活き締めとは?方法を解説|活き締めで魚の鮮度と旨味は飛躍的に上がる

Array

神経締めは、骨髄に入っている神経を破壊する処置です。神経が生きていると絶命後も動いてしまうので、ATPが減ってしまいます。この処置は、このATPが減らないようにするために行います。

この処置をする際には、専用のワイヤーを使う事になります。太さや長さ等は様々なものが売られていますが、細すぎると神経がうまく破壊できませんし、太すぎると入りません。魚の大きさに合ったものを選びましょう。

神経締めのやり方

まず、尖った物で眉間を刺す事により脳を破壊します。そして、その穴から側線に沿って針金を入れていく事が多いです。針金が神経に当たると激しく動くので、神経部位を確実に破壊できるように何度も往復させます。魚が動かなくなればOKです。

大きな魚でする場合は、しっぽの方から行う方が簡単です。しっぽのつけ根を上から3分の2ほど切った所から、切り口を開くと脊髄の上に白く見える小さな穴があります。これが神経筋なので、ここに針金を差し込み、何度も往復させ神経を破壊します。

神経締めのやり方を動画でチェック!

頭から針金を入れるパターン

上の動画では、マダイの脳にドライバーを刺して脳破壊をしてから、鰓ぶたを開けて刃を入れ、背骨の下にある血管を切って血を抜いています。その後、頭に開けた穴から針金を入れて神経を抜いています。

しっぽから針金を入れるパターン

上の動画では、しっぽを切って、しっぽの方から針金を入れて神経を抜いています。血の抜き方についても説明があり、参考になると思います。この動画によると、ホースでも血抜きをした方が日持ちがするそうです。

活き締めのコツ

活け越して魚を一定の時間、養生させる

「活け越し」とは、即座に〆るのではなく、生け簀等で一定の時間、養生させる事を言います。釣られたばかりの魚は、興奮して疲弊しています。疲労物質である乳酸の量を減らしたり、旨味成分の素となるATPを回復させるために、活け越すのです。

養生させる時間は一晩以上あると良いと言われますが、数時間でも違いは出るようです。ただ、魚が弱っていて瀕死の時等、即座に処理する方が良い事もあります。魚の状態によって活け越すか否か判断しましょう。

魚の身を傷つけないようにスポンジを敷く

〆る際に魚がバタバタして傷つき、身割れを起こしてしまう可能性があります。可能であれば、刃物等で切り込む際には下にスポンジを敷いておくとこれを防止する事ができます。また、暴れるからといって魚の身に圧をかける事のないように気を付けましょう。圧をかけてしまうと衰弱してしまい血が十分に抜けない事があるからです。

ケガ防止のために手袋等をする

生きている魚を扱うので、尖ったヒレで手等をケガする可能性があります。不慣れなうちは手袋(軍手)、タオル等で押さえてから処理をする方が安全でしょう。また、魚に体温を伝わらせるのを防止する効果もあります。

活き締め後の血抜き

血抜きの手順

活〆をしても、心臓等の臓器が即座に停止してしまうわけではありません。血管を切ったら、海水を入れたバケツの中へ魚を浸し、きちんと血が抜けるのを待ちます。時間は5分~10分が目安です。

家等でやる時はホースで血を抜いてもOK

家等でやる場合は、鰓からホースを入れ、血が出なくなるまで流すと、ちゃんと血を抜く事ができます。その様子は、上の動画が参考になります。船上ですが、バケツで血を抜いても、後でホースを使うとまだ血が出てくるようです。

血抜きをする理由

鮮度の持ちをよくするために行います。血は腐りやすく、放置すると生臭くなってしまいます。また、血が残っていると微生物の繁殖の原因にもなります。熟成させて食べる場合は、血をちゃんと抜く方がよいでしょう。

血抜きのコツ

活〆と血抜きの順序

血抜きをする事が不慣れなうちは、活〆をしてから血を抜くのがよいでしょう。血管が切られた状態で魚が激しく暴れてしまうと、血が飛び散って掃除が大変になり、ATPの消費にも繋がってしまうからです。

血管の切断は1箇所が望ましい

血抜きは、心臓のポンプを利用して血を抜いてく事になります。そのため、血管は原則として最も太いものを1箇所だけ断ち切るのが望ましいです。2箇所以上断ち切ってしまうと急激に血圧が低下してしまい、毛細血管に血が残ってしまう事になります。

血抜き後の保管方法

血を抜いた後、クーラーBOXに入れる時

前もって海水氷を入れたクーラーBOXの中に、血を抜いた魚を入れていきます。海水氷で冷やす時間の目安は15分位です。冷やしすぎると、身が水っぽくなってしまいます。冷やした後は、魚を厚手の袋に入れて海水氷と魚が直接触れないように保管します。

別のクーラーBOXを用意できるなら、そこに海水氷で冷やした魚を保管します。氷を袋に入れ、魚と直接触れないようにします。クーラーBOXの温度は5℃~7℃位にして冷やしすぎないように注意しましょう。

持ち帰る際の保存方法

クーラーBOXの中の水をできるだけ抜き、氷と魚が直接当たらないように、氷を袋に入れて持ち帰ります。氷は魚を包むように上下に入れると効果的です。数が少ないようであれば、一匹ずつ新聞紙やタオル等で包む方がよいでしょう。余計な水分やドリップが吸収されるので、より鮮度の持ちが良くなります。

活き締めのまとめ

様々な手法がある活き締め(活〆)。かわいそうと思うような面もありますが、これも魚をおいしく頂くため。おいしく食べられると、〆るのにかけた手間も報われますね。最初は難しく感じるかもしれませんが、段々慣れてきますので、動画等も見ながら実践してみましょう。