自身を「王」とした王国では、おそらくこの「ペリカ」が通貨として使用されるのでしょう。債務者たちが暮らす街になるのかもしれませんが、その生活は希望が持てるようなものではないことだけは確かでしょう。
劣悪な環境での生活
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会長にお金を借りている以上、債務者たちは頭も上がらなければ、文句を言う資格もありません。国の法治外の場所ともいえるので、助けを求められる人もいません。
与えられる食事は非常に質素なものであり、肉体労働者にこれで足りるのだろうか?と疑問になります。風呂も浴槽はなく、シャワーが連なった道を歩きながら身体を洗うというスタイル。もちろん石鹸はありません。
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こんな環境では、病気にかかる人がいないわけがありません。しかし薬を処方してもらうにもペリカが必要となり、それが払えずに命を落とす人は少なくないようです。
ペリカはリアル世界でもネタ的な使われ方もする!
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アニメや漫画の文化が、他国より普及している日本。その中でも2ちゃんねるなどの掲示板、SNSでは、漫画の台詞を用いてコミュニケーションを取っている様子が見られます。
カイジを知っている仲間内では、「ペリカ」を使った冗談を言い合って楽しむことができます。仮想通貨であるために、冗談ということがすぐわかるのが良いですね。
使用例①「○○に10000ペリカ賭ける」
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例えば友人とテレビでサッカー観戦をしていたとして、「○○が勝つに、10,000ペリカ掛ける!」「じゃあ自分は…」なんて会話を楽しむことが出来ます。
地下で行われた「チンチロリン」という賭博では「上限20,000P」というルールがあり、カイジも作中で「20,000ペリカ賭ける!」と発言しています。
使用例②「ペリカ暮らし」
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この強制労働させられる地下での生活のことを、「ペリカ暮らし」と言って使用することがあります。「今月の支払いは無事に終わったけど、またペリカ暮らしが始まる…」など、生活が金銭的に辛い状況を指すときに使うことができます。
ペリカから考えるお金の話
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地下の強制労働、そこで流通しているペリカという、円とは異なるレートの金銭から現実のお金へと繋げてみましょう。政策を誤れば、現在の日本という安定した国家でも、ジンバブエのようにお金の価値が急激に変動する可能性は、0%とは言えないのです。
ペリカから考えるお金の話①エンデの腐る貨幣に通じる?
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腐る貨幣は、「減少する貨幣」とも呼ばれる通貨制度のことを指します。分かりやすいよう、実際にこの貨幣を利用した町のお話をします。
オーストリアのとある街は、「失業の町」と呼ばれる程に廃れていました。新しく町長が決まり、この通貨制度を用い、町を活性化させようと新たな紙幣を発行しました。
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この紙幣は1ヵ月に1%、その価値が下がるように設定されており、また毎月ごとに町にお金を収めて「スタンプ」をもらわねば使用できない、と決められていました。
そのため市民は、スタンプ代を出来るだけ払わなくて済むようにと、積極的にこの紙幣を使用しました。
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新しいお金が流通し、さらにはお金が飛躍的に使用されるようになり、町は活性化しました。しかしその後、国から新紙幣の使用を禁止されたため、また「失業の町」へと逆戻りしてしまいました。
ペリカから考えるお金の話②お金は使ってこその価値がある
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貨幣を使用する文化が成長し、生活するためには多かれ少なかれ、お金を使用せねば生きていけません。腐る貨幣の話から分かるように、そのお金を万人が進んで使用することで、経済も潤滑に回っていくと考えられます。
地下施設では、一定量のペリカを回収できるシステムであることに加え、施設内という限られた空間での使用であること、売店の物価がこの空間で適正であることで、価値を変動させることなく上手く循環しています。