていましたが、状況証拠から他殺の可能性が高いとされています。

ストリッパーとしても活躍していた里中まりあは、1999年に大阪市のホテルで銃殺されています。逮捕されたのは暴力団の組員でした。警察の調べに対し、「口論をしていたら、銃が暴発した」と供述していますが、銃弾は顔面を打ち抜いていたとのことで、殺意は明らかだとされています。

マークスジャパンでも同様の事件があった

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バッキー事件と同様、嫌がる女性に対してAV出演を強制したという問題が2016年に再び表沙汰となりました。糾弾されたのは業界大手のAVプロダクションである「マークスジャパン」です。元社長ら3人が、労働者派遣法違反で逮捕されました。

被害にあった女性は、グラビアモデルとしての契約だと言われながら、AVへの出演契約を結ばされました。契約書にサインする際は、しっかりと内容確認をさせてもらえず、写真を撮ることも許されなかったといいます。そして撮影を拒むと、「サインしただろ」「違約金を払え」などと脅されながら軟禁状態にされ、撮影を強制されたとのことです。

女子高生を狙った出演強要も!

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2017年5月には、48歳の男が職安法違反容疑で大阪府警に逮捕されています。この男は、自らが運営する「Moe Moe Style」と題したモデル募集サイトで、コスプレモデルだと偽って女子高生を募りました。

そして、面接に来た少女たちのヘアメイクをし、学生証や免許証とともに写真を撮ります。そうしたうえで、AVの出演契約書を突き付けて、「断れば弁護士に言う」「ヘアメイク代を返してもらう」などと脅迫したとのことです。

バッキー事件は風化させてはいけない衝撃的な暴力事件

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バッキー事件は多くの加害者の手によって、多くの被害者が生まれた、悲惨な事件です。犯人たちは、女性をまるで人間扱いせず、辱め、痛めつけた挙句、心身に深刻な後遺症を与えました。そのうえ、被害者が訴えの声を上げられないことをいいことに、犯行を繰り返し、その様子を撮影した映像を「芸術」と宣って、販売しいたのです。

被害者の勇気と警察の活躍により、この鬼畜AV業者には法の裁きが下されました。しかし残念なことに、それで業界の闇が一掃されたわけではありません。違法業者は名前を変えて存続しましたし、AVに関わる事件や不祥事は今なお発生し、多くの女性が被害に会い続けているのが現状なのです。

バッキー事件から10年以上が経過した現在ではありますが、決して過去の事件と切り捨てず、今なお未解決の問題として、見直す必要があるのではないでしょうか。

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