1961年、鹿児島県生まれの漫画家です。代表作に「犬神」や「鬼畜島」があります。初期には、おとぎ話のようなファンタジー系の漫画を出してます。その後、旧約聖書を題材にした漫画も発行しました。
後半には「犬神」で大きく画風が変わります。最近では、SF小説の題名を使うなど、SFに対する思い入れが強く感じられます。
幅広いジャンルを手掛けてきた外薗昌也さん
1980年頃から活動を開始し、デビュ-作は「月刊少年チャンピオン」に掲載された「鏡四郎! 鏡四郎! 」でした。以降、主にSF漫画やホラー漫画を描きます。
1990年代半ば頃からは、「ガールフレンド」などラブコメディ作品などもてがけます。更に2012年には実話怪談本「赤異本」を刊行します。
蟲姫の原作者・外薗昌也さんの他の作品一覧
以下、年代順に列挙してみます。「鏡四郎! 鏡四郎!」、「鏡四郎がゆく」、「Silent runner」、「ラグナ戦記」、「青の時代」、「雨の法則」、「最後の竜に捧げる歌」、「エンヴリオン」、「聖なる侵入」、「パンプキンナイト」などです。パンプキンナイトのネタバレ記事に興味のある方はこちらもごらんください。
蟲姫の作画担当はイラストレーターの里見有さん
里見有といえば、引き込まれるような一枚絵で有名ですが、本作でも初漫画とは信じられぬほどの高いクオリティを感じさせます。イラストと違い、漫画はコマ割りなどいろいろ面倒な工夫が必要ですが見事にこなしています。
webでオリジナル作品などを公開している里見有さん
例えばWebサイト「恐ろし屋.com」にアクセスすれば、里見有さんの本作を含む代表作品5点について、無料で漫画を見ることができます。
蟲姫の作画担当・里見有さんの他の作品一覧
以下に列挙します。「血海のノア」、「火傷少女 」、「海にはワニがいる 」、「赤い地獄 」、「おどって!ウズメ」、「たたらをふむ女神カナヤゴ―ゆかいな神さま」、「奇病探偵 眠れない夜」、「わたしのともだち」などです。
蟲姫はグロテスクと切なさが融合した全3巻の傑作
本作は一見、単なるホラ-漫画と思われますがそうではありません。生物学的科学的根拠に基づき、「種の保存」というテーマを持つサイエンスフィクションです。伏線の置き方などスト-リ-仕立てもしっかりしており、ぐいぐい引き込まれる秀作と言えます。
又、ヒロインの蟲姫も捕食する姿はグロテスクな怪物ですが、その裏に悲しい生い立ちの哀感を秘め、妖艶な美しさと相俟って魅力的なキャラクタ-です。そして陵一との最後の結末は、今後の新たな展開の伏線のようでもあり、続編が待ちきれません。
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