メタニウムの全種を振り返る!インプレやおすすめ度が高いのはどれ?

ブラックバスフィッシングが全盛期となる『第3次バスブーム』と呼ばれた90年代に頭角を現し、それから20年以上を経てなお愛され続ける『メタニウム』シリーズ。バスフィッシング環境の変化に適応しながら辿ってきた変遷と奇跡を、発売された年順に振り返ってみましょう。

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『バンタムスコーピオン・メタニウムXT』の特徴と評価

1992年発売。始まりの『赤い蠍』

通称赤メタ。『完全無欠のJapan Style』というコンセプトとともに、非円形ベイトリールのフラッグシップモデルとしてシマノから発売されたのがこの『バンタムスコーピオン・メタニウムXT』でした。

ちなみに『赤いメタニウム』はこれが最初で最後となり、以降この特徴的にな渋みのある赤いカラーリングは『メタニウム』を冠しない『スコーピオンシリーズ』に受け継がれていくこととなります。

『バンタムスコーピオン・メタニウムXT』のスペックとインプレ

バンタムスコーピオン・メタニウムXTのスペック

本体材質/アルミ合金

自重(g)/225
最大ドラグ力(kg)/6
ギア比 /6.2
スプール糸巻量(lb-m)/12-140、14-120、16-110、20-90
ハンドル巻上長(cm/回転)/ 66
ベアリング数/ローラー  6/1
本体価格(税抜)  ¥32,000

バンタムスコーピオン・メタニウムXTのインプレ

シマノが最初に出した、渾身の非円形フラッグシップベイトリール。『バンタム』、『スコーピオン』、『メタニウム』と、2018年現在存在するうち3つのブランド名を冠していたことからも、その自信の程が伺えます。耐久性が高く現在でも愛用者の多いリールです。また、42mmのパワーハンドルが付属していました。

『スコーピオン・メタニウムXT』の特徴と評価

1997年発売。名作と呼ばれた銀のメタニウム

通称銀メタ。スペックは先に発売された『赤メタ』に準じるものですが、赤メタとの違いは名称から『バンタム』の表記が消えたこと、そしてスペック上の違いはスプールシャフトのベアリングが赤メタでは3つだったものが銀メタでは2つに減ったことです。ベアリングの摩擦抵抗が減ったことで飛距離が飛躍的に向上しました。

『スコーピオン・メタニウムXT』のスペックとインプレ

スコーピオン・メタニウムXTのスペック

本体材質/アルミ合金

自重(g)/235
最大ドラグ力(kg)/4.5
ギア比  /6.2
スプール糸巻量(lb-m)/ 12-140、14-120、16-110、20-90
ハンドル巻上長(cm/回転) /66
ベアリング数/ローラー  5/1
本体価格(税抜)  ¥35,700

スコーピオン・メタニウムXTのインプレ

前作との違いは、現在まで続く『スーパーフリースプール』の開発と『左ハンドル』モデルのラインナップ。それは同時に、今江克隆プロによる『右利きで扱う左ハンドル』という文化を生み出すきっかけとなりました。

『メタニウムといえばコレ』という方も多いのではないのでしょうか。バスブーム最盛期に発売され、王様・ミラクルジムこと村田基さんのプロモーション効果もあり、少年たちから大人まで、絶大な人気を博しました。現在でも愛用者の多いモデルです。

『00スコーピオン・メタニウムMg』の特徴と評価

2000年発売。当時最軽量のメタニウム

通称初代メタマグ。『Mg』の表記が示す通り、軽量化実現のため本体材質にマグネシウムが使用されるようになります。またSVSのブレーキブロックのシャフトはアルミを採用。スプールはエッジを薄く削り上げた超々ジュラルミンと、徹底した軽量化とキャスタビリティを磨き上げられた、シマノの野心作として語られています。

『00スコーピオン・メタニウムMg』のスペックとインプレ

00スコーピオン・メタニウムMgのスペック

本体材質/マグネシウム合金

自重(g)/190
最大ドラグ力(kg)/4.5
ギア比  /6.2
スプール糸巻量(lb-m)/ 12-140、14-120、16-110、20-90
ハンドル巻上長(cm/回転) /66
ベアリング数/ローラー  5/1
本体価格(税抜)  ¥37,000

00スコーピオン・メタニウムMgのインプレ

初代から続く『スコーピオン・メタニウム』最後の機種となります。『赤メタ』から受け継いだデザインはそのままに、マグネシウムボディの導入、スプールのブランキングと、徹底した軽量化が図られました。

徹底的なロープロファイル化が図られた最新モデルが手に馴染まない、『赤メタ銀メタのデザインが好き、でも軽い方がいい』など、様々な方面からの根強い支持があるモデルです。

『05メタニウムXT』の特徴と評価

2005年発売。質実剛健のオールラウンダー

通称ガンメタ。この代から名称の『スコーピオン』が外れることになります。軽量化を目指した前作から一転、本体材質はアルミ合金に戻り、重量は再び230g台へと戻ります。これは前作『初代メタマグ』をソルトフィッシングで使用したユーザーからマグネシウム素材の腐食の報告が多数上がったため、といわれています。

活躍の舞台を更にソルトへ

頑強さがデザインにも表れているガンメタ。これ以降のメタニウムはすべて海水対応表記となる、大きな転換期を迎えた一台となりました。またサイドカップの開閉が従来のねじ式からスイッチ式に代わり、SVSの調整がより手軽になったのも特徴です。

『05メタニウムXT』のスペックとインプレ

05メタニウムXTのスペック

本体材質/アルミ合金

自重(g)/230
最大ドラグ力(kg)/4
ギア比  /6.2
スプール糸巻量(lb-m)/ 12-140、14-120、16-110、20-90
ハンドル巻上長(cm/回転) /66
ベアリング数/ローラー  6/1
本体価格(税抜)  ¥36,000

05メタニウムXTのインプレ

海水対応が謳われ、防錆処理されたベアリング『A-RB』の表記が初めて行われた機種です。またこの代から名称の『スコーピオン』が外れ、正真正銘の『メタニウム』として独り立ちすることとなります。

現在のメタニウムの特徴を備えつつ、一方でスプール糸巻き量が20ポンドで90メートルという旧来の深溝仕様なので、ビッグベイトなど太いラインを使う用途では、まだまだ現役です。

『07メタニウムMg』の特徴と評価

2007年発売。最も普及したロープロファイル・メタニウム

通称07メタ。本体材質マグネシウム。前作からのモデルチェンジとして発売されたこのモデルは、全く新しいメタニウムの方向を示すものとして生み出されました。重心をロッドにより近づけられるよう、ハンドルとギアの位置が一層低くなりました。また、ギア比7のハイギアモデルがラインナップされるようになりました。

時代と融和したメタニウム

スプールも大幅に変更され、糸巻量が前作までは16ポンド110mほどだった容量が16ポンド85mとなります。実用範囲の糸巻量としては十分だったこと、当時ベイトフィネスというジャンルが確立し始めた時期ともあり、この変更点はユーザーに好意的に受け入れられることになります。

2011年発売メタニウムMg7V2

一部販売店のみでの取り扱いとなったのがこのメタニウムMg7V2です。名称の示す通り07メタニウムのバージョン2ということです。こちらのラインナップはハイギアモデルのみとなっており、違いはハンドルノブがコルクになったこと、シルバーと黒のツートンカラーになったことです。ごく少数の流通となりました。

『08メタニウムMgDC』の特徴と評価

2008年発売。メタニウム初のDC搭載機

07メタニウムMgのヒットを更に盛り上げるように発売されたのが、この08メタニウムMgDCです。メタニウム初のDC搭載機。遠心ブレーキの飛距離を取るかそれともDCの安定したキャスティングを取るかという選択肢が生まれたことで、メタニウムユーザーは嬉しい悲鳴を上げることになります。

『07メタMg/08メタMgDC』のスペックとインプレ

07メタMg/08メタMgDCのスペック

本体材質/マグネシウム合金

自重(g)/170(Mg、Mg7)、195(MgDC、MgDC7)
最大ドラグ力(kg)/5
ギア比  /6.2(Mg、MgDC)、7(Mg7、MgDC7)
スプール糸巻量(lb-m)/ 12-120、14-100、16-85、20-70
ハンドル巻上長(cm/回転) /66(Mg、MgDC)、75(Mg7、MgDC7)
ベアリング数/ローラー  8/1
本体価格(税抜)  ¥39,000(Mg、Mg7)、¥57,800(MgDC、MgDC7)

『07メタMg/08メタMgDC』のインプレ

大きな変革の一歩となった2代目『メタマグ』。ボディサイズは少し大きくなったものの、徹底したロープロファイル化によって手に馴染むデザインとなりました。同時に初代メタマグを大きく上回る軽量化に成功しました。

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