吉作落としは日本昔ばなしのトラウマ回?怖すぎるあらすじと教訓、助かる方法も

吉作落としは、怖くて有名なお話です。一人崖に取り残され、判断力を失い命を落とす様子がトラウマになった人も多いです。吉作落としのあらすじと、どうすれば助かったのか検証すると共に物語の教訓について解説していきます。

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1986年生まれ。2児の母。
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吉作落としとは?怖い日本昔ばなしとして有名

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小さいころ「日本昔ばなし」を見て、怖い思いをしたことがある人は多いのではないでしょうか。

稲むらの火など、今の時代に通じる教訓のような話も多いですが、中にはトラウマになるほど怖い話も数多く含まれています。

日本昔ばなしの中で五本の指に入るほど怖いと言われる

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太鼓を持った男の子が出てきて、名曲が流れ始まる日本昔ばなし。強く覚えているのは恐ろしい話の回ですよね。

日本昔ばなしは1000話以上ありますが、この話はベスト5に入るほど恐ろしい話とされています。

特に高所恐怖症の人は絶対見てはだめとまで言われている、有名なお話です。

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吉作落としのあらすじ①

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「吉作落とし」、吉作はどのような人物で不幸な運命を辿るのでしょうか。

主人公の吉作は一人暮らしの青年

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吉作は一人暮らしの若者です。

小さい頃に父を亡くし、長らく母との二人暮らしをしていましたが、その母も死んでしまいそれ以来ずっと一人で過ごしてきました。

吉作はたくましい体をした、やさしい心の持ち主でした。

吉作の仕事は崖に生えている岩茸を取ること

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彼の仕事は、岩茸という珍しいキノコを採ることした。岩茸とは断崖絶壁の岸壁にしか生えないキノコで別名は「仙人のキノコ」。命がけの仕事でした。

いつものように命綱一本で崖を降り作業をしていた

ある晴天の日、吉作は初めて登る岸壁へ仕事にでかけました。

この日も山の頂上に一人で登り、命綱一本で反対側の岸壁の頂上から降りて岩茸を採っていました。

休憩のため、崖で命綱を外した

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長い間仕事をしていた吉作は、苦しい体勢が続く作業に疲れを感じます。ふとその時、吉作の目に入ってきたのは崖の途中に人が一人座れそうな岩棚でした。

吉作はその岩棚まで降りて休憩することに決めます。やっとのことで岩棚に着いた吉作は命綱から手を離し、腰を下ろしてしばらくの間休んでいました。

気付いた時には命綱が上に上がっていた

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十分に休憩を取った後、吉作はまた仕事を始めようとしました。上に上がろうと命綱をつかもうとすると、その命綱がどこにも見当たりません。

吉作の体重でロープが思っていた以上に伸びていたのです。手を離した時に元の長さに戻ろうとする反動で、手の届かない上の方まで離れていってしまいました。

長年、山で仕事をしていた吉作も、これには大変驚いてしまいました。

吉作落としのあらすじ②

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両親を見送り一人で生活してきたまじめな青年が、命の危機に瀕します。岸壁には、吉作が登ることができるような手掛かりはありませんでした。

吉作は断崖絶壁に一人で取り残されてしまった

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ロープははるか頭上にあり、下を見ても地面が全く見えないほどの高さに一人取り残されてしまいました。

持っているものと言えば、岩茸をこそげるヘラに籠。何の役にも立ちません。

吉作が助けを呼ぶも妖怪と間違えられてしまう

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自力で岸壁から脱出することができないのは誰が見ても明らかです。助かる方法はただ一つ、誰かに気付いてもらうことです。吉作は「おーい、おーい、誰か助けてくれー」とありったけの大声を出し続けます。

しかしその声はしだいにかすれていき、岸壁にこだまして反響し、化け物のような声になってしまいます。

変わり果てた吉作の声は、峠の旅人や村人に届いていました。この岸壁には天狗が住んでいる、人を食べる化け物がいるなどと次第にうわさが広まり、峠や山に近づくものは誰一人いなくなってしまいました。

吉作は一人暮らしでいないことに誰も気付かなかった

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一人暮らしの吉作が一日、二日と帰宅していないことに気付くものは誰もいません。岸壁から聞こえてくるうわさの化け物の叫び声が吉作だと、村の誰もが知りませんでした。

判断力が落ち、飛ぶ鳥を見て自分も飛べると思ってしまう

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何日か過ぎ、叫び声も次第に小さくなった吉作は、極度の飢えと疲労、寒さのため意識を保つのが難しくなってきてしまいます。

朦朧とする意識の中で、岩棚から落ちないようにしていた吉作がふと空を見上げると、鳥が悠々と飛んでいました。

それを見た吉作がわずかに身動きをしたとき岩棚から小さな石が転がり落ちます。

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飛ぶ鳥に転がり落ちる小石、判断力の低下した吉作は気が狂ってしまいました。そしてふわふわと鳥のように飛んで、小石のように地上に降りた自分自身の幻を見ます。

現実と幻の区別がつかなくなってしまった吉作は、自分も崖から無事に降りることができるのではないかと錯覚してしまいました。

崖から飛び降りた吉作はそのまま落ちて死亡する

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吉作の限界が頂点に達し、ついに岩棚から身を乗り出してしまいます。吉作は落ちながら、涙を流しました。

吉作は紅葉で真っ赤に色づいた谷間の岩に消えていき、その生涯を閉じました。

吉作はどうすれば助かったのか?①吉作が置かれていた状況

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「吉作落とし」は救いようのない話としてネットでも有名です。吉作はどのようにすればよかったのか、助かる方法はなかったのか、など様々な考察がされています。

ネット上ではもし取り残されたのが自分だったらと置き換えて、いろいろな意見が出ています。

吉作の所持品や、状況について詳しく説明していきたいと思います。

吉作が置かれていた状況①所持品はかごと竹ヘラ、手ぬぐい

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岸壁で作業するため、吉作は岩茸採りに必要な道具しかもっていませんでした。竹製のヘラ、採った岩茸をいれる籠、汗をぬぐうための手ぬぐい。

崖を登るためのロープはもう手元にはありません。

また、竹でできた薄いヘラは、岩に傷をつけることもできません。

吉作が置かれていた状況②水は雫が岩を伝ってくる

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人間が生きていくのにどうしても水は欠かせません。何日も岩棚にいた吉作はどうしていたかというと、岸壁から滴り落ちてくる雫や、運良く降ってきた雨でのどの渇きを癒していました。

吉作が置かれていた状況③足場は悪いが慣れているのでバランスを保てる

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人が座れるくらいほどの狭い岩棚は、足場も悪く普通の人だと一日でもその場に居ることさえ難しかったでしょう。
恐怖で足を滑らせていたかもしれません。

ですが普段から岸壁で作業をしていることで慣れている吉作は、どうにかバランスを保ち続けることができました。

吉作が置かれていた状況④季節は秋で夜は冷え込む

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吉作が住んでいた村は、大分県の緒方町というところにありました。九州と言っても季節は秋で、しかも標高の高い山の上でしたので、夜になると厳しい寒さとなります。

夕暮れ前には帰る予定だった吉作は、上着などもっていませんでした。孤独と飢えに加え、寒さにも耐えなければなりませんでした。

 

吉作はどうすれば助かったのか?②吉作が助かる方法

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少しの油断で死んでしまった若者の話として今でも語り継がれています。

しかし、吉作は工夫次第で助かることができたのではないでしょうか。吉作の行動の問題点を考えたり持ち物を使って、助かる方法を考察していきましょう。

吉作が助かる方法①黙って体力を温存すればよかった?

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まず一人岩棚に取り残された吉作は、大声を張り上げて助けを呼ぼうとします。大声を出し続けることは、著しく体力を消耗します。

むやみに大声を出さず、黙って体力を温存しておくべきだったという意見もあります。そうすれば助けを呼ぶ声が、ばけものの唸り声だと勘違いされることもなく峠が敬遠されることもありませんでした。

しかし、吉作が取り残されているのは高い山の上です。じっと黙ってても誰にも気づかれることはなかったでしょう。大声を出しても、黙っていても結果は同じ、誰も助けに来てくれなかったと考えられます。

吉作が助かる方法②かごをバラして棒状にし、命綱を手繰り寄せる

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持っているものを最大限に利用する方法はどうでしょうか。吉作は籠を持っていました。

この籠をほどき、少しでもロープに届くように長く伸ばし、手繰り寄せようとすることも可能であったと言われています。

吉作が助かる方法③手ぬぐいを濡らして岩に叩きつける

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持ち物には、手ぬぐいがありました。労働者の汗をぬぐう、ごく普通のただの手ぬぐいです。

この手ぬぐいを使って、岸壁から脱出することは可能だったのでしょうか。

北海道の樺戸集治監から脱獄した、西川寅吉という受刑者がいました。明治20年、西川寅吉は作業中濡らした衣服を壁に叩きつけて、濡れた布の吸着力を利用し塀を乗り越えました。

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