吉作落としは日本昔ばなしのトラウマ回?怖すぎるあらすじと教訓、助かる方法も

自力で岸壁から脱出することができないのは誰が見ても明らかです。助かる方法はただ一つ、誰かに気付いてもらうことです。吉作は「おーい、おーい、誰か助けてくれー」とありったけの大声を出し続けます。

しかしその声はしだいにかすれていき、岸壁にこだまして反響し、化け物のような声になってしまいます。

変わり果てた吉作の声は、峠の旅人や村人に届いていました。この岸壁には天狗が住んでいる、人を食べる化け物がいるなどと次第にうわさが広まり、峠や山に近づくものは誰一人いなくなってしまいました。

吉作は一人暮らしでいないことに誰も気付かなかった

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一人暮らしの吉作が一日、二日と帰宅していないことに気付くものは誰もいません。岸壁から聞こえてくるうわさの化け物の叫び声が吉作だと、村の誰もが知りませんでした。

判断力が落ち、飛ぶ鳥を見て自分も飛べると思ってしまう

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何日か過ぎ、叫び声も次第に小さくなった吉作は、極度の飢えと疲労、寒さのため意識を保つのが難しくなってきてしまいます。

朦朧とする意識の中で、岩棚から落ちないようにしていた吉作がふと空を見上げると、鳥が悠々と飛んでいました。

それを見た吉作がわずかに身動きをしたとき岩棚から小さな石が転がり落ちます。

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飛ぶ鳥に転がり落ちる小石、判断力の低下した吉作は気が狂ってしまいました。そしてふわふわと鳥のように飛んで、小石のように地上に降りた自分自身の幻を見ます。

現実と幻の区別がつかなくなってしまった吉作は、自分も崖から無事に降りることができるのではないかと錯覚してしまいました。

崖から飛び降りた吉作はそのまま落ちて死亡する

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吉作の限界が頂点に達し、ついに岩棚から身を乗り出してしまいます。吉作は落ちながら、涙を流しました。

吉作は紅葉で真っ赤に色づいた谷間の岩に消えていき、その生涯を閉じました。

吉作はどうすれば助かったのか?①吉作が置かれていた状況

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「吉作落とし」は救いようのない話としてネットでも有名です。吉作はどのようにすればよかったのか、助かる方法はなかったのか、など様々な考察がされています。

ネット上ではもし取り残されたのが自分だったらと置き換えて、いろいろな意見が出ています。

吉作の所持品や、状況について詳しく説明していきたいと思います。

吉作が置かれていた状況①所持品はかごと竹ヘラ、手ぬぐい

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岸壁で作業するため、吉作は岩茸採りに必要な道具しかもっていませんでした。竹製のヘラ、採った岩茸をいれる籠、汗をぬぐうための手ぬぐい。

崖を登るためのロープはもう手元にはありません。

また、竹でできた薄いヘラは、岩に傷をつけることもできません。

吉作が置かれていた状況②水は雫が岩を伝ってくる

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人間が生きていくのにどうしても水は欠かせません。何日も岩棚にいた吉作はどうしていたかというと、岸壁から滴り落ちてくる雫や、運良く降ってきた雨でのどの渇きを癒していました。

吉作が置かれていた状況③足場は悪いが慣れているのでバランスを保てる

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人が座れるくらいほどの狭い岩棚は、足場も悪く普通の人だと一日でもその場に居ることさえ難しかったでしょう。
恐怖で足を滑らせていたかもしれません。

ですが普段から岸壁で作業をしていることで慣れている吉作は、どうにかバランスを保ち続けることができました。

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