寝屋川事件とは?山田浩二による誘拐殺人事件
舞台は大阪府の寝屋川。その地名から寝屋川事件と呼ばれたこの事件はその凶悪さ故に日本全国を震撼させました。
まだ未来ある幼い男女2名が犠牲となってしまったこの寝屋川事件はほんの1年ほど前に刑務所から出所したばかりの男、山田浩二によって引き起こされました。
次から寝屋川事件の知られざる部分から死刑囚山田浩二に関するあれこれまで詳しく書いていこうと思います。
寝屋川事件の概要
まだ幼い少年少女が犠牲となった寝屋川事件。その仔細を追いながら寝屋川事件のさらに奥深い所、隠された真相に触れていきます。
寝屋川事件の概要①平田奈津美さんと星野凌斗くんが行方不明に
市内在住の2人の中学生が、寝屋川事件の犠牲者でした。2人はお互いに会うために自宅を出て、深夜の寝屋川を当て所なく歩き回った後行方が分からなくなりました。
8月12日、寝屋川事件前日の夜9時ごろに星野凌斗くんは家族に平田奈津美さんの家に泊まりに行くと残して自宅を出たそうです。しかしこの後2人は平田奈津美さんの家に泊まることなく夜の寝屋川に繰り出します。
2人はコンビニへ
時間は夜の10:30頃。2人はコンビニへと向かいそこで食事をしたようです。この時の2人の様子が店内の防犯カメラに残っており、さらに近所に住む男性が2人に声をかけていました。
その男性の証言によると、家に帰らなくていいの?と問いかけると「いいの」と答えていたそうです。その後2人はその言葉通り家に帰ることなく別の場所へ向かいます。
同級生の家へ
その後2人は星野凌斗くんと同じ部活動に所属する同級生の少年の家に泊めて欲しいと連絡を入れ、その少年の家の前まで赴きます。
しかし突然の上に深夜0時の来訪。同級生の少年は親の許可を得られなかったと星野凌斗くんに伝えるとそのまま立ち去ったといいます。
寝屋川事件発覚後、この少年やその家族は泊めずに2人を追い返してしまったことに自責の念を募らせているといいます。
商店街を歩く2人
同級生少年の家を離れた後の深夜1時頃、平田奈津美さんが自転車を駅の駐輪場に留めるため商店街を通り抜ける姿が監視カメラに映されていました。
それとほぼ同時刻に平田奈津美さんの母親が仕事から帰宅しており、自宅にいない平田奈津美さんを心配して連絡を取ろうとしていました。しかし携帯電話は繋がりませんでした。
間髪入れず、商店街の監視カメラには駅から引き返してくるような形で平田奈津美さんと星野凌斗くんの2人が歩いているのが映されていました。このとき平田奈津美さんの自宅から簡易テントが持ち出されていました。
野宿
その後、平田奈津美さんとLINEでやり取りをしていた友人が早く帰った方がいいというメッセージを送ると、「野宿するから大丈夫」というメッセージが返ってきていました。
最期の目撃情報
そのやり取り通り野宿をしたのか、明け方5時ごろに商店街内のお弁当屋に勤めている女性がベンチに座って眠っている2人の姿を目撃していました。
その後、再度商店街の監視カメラに2人の姿が映りこみます。その時間は明け方5:10頃。その10分後の5:20頃、商店街に勤める別の女性が商店街を通ったときには既に2人の姿はなくなっていました。
最後のメッセージ
足取りが途絶えてから1時間30分が経った朝6:30ごろ、平田奈津美さんからその友人がメッセージを受け取っていました。
その内容はというと、星野凌斗くんと2人で京都に行く。もう帰らないかもしれない。という内容でした。しかしこのメッセージを受け取った友人はいつもと違う文体で違和感があったと証言しております。
寝屋川事件の概要②平田奈津美さんの遺体が発見される
目撃情報、メッセージの既読情報等の消息が途切れてしまいます。見つかったのは寝屋川事件第1の被害者・平田奈津美さんの遺体でした。寝屋川事件発覚の瞬間です。
死因は首を絞められたことによる窒息。さらに体には大小様々な切り傷があったといいます。粘着テープで口や鼻は塞がれており、顔には殴られたような跡もありました。
寝屋川事件の概要③星野凌斗くんの遺体が発見される
平田奈津美さんが遺体で発見されてから約1週間が経過した8月21日。寝屋川事件第2の被害者・星野凌斗くんも大阪府内の竹林で遺体で発見されました。
星野凌斗くんの遺体は一部が白骨化しており死因が不鮮明でしたが後の調査で死因は平田奈津美さん同様窒息とわかりました。
幼い2人が行方不明となった寝屋川事件はどちらも帰らぬ人となってしまうという最悪の結末となりました。
寝屋川事件の概要④山田浩二容疑者が逮捕される
2人が消息を絶ってから監視カメラに不審な車が映っていることが発見され、寝屋川事件では2人の捜索と並行してこの車とその持ち主の特定も行われていました。
その結果浮上したのが山田浩二容疑者です。警察は星野凌斗くん発見当日、山田浩二容疑者を発見、追跡しており、この追跡が星野凌斗くんの遺体発見へと繋がりました。
その後逮捕された山田浩二容疑者の車から2人を拉致したことに関する様々な証拠が発見されましたが、肝心の山田浩二容疑者は黙秘している状態で寝屋川事件の詳細については未だ分からないままのものが多くあります。
寝屋川事件の裁判と判決は?
2019年の5月に既に下された判決。寝屋川事件の犯人、山田浩二には一体どのような判決がどのような道のりを経て下されたのでしょうか。
寝屋川事件犯人・山田浩二の供述
決して多くは無い貴重な証言のうちの1つに「同乗者がおり、そいつが平田奈津美さんを殴った。知らないうちに動かなくなっていた。」というものがありました。
しかし監視カメラの映像ではどこにも同乗者の姿は確認されず車内からその同乗者に繋がる証拠も得られなかったため山田浩二の罪逃れの虚言と断定されました。
他にも、平田奈津美さん殺害に関しては口を塞ごうとしたら誤って首を絞めてしまったと殺意が無かったことを主張しており、星野凌斗くんに関しても熱中症による体調不良で亡くなり殺意は無かったと主張しました。
寝屋川事件裁判①検察側は山田浩二に死刑を求刑
検察側は以上の虚偽らしきものも含まれる供述を聞き、虚偽ばかりで信用できないうえに言い訳ばかりで構成の余地もないと切り捨て山田浩二の死刑を求めました。
大阪地裁は山田浩二には殺意も責任能力も有ったとし、検察側の求刑を受け入れ死刑を言い渡しました。