コモリグモとは?生態や特徴は?
コモリグモという生き物をご存知でしょうか。日本にもウヅキコモリグモやキクヅキコモリグモなど、多くの種類が生息しています。
その存在を知ると、生命の尊さや母の大変さを実感できるためファンの方も多くいらっしゃいます。
一方で家にいるだけでも嫌、とクモ自体が苦手な方もいらっしゃるため、好みは人それぞれ意見が違う事も確かです。
コモリグモは子供を腹背に乗せて子育てする
クモは子育てを頑張るイメージが強いですが、通り、こちらのクモもその名の通り子育てを熱心に行っている生き物です。虫はあまり子育てに力を入れていないイメージが持たれています。
それはそれぞれの繁殖力の高さから、数打てば当たる戦法だからと言って過言ではないでしょう。
コモリグモの場合はその卵や幼虫を背中に乗せて移動しながらも子育てをします。その姿は人間の母を連想させるため、この名前にも名劣りしていません。
コモリグモはクモ綱クモ目コモリグモ科と分類されるクモの総称です。体の大きさは細かな種類により様々に存在していますが、日本にいる種は、比較的小型な傾向にあります。
コモリグモ種の体の色は貴褐色や黒褐色の個体が多く、後列眼がよく発達しているという特徴を総じてもっています。
子供を背中に載せた画像が衝撃的!【閲覧注意】
コモリグモの最大の特徴である、子供コモリグモを背中に乗せている姿を捕らえた画像の閲覧は、衝撃的な映像のため注意が必要です。
集合体恐怖症の方や、虫やクモが苦手な方は子供を背中に乗せたコモリグモを絶対見ないように注意しましょう。
コモリグモは巣を作らず徘徊性が多い
コモリグモは子供が自身と共に移動できるため、日本でも家の中など人の近くに巣を作らず、活発に地上を徘徊して獲物を捕る種類が多い傾向にあります。
日本にいる種類の中にも家の中で、棚網を張るコモリグモの仲間も存在しますが、基本的には巣を作り1点に留まるメリットがあまり存在しないため、作らないものが多いのです。
コモリグモは毒蜘蛛?タランチュラコモリグモとは
コモリグモは日本でも最近まで毒蜘蛛であるといわれていました。しかし、学問の発展と共に毒蜘蛛であるという見解が改訂されています。
しかしながら、コモリグモが毒を持つことは事実であるのに、どうして毒蜘蛛であるという提唱が否定されたのでしょうか。
コモリグモはドクグモ科とよばれていた
コモリグモの種類は1973年8月まで、ドクグモ科に分類されていました。これはコモリグモの体内に毒が含まれていた事からそうなっていたのです。
しかし、これが改訂された理由は、その毒が私たち人に対して毒性がないことが理由でした。一般的に毒蜘蛛と称される生き物は人へ害をなす種類に付けられる名前なのです。
タランチュラコモリグモの特徴
一般的にタランチュラと呼ばれているオオツチグモ科の生き物が存在します。タランチュラの持つ毒は私達人間の体も蝕んでしまうと言われています。
一方でタランチュラコモリグモという種類の蜘蛛は、その名前から毒蜘蛛の仲間と思われがちですが、実際には全く別のコモリグモの分類です。
コモリグモの仲間としては比較的大きく、メスでは体長が27mmにも達しており、その体の大きさからもタランチュラの仲間であると誤解されがちなのです。
世界一大きな蜘蛛であるルブロンオオツチグモもツチグモの仲間です。ゴライアスバードイーターと呼ばれる巨大蜘蛛に関してはこちらの記事をご覧ください。
タランチュラコモリグモには気性の荒い雌がいる
タランチュラコモリグモの雌は気性が荒い事が研究の中で判明しており、交尾前に気に入らない雄は自身の餌として食べてしまう事もあるようです。
そのため、雄は雌に食べられないよう、慎重に子孫を残す交尾行動へと移らなければいけないという過酷な環境に生きる種類の蜘蛛です。
コモリグモの日本にいる主な種類
コモリグモの仲間は世界的に2600もの種類が存在している事がわかっています。その中でも日本に生息している種類が90種類もいるのです。
ウヅキコモリグモやキクヅキコモリグモなどが有名であり、その中のほとんどが同じような習性をもっています。しかし、大きな生き物が近づくとすぐに逃げてしまう事からあまり人目につかない生き物です。
家屋の中で発見される場合もあり、イエグモの仲間だと間違えられる事もあります。イエグモに関してはこちらの記事を参照ください。
コモリグモの種類①ウズキコモリグモ
ウヅキコモリグモは北海道、本州、四国、九州地方に分布しており、草村や畑などによく見られ、個体数もとても多いとされています。
ウヅキコモリグモの見た目は黒褐色で所々模様が入っているという特徴はあるものの、一見して他の蜘蛛と区別することは難しいかもしれません。
- Myriams-Fotos / Pixabay
ウヅキコモリグモもコモリグモの名前を持つことから、卵から生まれた子供は親の腹部の上で数日過ごし成長を待っているのです。
ウヅキコモリグモのウヅキとは卯月、つまり4月という意味を持っており、最も多くみられる時期が4月であることから、その名前が付けられたとされています。