比嘉和子の現在とは?「アナタハンの女王事件」の真相とその後に迫る

第二次世界大戦、終戦から2年経った昭和22年、世界は米ソ冷戦となり以前情勢は揺れていたままでしたが、小さな島で一つ同じ屋根の下で暮らす小規模な人間たちの間でも、不穏な空気が漂い続けていました。

その頃元軍人、現野獣のような男たちはある時島で採集できる酒を飲んでおり、すっかりと出来上がっていました。そうして酔った勢いでこれまで溜まっていた不信感や鬱憤が爆発しました。

簡単に人の命を奪える凶器で1人が『比嘉和子』を巡る揉め事、トラブルを起こしていた相手の男の命を奪ったのです。

菊一郎も死亡

島、小規模な人間たちは更に緊迫した状況と化してしまい、身を案じた元旦那の上司であり現旦那の『菊一郎』は欲望のためなら平気で血が流れる闘争から『逃走』するように、その場から一人離れて身を潜めた。

しかし途中で気が変わったのか、『比嘉和子』という決して美人でも可愛くもない女性のことが忘れられなかったのか、その時彼女と関係にあった1人の軍人、いや野獣を故意に命を奪ってしまいました。

しかし今度は『菊一郎』が何者かに命を奪われてしまうのです。この死には『比嘉和子』が関与しているという見方もあるらしく、彼女からしたら現旦那である彼が『邪魔』になったという説が囁かれています。

相次ぐ失踪と不審死

そうして『比嘉和子』という1人のレディを巡って、その男の性(さが)本能により、血が流れ、命を奪い合う連鎖は繰り返され、島と彼らには切っても切り離せない輪廻が生まれていました。

どのような殺し方、死に方をしたのかは様々でしたが、命を狙われるのは決まって『比嘉和子』と関係を持った軍人、野獣でした。

このような『バトロワ』のような構図が出来上がってしまったのは、秩序も法律も及ばない環境にあったからでしょう。

Atlantios / Pixabay

こうして『比嘉和子』と悍ましい輪廻が取り巻くその島では、次々と人間の命が不自然に奪われていき、またいなくなってしまう人も相次いだのです。

争い終結のために比嘉和子を再度結婚させた

MasterTux / Pixabay

元々は30人近くいた人間も、醜いヒトの欲望、男の本能、性によって疑心暗鬼となりホンモノの『バトルロワイアル』が起きてしまい、多くの人間の血が流れてしまい10人以上減ってしまったのです。

そんなカオスな状況、命の奪い合う輪廻を断ち切るために『比嘉和子』は元軍人、今は野獣と化した男ともう一度正式な『契り』を交わしたのです。

争いが起きてしまうのは、曖昧に不特定多数の野獣と不義の交わりを果たすからであり、数人と『関係を持つ』という状況にあるからだったのです。そのため正式に『契り』を交わして均衡を保とうと試みました。

比嘉和子の逃走で事件は収束

Fotorech / Pixabay

『比嘉和子』によって引き起こされたと言っても過言ではない、本当に人の命を奪い合うバトロワの様なミステリアスな事件は、その結末、終わりも『比嘉和子』によって幕を閉じることになりました。

ではどんな風に解決に向かっていったのか?それは彼女が輪廻から、島から抜け出したことがきっかけとなりました。

こちらの見出しでこのバトロワ的ミステリアスな事件の結末について詳しく解説していきます。

比嘉和子がアナタハン島からの脱出を決意した理由

Julius_Silver / Pixabay

『比嘉和子』が自分を巡って命を奪い合う殺し合いの輪廻取り巻く島を抜け出そうと思ったのは何故でしょうか?その理由についてはいくつか説があるので、下記にまとめていきます。

前提として人の命を奪い合う元軍人、野獣たちの姿をもう見たくない、血が流れる状況にうんざりした。という心が綺麗なヒロインの様な心情によるものではありませんでした。

比嘉和子の処刑説

もうだいぶ月日、年月も流れた後で、既に元同僚、仲間である軍人たちが自分たちの醜い欲望による争いで、命を落としていく現状を、ふと冷静に客観的な視点で見つめなおしたのでしょう。

そこで何がいけなかったのか?確かに男の性(さが)、本能などがいけないというのはだれしも理解していましたが、元凶となったのは、一説によれば『色仕掛け』などをして理性を狂わせた『比嘉和子』

という1人の人間、女なのではないかと導きだされたのでしょう。軍人たちは再び一致団結してその元凶を排除しようと、処刑しようと企てて、その計画を『比嘉和子』が知ったので逃げ出したのではないかという説。

男たちによる暴力説

また現代の男女間でもありがちな歪んだ愛情表現、暴力、暴行、DVなどが及んでいて、それに耐えきれなくなった『比嘉和子』がその場から抜け出そうとしたと考えれている説であります。

男たちというのは不特定多数の軍人と思われがちですが、一番有力なのは最後に『契り』を交わした軍人、そして元旦那の上司であり最初に『契り』を交わした菊一郎らしいですが、残念ながら真意は不明です。

比嘉和子は33日間も島内を逃走

EliasSch / Pixabay

その輪廻から野獣と化した軍人たちから抜け出そうとした『比嘉和子』はどれだけの回数陽が沈み、また日の出を迎えたか。判定していないが1人でその舞台となった島を彷徨っていたかは諸説ありますが、1か月とちょっとというのが一番有力であります。

それだけの長期間を自然と人間の危険をやり過ごして、一切の食料も全て自分で調達しないといけない完全『サバイバル』な環境で生き抜くことはほぼ不可能だと一般的に考えられます。

ですが野獣同然の軍人たちを色んな意味で相手にしてきた女性なので、それだけの試練にも打ち勝つことができたのかもしれません。

比嘉和子はアメリカ軍に救出され島を脱出

Defence-Imagery / Pixabay

歴史的、世界的に惨烈な被害をもたらした第二次世界大戦が終戦して約5年が経とうとしていた昭和25年の初夏、ようやく長い年月が過ぎて『比嘉和子』が再び法律、秩序、社会が存在する母国である日本に帰ってきた。

彼女は衰弱しながらからも野獣と化した男たちから、ひたすら逃れてそこを偶然にも通りかかった米軍に発見されて、奇跡的に救出され生還を果たす事が出来たのです。

「アナタハン島の女王事件」後の比嘉和子

leninscape / Pixabay

奇妙でミステリアスでバトロワ的な事件を経て、人とは大きく異なる猟奇的な生活を長期間送った『比嘉和子』社会、秩序、法律が存在する日本に帰った後も数奇な人生を送ることになったのです。

NEXT 「男を惑わす女」として注目を浴びる