ペリカとは?漫画「カイジ」に登場する通貨の単位!
ペリカとは、人気漫画「カイジ」シリーズで登場する、仮想通貨のことを指します。私たちの世界で使用するお金も、国ごとで価値が異なるように、こちらも独自のお金の価値が設定されています。ペリカは漫画「カイジ」で使われる通貨の単位
ペリカが登場するのは、カイジの地下での生活がメインとなった「賭博破戒録カイジ」です。アニメ版では、「逆境無頼カイジ 破戒録編」で登場し、こちらも地下での話が収録されています。
ペリカは賭博的要素が強い
帝愛グループの会長は、地下にある強制労働施設となっている場所を一つの国に見立て、この閉鎖された空間の通貨として、ペリカは使用されています。
奨励サービスや売店があるので、そこでの買い物にも使用できますが、ただ働いているだけでは一生この場所から脱出できる希望はありません。そこでカイジは、一発逆転を狙ったチンチロリンという賭博に挑みます。
ペリカの価値や額面の種類は?
この通貨は「Perica」と書いて読まれることもあり、例えば10,000ペリカの紙面には「10000P」と表記されています。この仮想通貨の価値や、紙面について詳しくご紹介していきます。
ペリカの単位は1で0.1円
王国で使用されるこの通貨は、1ペリカ=0.1円の価値を持っています。ここで債務者たちは、日当35,000ペリカという労働条件が決められており、円に換算すると日給3,500円と薄給で働いていることが分かります。
ペリカと似た単位?ウォンやジンバブエ・ドル
ペリカと類似する通貨として、韓国ウォンやジンバブエ・ドルが挙げられます。
ウォンのレートはちょうど日本円にすると1ウォン=0.1円ほどで、ジンバブエ・ドルに関しては2009年時点で1円=300兆ジンバブエドルという、規格外のレートとなりました。
ペリカは100・1,000・10,000の3種類
この通貨は紙幣でのみで存在しており、それぞれ100P、1,000P、10,000Pが流通しています。地下で販売されている物は、100Pを最小単位としているので、日本でいう10円や1円といった硬貨は必要ありません。
ペリカには帝愛グループ総帥の顔が大きく印刷
この紙幣は、私たちの知っている紙幣と同じくそれぞれに絵柄があり、人物の写真が載っています。帝愛グループの地下空間でのみ使用されているこの紙幣には、グループの会長・兵頭氏の顔がプリントされています。
表面には「TEIAI」、両面に「MONEY OF HYODO」と書かれており、賃金といえども”自分のお金ではない”と知らしめられるようなデザインとなっています。
帝愛の総帥のモデルは武富士グループ社長?
帝愛グループの会長は、武富士グループの社長がモデルではないかと噂されています。武富士グループとは、1980~2000年頃に日本のトップであった消費者金融です。
この会社は、飛躍的に業界のトップに昇りつめたことと、金利が高額であることで有名になりました。急成長を遂げたことにより、社長の敏腕な経営方法にも注目されていました。
ペリカにはモデルがあった?!
「円」以外で、日本で作られたお金としての機能を持った金銭を使用したことはあるでしょうか?これは法律で禁止されていますので、まずないかと思います。
ペリカのような金銭が流通していることは、現代ではまずあり得ませんが、昭和にはこれに類似する金銭が存在していたと記録されています。
西表炭鉱では、給与の代わりに“炭鉱切符”という金銭として扱われるものが配布されていました。カイジと同じく、売店での買い物に使用でき、ある程度たまれば「円」に換金できるようでしたが、換金する人は殆どいなかったようです。
さらには、責任者の交代で以前までの切符は使用できなくなり、西表炭鉱に入ったら二度と戻れないという噂がされる程に、劣悪な環境でした。
西表炭鉱以外にも、この様な劣悪な環境で働かれていた人たちが実在しています。タコ部屋と呼ばれる労働場所の詳細は、こちらからご覧いただけます。
ペリカの「カイジ」作中でのシステムとは?
前述でご紹介したジンバブエドルは、国の債務を無くすために通貨を発行しすぎ、通貨の価値が暴落しました。政策を誤れば規模が小さくとも経済は破綻してしまうため、きちんとした管理が必要となります。
この地下の労働施設では、どのような管理がされているのでしょうか。
ペリカは年間1億800万単位で発行されている
帝愛グループによって発行されるペリカですが、その運用の詳細については明らかになっていません。しかし、労働者の月給が91,000Pと定まっているので、最低発行数は逆算が可能です。
「月給×労働者数×1年」という計算式に当てはめていきます。労働者数を100人と仮定すると、年間で1億800万Pを発行していることになります。
日本で発行されている紙幣と比較
発行数が1億800万Pと聞いて、ピンと来ない方もいらっしゃるでしょう。分かりやすいように、日本円とも比較してみましょう。
日本では毎年、財務省が新たに発行する貨幣の内訳を発表しています。これによると、紙幣だけで毎年30億枚の紙幣を発行しています。
内訳は毎年異なりますが、およそ129~149兆円が発行され日本経済が回っているのです。これと比べると、規模の違いは一目瞭然ですね。
ペリカは地下帝国の労働者に毎月約9万支給される
では次は、月給である91,000Pの内訳を見ていきましょう。
日給にすると35,000Pと決められているのですが、借金返済・20,000P、食事や施設費等・11,500Pが天引きされるため、1日の所得は1割の3,500Pとなってしまいます。
そして、賃金は26日ごとに支給されるので、3,500P×26日=91,000Pが手元に入ることとなります。
ペリカの使い道は?
地下での独自の貨幣のため制限はありますが、支給されたペリカは自由に使うことが出来ます。生活費は天引きのため、残りを貯蓄する人もいれば、奨励サービスや売店・娯楽で使用する人もいます。
ペリカの使い道の例①食べ物や飲み物
奨励サービスや売店では、食べ物や飲み物を購入することが出来ます。食べ物は、一番高いものでフルコースディナー・100,000P、安いもので柿ピー3粒・100Pが、販売されていると分かっています。
飲み物は、ビールが作中で登場しています。売店をなかなか利用しなかったカイジを懐柔するために、ハンチョウがビールをプレゼントした場面は有名で、「キンキンに冷えてやがる」というカイジの台詞はグッズにもなっています。
ペリカの使い道の例②サービスや施設利用料
ペリカで購入できる最高値のものは、一日外出券・500,000Pです。これは約6か月分の給料に相当し、地下に送られたカイジは「地下で働いていてもキリがない」と、外に出るためにこの券を目標にします。
次に高額なものは一日個室券・150,000Pで、旅館のようになった部屋で1日過ごすことが可能です。ここでは、エアコン・ビデオ・浴槽付きの風呂を利用することが出来ます。
ペリカはなぜインフレにならない?その仕組みとは?
同じ金額のペリカが毎年発行されているとなると、ペリカの価値を変動させないために、何かしらの形で回収する必要があります。労働者がペリカを使いたくなる誘惑が、ちゃんと用意されているのです。
ペリカの地下施設での使い道には限りがある
支給されたペリカは地下で自由に使用できるとはいえ、外の世界と比べるととてつもなく選択肢は少ないです。自身の望むものがなければ、ペリカを貯めこむ人がいてもおかしくありません。
こうなってしまうと、ペリカが地下内でインフレを起こし、その価値が暴落してしまいます。しかしそれが起きていないというのは、帝愛側がうまくコントロールしていると言えます。
劣悪な労働環境ですから、自分へのご褒美がなければやっていけない、というのも事実。そんな彼らの心理をうまく使って、娯楽などの物販も行われているのです。
ペリカは50万の一日外出券でバランスを取っている
先ほどご紹介した、ペリカを使って購入できる最高値の「一日外出券」。これは多くのペリカを回収した人だけが利用できる、階級特権のようなもので、利用者も後を絶たないという訳です。
帝愛グループはこの「一日外出券」の価値を、手を伸ばせば届きそうだが、簡単には手が届かないというところに設定しました。ここで一気に回収できることで、ペリカの価値のバランスを取っているのです。
ペリカで売買を行う「ハンチョウ」は稼げている?
売店の運営を行うハンチョウたちは、それぞれが考えた娯楽で班員からペリカを回収します。帝愛グループに依頼すればペリカを円に換金することが可能で、一日外出券を使用して外の世界で、売店に並べる物資を調達していました。
円に換金する際に手数料が発生するかは不明ですが、例えば地下で販売しているポテチ・3,000Pの仕入れ値が100円~150円(約1,500P)とすると、約2倍の値段で販売していることになります。
ハンチョウの懐には、班員が購入すればするほど利益が入ってくるわけです。そうしてまた、一日外出券を利用することを繰り返します。
ペリカの最高額の使い方「一日外出券」が高いのには理由がある!
帝愛グループは、一日外出券から一気にペリカを回収することで、金銭の価値を一定に保っていることが分かりました。班長クラスの人物は、売店を運営する上ではこの券の使用が必須ともいえるので、定期的な利用者を獲得することにも成功しています。
カイジでは、帝愛グループ会長の経営手腕を見せつけられる場面が、様々なところに隠されています。
スピンオフ漫画「1日外出録ハンチョウ」
仕入れのためにハンチョウたちは一日外出券を使用していると紹介しましたが、E班のハンチョウがこの奨励サービスを利用するのは、このためだけではありません。