なので、これをアウターやジャケットなどで使えるようにするため表と裏に布を合わせたものを「ゴアテックスファブリクス」といいます。加えてこの2枚の布地を取り替えることで、その素材ごとの特徴を生かしたゴアテックスにすることも可能なのです。
使われている表と裏の布地は、ジャケットや靴などゴアテックス製品によって様々です。そして一般的に、防水透湿性素材といえばこちらの「ゴアテックスファブリクス」を指しています。つまり製品に使われているものは「ゴアテックスファブリクス」であるというわけです。
夏とゴアテックスとは相性が悪い?
夏場はゴアテックスにとって鬼門となりうる
そんな防水、透湿性能を備えている高性能なゴアテックス。一枚欲しくなったという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ゴアテックス製のものにも弱点が存在します。それが、夏場にはご紹介した透湿機能を発揮しにくくなってしまうということです。
相性が悪いのは湿度が原因
ゴアテックスには、水蒸気を逃がすための小さい孔が沢山開いています。しかし、孔が開いているからと言って勝手に水蒸気は逃げてくれません。なぜなら水蒸気というのは、湿度の高い所から低い場所へと動くからです。つまりは、透湿させるにはゴアテックスのジャケットなどの内側より外側の方が湿度が低くなっていなければなりません。
冬場は空気が乾燥しており湿度も高くないので透湿機能が遺憾なく発揮されますが、逆に湿度が高めの夏場は透湿しにくく、結果的にゴアテックスでも内部が蒸れる可能性があるのです。透湿機能があるからと夏にも安易にゴアテックスのジャケットなどを使うと、思わぬ結果となってしまいますので注意が必要です。