この腱間結合のせいで薬指の腱が曲がる方向に引っ張られるため、「中指と小指を曲げたまま薬指を立てる」という動作は難しいものとなっています。脳や神経の仕組みが詳しく研究される前にピアニストやギタリストを志望していた人の中には腱間結合を切断して動きやすくしていた人もいるようです。
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ぐわしを会得する方法
手の構造上作るのが難しいサインですが、どうしてもやってみたい、という人はどういう練習をすればいいのでしょうか。また、このサインの練習をすることが以外にも健康につながる可能性も見出されてきました。
お茶の間で医療に関する番組を視聴したことがある人は納得してしまうような、医学的な根拠に基づいた健康につながる理由とは一体なんだったのでしょうか。
ぐわしの会得は忍者修行が近道?!
指サインのために特定の指を曲げることが難しいという話をしましたが、訓練を積めば小指だけを曲げたり第一関節だけを曲げたりと、身体の動きそのものを自在にコントロールできてしまうようです。
中でも忍者として有名な甲賀流の21代目宗家の川上仁一氏は、忍者修行の一環としてこのコントロールを身に着ける修行を行っていたようです。綺麗に「ぐわし」をやりたい方は忍者の修行を是非。
ぐわしの練習は脳の活性化に役立つかも
脳医学の分野から見ると、大脳に存在している大脳皮質という神経細胞の群体は手や口などが大きい分野を占めています。つまり、手を細かく動かすことは脳の活性化へと繋がるのです。手の指を複雑に動かす「ぐわし」の練習も例外ではありません。
先程、腱間結合を切断してまで動きやすさを体得しようとした人がいたと述べましたが、現在の医学ではピアノやギターの上達のために腱間結合を切断する、というのはほぼ意味がなかったという結果が出ています。地道に指を動かし、鍛える事こそ「ぐわし」体得の近道なのです。
ぐわしに似ている?「サバラ」とは?
「まことちゃん」の作中には、「ぐわし」ともう一つ有名な指サインが登場します。それが「サバラ」です。「ぐわし」に似てるサインですが、こちらはどのような意味を持つのでしょうか。
楳図氏の仕事場で起こった「ある間違い」から始まった、楳図氏のネタの開発秘話を明らかにしていきましょう。
サバラはまことちゃんのぐわしに似たポーズ
「サバラ」の指サインは「中指と薬指を曲げる」というサインです。これを相手に向けて「サバラ!」と言い放ちます。ちなみにですがこちらもグワシハンドと同じように「サバラハンド」という紙でできたものもあります。
このサインは「ぐわし」と比較すると立てる指が人差し指と小指なので難易度自体はそこまで高くはありません。実在するミュージシャンも良く使うサインで、このことが近年ちょっとした事件を引き起こすのですがそれは後で詳しく紹介します。
ぐわしにそっくりなサバラは「さらば」を言い間違えたのが由来
この「サバラ」という指サインですが、由来は言い間違いから来ています。作者の楳図かずお氏の仕事場に来た子供が、帰るときにさようならを意味する「さらば」と言おうとしたのを「さばら」と間違えてしまったのを楳図氏が拾い、作中のネタにしてしまいました。
過去に「MUSIC STATION」という番組で司会を務めるタモリ氏がゲストとして呼ばれた星野源氏を間違えて「星野源太」と紹介してしまい、星野源太がTwitterのトレンド入りしてしまったことがあります。言い間違いであっても面白いと感じることがあるのは人間の性なのかもしれません。
ぐわしは色々なグッズになっている?!
人気が出ている作品の様々なグッズが制作される、というのはもはやお約束のようなものです。当然「まことちゃん」のグッズも販売されていて、「ぐわし」に関連したグッズもいくつか存在しています。
ファンなら好きな作品のアイテムを手元に持っておきたいものです。SNSに投稿して同じ趣味の仲間を探す、というのも今では珍しくない光景となっています。
ぐわしのグッズ①
グッズと言えばまず思い浮かべる人も多いであろう、アニメや漫画のキャラクターのプリントされた服です。当然まことちゃんのグッズにも存在していて指サインを強調して印刷されたTシャツだけでなく、まことちゃんが印刷されたタイプのシャツもあります。
楳図氏が好んで着ている赤の白のストライプ柄のシャツもオフィシャルグッズとして存在しています。恐れ多いかもしれませんが、このTシャツを着て楳図氏になりきり指サインを決める、というのもファンの楽しみ方の一つでしょう。
ぐわしのグッズ②
もちろんグッズはTシャツだけではありません。ネックレスや扇子、ミサンガ風のブレスもあります。キャラクターグッズということで多少お高いですが、ファンの方にとってはお金を出すだけの価値のあるものなのではないでしょうか。
楳図氏のオフィシャルグッズサイトでは自身の作品をモデルにした衣類をカジュアルに着こなす楳図氏を見ることができます。サービス精神旺盛な楳図氏らしい演出で、ファンの方は必見です。
ぐわしのグッズ③
グッズというわけではありませんが、「コルナ」という「中指と薬指を親指で抑えている状態」の手を表した絵文字もあります。しかし、これはどちらかといえば「ぐわし」ではなく「サバラ」に近いです。
公式のLINEスタンプも存在しています。こちらは「ぐわし」だけでなく楳図氏の作品の有名なコマがアニメーションとボイスがついて販売されています。ファンなら是非とも買って友人に送ってみたいアイテムです。
ぐわしのまことちゃんの作者・楳図かずおとは?
ではここでいよいよ「まことちゃん」の生みの親である漫画家の楳図かずお氏について解説していきたいと思います。「まことちゃん」以外の作品や、作者の現在等、様々な事柄に目を向けていきます。
日本の漫画界のだけでなく、映画・アニメをはじめとする様々な創作物に影響を与え、今なおファンを増やし続ける楳図氏のことを見ていきましょう。
ぐわしの生みの親はホラー漫画の第一人者
楳図かずお氏はホラー漫画の第一人者として広く知られています。楳図氏は1961年に「口が耳までさける時」という作品で「恐怖マンガ」とこれを名付けます。第一人者として幅広く知られるようになったのは1966年にあの「ウルトラマン」のコミカライズを手掛けた時です。
勧善懲悪物として名高い特撮の金字塔作品ですが、楳図氏の作品としての特色が非常に強く出ており、最初は少年漫画のノリでしたが次第にホラー調に変わっていき、バルタン星人編やドドンゴ編は完全にホラーとして、トラウマを植え付けられた人も多いようです。
代表作には「漂流教室」「わたしは真悟」など
楳図氏の作品の中で有名なものには「漂流教室」や「わたしは真悟」等があります。それぞれ簡単にですが解説していきます。
漂流教室
楳図氏の作品の中でも特に有名です。公害で荒廃してしまった未来の世界に校舎ごと小学校がタイムスリップしてしまう、というSF作品でドラマ化や映画化もされています。楳図氏得意のホラーテイストな作品で、異形の生物や学校内での殺し合い等の生存競争を描いています。
わたしは真悟
楳図氏が恐怖テイストを抑えて描いたという意欲作で、長編のSF作品となります。二人の子供と出会い自我に目覚めたロボットが旅に出る、という作品でラジオドラマ化やミュージカル化され、他の作家にも影響を与えたりしています。また、「遺産賞」の受賞も果たしています。
奇抜な「まことちゃんハウス」も有名
赤と白のストライプという凄まじいデザインの「まことちゃんハウス」も有名です。これは吉祥寺にある楳図氏の自宅で、2007年の改築工事で誕生しました。楳図氏にとって赤と白のストライプは自身のラッキーカラーのようです。
まことちゃんハウス訴訟問題
しかしこのまことちゃんハウス、改築したはいいものの近隣住民から「景観を損ねる」ということで訴えられ、裁判になってしまいました。裁判の結果は「景観を乱すとは認められない」として楳図氏の勝利となりました。
そんな楳図氏は現在執筆活動を停止しています。長年の執筆により腱鞘炎が悪化したことと、自身が漫画を連載していた少年サンデーの編集者の傲慢な態度に辟易したという理由です。2013年には慢性硬膜下血腫で手術を受けたこともわかっています。
ぐわしの生みの親、楳図かずおは著名人にもファンが多い
楳図氏の作品はその独特の作風から数多の人を虜にしてきました。ファンの中には著名なクリエイターや芸能人の方もいます。皆さんがお茶の間でご存知の方も、実は楳図作品のファンかもしれません。
ぐわしの生みの親の楳図を神とあがめる人も
実際にはどんな方々が楳図氏のファンなのでしょうか。老若男女問わず様々な世代のファンに愛されている楳図氏ですが、中には尊敬のあまり楳図氏を「神」として崇め奉る方もいます。有名な作家や芸能人の方に注目して紹介していきます。
ミステリー作家・綾辻行人
「Another」や「奇面館の住人」などの作品でミステリー作家として知られる綾辻氏は、楳図氏を「我が心の師」「神」と崇めており、楳図作品の「わたしは真悟」は一行目から涙無しには読めないほどだと語っています。
芸能人・中川翔子
芸能人の中でも、漫画やアニメに対する見識が深いことで有名な中川氏ですが、バラエティ番組の「ダウンタウンDX」で楳図氏と共演した時に、楳図氏を「神のような存在」と評しています。
ぐわしカットとは?あのガクトが発表したヘアスタイル!
あのミュージシャンとして有名なガクト氏が、自分のヘアスタイルをまことちゃんと同じにして、その時の写真をTwitterに投稿したことがあります。この時のヘアスタイルを彼は「ぐわしカット」と名付けました。
しかし、どうやら狙って「ぐわしカット」にしたわけではなく、自分で髪を切ろうとして失敗した末になってしまったようです。ガクト氏はTwitterで「心のダメージが大きいからやめたほうがいい」と心情を吐露していました。
ぐわしが海外で商標登録?
商標登録とは、簡単に言えば「商品やサービスを自分のものとして他人と区別するための設定」ですが、なんとアメリカのとあるバンドグループが「ぐわし」の指サインを商標登録しようとしたことがあり、一時期話題となりました。
人間の手で形どることができる指サインを自分のものにしてしまう、そんなことがあっていいのでしょうか。当時の様子やアメリカの対応を見ていきます。
ぐわしの商標登録をアメリカのバンド「KISS」が申請
商標登録を出願したのはアメリカのバンド「KISS」のベース&ボーカルを担当しているジーン・シモンズ氏です。彼は自身がライブ等でよく使う指サインを自身のマークとして商標登録しようとしたのです。このことはニュースで取り上げられ、反響を呼びました。
アメリカのロックバンド「KISS」
ハードロックの黎明期からアメリカの東海岸を代表するバンドグループとして名を馳せており、派手な衣装と炎を用いた演出を結成当時から行っていました。今回の騒動になった指サインもシモンズ氏のファンサービスの一環から始まったものだったのかもしれません。
実際には「サバラ」で登録も棄却された
しかし、報道された時には「ぐわしだ」という声が多かったのですが、実際のサインは「中指と薬指を曲げる」というサバラのほうでした。おまけに、アメリカの特許庁はシモンズ氏の出願を却下。これによりどちらにせよぐわしが商標登録されることはなくなりました。
却下された理由については明確に公表されてはいませんが、指サインのようなものを個人のマークとするのはしばしあることですが、それを商標とまでしてしまうと社会として反響が大きいことが予想されたからではないか、というのが考察されています。
「サバラ」以外にもある、作者の体験からくるネタ
楳図かずお氏の例にもれず、漫画家の中には作者の日常の中のふとした体験や、過去の経験を「使える」と捉え、作中のネタにしてしまう方も多くいらっしゃいます。そんな作者の体験ネタを少しだけ紹介しましょう。
「ベン・トー」
ライトノベル作品で、内容としては「半額になった弁当を奪い合う青春物語」となります。こちらの話は作者のアサウラ氏が大学時代に送った極貧生活を元ネタにしており、同じように半額の弁当を狙う常連を元にしたキャラクターを作中に登場させています。
他にも当時の体験を元にしたものがあります。例えば「動くのが全ての弁当に半額シールが貼られてから」「先に弁当にタッチしたほうが弁当を買える」等と言った暗黙の了解的ルールも作中に登場していたりします。
「金色のガッシュ!!」
こちらも時代こそ違いますがまことちゃん同様に少年サンデーで連載していた作品となります。ジャンルとしてはバトルもので、「魔界の王を目指して戦う物語」となります。
作中に登場する担任教師は、進路指導となると雰囲気がもはや別人のようになり、生徒に合わせた指導を熱心にしてくれます。これは作者の雷句誠氏が学生時代に漫画家になりたい旨を担任に告げたところ馬鹿にされたという悔しさを元に生み出されたキャラクターとなります。
「ぐわし」だけじゃない!漫画から有名になったポーズ
「ぐわし」は漫画の中に登場して以来、現実でも実際にやってしまう人がいるほど人気の指サインです。しかし、漫画やアニメの中に登場してから現実世界にまで浸食したポーズは他にもあります。その中でも有名どころを紹介していきます。
「ジョジョ立ち」
ポージング関係で有名なものと言えば真っ先に上がるのが「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの「ジョジョ立ち」です。作中の登場人物が敵味方問わず非常に特徴的なポージングをすることが多く、熱心なファンが現実でそのポージングを取る練習を続けていたりします。
あまりの人気ぶりから作者の荒木飛呂彦氏の故郷である仙台で、コアなファンの方々による「ジョジョ立ち会」が開かれたほどです。ちなみに仙台市は「M県S市杜王町」という形でジョジョ第4部の舞台となっています。
「牙突」
明治時代の侍達の話を描いた漫画「るろうに剣心」の登場人物が使う、日本刀を構えて突撃する技が「牙突」です。主人公の使う技もカッコいい技が多いのですが、ポーズとして有名なのはこの牙突でしょう。ちなみに牙突は壱式から参式と、奥の手の零式を含めた4種類あります。
ちなみにこのるろうに剣心ですが、海外での吹き替えが動画投稿サイト等で特に有名です。「フタエノキワミアッー!」や「売れんかいな」に始まる空耳など、動画サイトを良く閲覧している人なら一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
「かめはめ波」
日本人なら誰でも知ってるほどの知名度を誇る漫画、と言えば「ドラゴンボール」が上がる人も多いのではないでしょうか。今なおアニメや映画作品が作られるほど人気のこの漫画の主人公「孫悟空」の必殺技が「かめはめ波」です。なんと海外では「かめはめ波大会」が開かれるほどの人気です。
漫画やアニメではないですが、かつて日本で知名度を誇るポーズ、といえばマクドナルドのCMで有名な「らんらんるー」というポーズもありました。こちらの記事ではその「らんらんるー」を詳しく紹介しています。
ぐわしはまことちゃんのお得意の難しいポーズ!
人の心は様々な事柄で感動します。感動という言葉は一般的には「泣ける」という意味で捉えられがちですが、正しくは「心が動くこと」です。「ぐわし」というポーズも、その中には漫画の中身の面白さを加味しても流行しただけ、人の心を動かしたということではないでしょうか。手の構造上難しいサインではありますが、ファンなら完璧にマスターして是非とも「ぐわし」とポーズを決めてみたいものです。
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