カメは視力もよく知能も高い、人間を見分けて慣れてくれる生き物です。スッポンモドキもあなたの顔を覚えてくれるようになるでしょう。
徐々に手からご飯をあげたり、顔を見てこちらに寄ってきてくれたり、なでることができるようになったりといったことが期待できます。
スッポンモドキのオスとメスとの違い
スッポンモドキはオスの方が長くしっかりとした尻尾を持ちます。また、メスの方が同じ年齢のオスよりと比べた場合多少大きく、甲羅の幅が広く甲高であるようです。
また、野生のオスのテリトリーが3kmほどなのに対して、メスはなんとその倍以上の8kmほどものテリトリーを持つことから、メスの方が活動的であると言われています。
スッポンモドキの寿命は飼育下で17年前後
実はスッポンモドキの正確な寿命は未だわかっていません。野生だと25〜30年ほどで、38年生きた記録もあることから40年は生きられるとされているようです。また、飼育下で17年生きた記録が残っています。
本来彼らが自分も子供を作ることができるようになるまで、オスで16年ほど、メスが18年ほどかかるということですので、飼育下ですとやっと大人になったくらいで天国に行ってしまっていることがわかります。
飼育下の方が安全なため長生きする動物も多い一方、スッポンモドキはそうではないようです。彼らとうまく付き合っていくことはかなり難易度が高めなのかもしれません。
スッポンモドキの敵って?
ワニはスッポンモドキの最大の敵です。また蛇や中型以上のトカゲ、ブタや水牛などもそれぞれ卵を食べたり踏みつけてしまったりするので彼らにとっての有害動物であると言えます。
お昼寝中のスッポンモドキ
眠るときには、スッポンモドキもひとところでじっとお休みします。
それにしても、なんという絶妙なバランス。こちらの水槽はだいぶ同居人も多く騒がしそうですがぐっすりと夢の中のよう。全く動きません…
スッポンモドキとスッポンの共通点と相違点
なにしろ名前がスッポンモドキですので、スッポンモドキはスッポンと比べられる運命にあるようです。
彼らはお互いにどこが違っていてどこが同じなのでしょうか。ここからスッポンモドキとスッポンの共通点と相違点をお伝えします。
スッポンモドキもスッポンも食用にできる
スッポンと同じようにスッポンモドキも、卵も成体も現地の人にとっては食べられるものでした。まだタンパク源が手に入りにくかった頃にはよく利用されていたようです。
スッポンモドキもスッポンも絶滅危惧種
スッポンモドキは現在スッポンと並び絶滅危惧種に指定されています。スッポンモドキの方がスッポンよりも危険度が一歩進んだ度合いに区分けされています。
またスッポンは日本のレッドリストでは情報不足のカテゴリーに入っています。世界にスッポンは数種類いますから、種類にもよるのかもしれません。
スッポンモドキが減ってきている理由
生息が開墾により減ってしまったことや、生きていける綺麗な水が減ってしまってきていることなどの環境破壊によることが大きいと言えます。
それに加えて、食用にするためやペットにする目的などで乱獲・密輸されてしまったこと、家畜に巣を壊されてしまうなど様々な理由からどんどん少なくなってしまったのです。
鼻の使い方が同じ!
あの個性的な鼻を、スッポンモドキは息継ぎの時にカバのように水面からちょこんと鼻だけ出して使います。スッポンも同じで、これは自分を攻撃・捕食しそうな生き物から見つかりにくくするためです。
また、スッポンモドキは水中でも酸素が取り入れられるような粘膜の仕組みを喉に持ち合わせていて、目の前にあるものが食べられるものかどうかを見分けるのにもこの敏感な鼻を使うそうです。
また、世界には便利な鼻でなく枯葉に擬態したような体という個性を身につけた、マタマタというカメもいます。マタマタについて気になった方はこちらをご覧ください。
スッポンモドキは甲羅が硬い、手の形の違いなどがある
やわらかな甲羅を持つスッポンに対して、スッポンモドキの甲羅はレザーのような質感で硬くしっかりと頑丈なものです。
またスッポンは陸にもちょくちょく上がるので歩くのにも適した水かきを持った手をしていますが、スッポンモドキは泳いで暮らしますので、よりそうした生活に適した、完全にヒレと呼べる手をしています。
スッポンモドキは淡水に生きるカメの中で唯一のヒレを持つカメなのです。彼らはこのヒレをパドルのように使って、水中を飛び回ります。